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有酸素運動と筋トレ、どっちが先?! 目的別に正しい順番を解説

  • 2022.2.25
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ジムに着いて最初に向かう先には、ランニングマシン? それとも、筋トレマシン? 実際には、自分が好きな順番で行っても構わない。だけど1日の限られた時間でトレーニングをするからには、有酸素運動も筋トレも両方取り組みたいと思うのは当然。どちらを先にしようとそこまで重要ではないけれど、トレーニング目標があるなら、順番は大切。

「持久力をつける」「体重を落とす」など、まずは目標を考えることから始めてみよう。同じ日に有酸素運動と筋トレを行う人は、その目標によって、トレーニングのやり方や頻度を決める必要がある。アメリカ版ウィメンズヘルスが聞いた専門家のアドバイスはこちら。

目次

有酸素運動と筋トレは、どっちを先にしたほうがいいの?

有酸素運動から始めてもいいの?

有酸素運動と筋トレを、同じ日にしてもいいの?

筋トレと組み合わせるなら、どの有酸素運動がいいの?

有酸素運動と筋トレは、週にどのくらいするべき?

有酸素運動と筋トレは、どっちを先にしたほうがいいの?

Women's Health

筋力をつけたい人は、筋トレが先。筋トレのほうが、肉体と精神に、エネルギーを集中させる必要があるから。そうすることで、正しい筋トレができるだけでなく、怪我の回避にもつながる。

「有酸素運動より筋トレを優先させれば、正しいフォームで筋トレを行うことに集中できるので、効率的に成果を引き出すことができます。一方で、有酸素運動をしたあとに、大量に汗を流しながら息切れした状態で筋トレをしても、体の疲労によってパフォーマンスは低下します」と説明するのは、ロサンゼルスのフィットネスジム「Ultimate Performance」に務める全米スポーツ医学協会(NASM)認定パーソナルトレーナー、エリック・ボウリング。

「筋トレのみ」「ランニング後の筋トレ」「サイクリング後の筋トレ」の3種類のトレーニング内容を比較した研究によると、ランニングとサイクリングを先にした被験者は、最初から筋トレのみを行った被験者より、筋トレを行える回数に限りがあることがわかったそう。さらに別の研究では、ランニングマシンを走った後に筋トレをすると、筋力が低下する一方で、心拍数や自覚的運動強度(運動をきついと感じる度合いを示す数値)が増加することが判明している。

体重を落としたい人も、筋トレを先にするべき。学術誌『Medicine and Science in Sports and Exercise』に掲載された研究では、筋トレの後に有酸素運動をした被験者のほうが、有酸素運動を始めて15分間で、より多くの脂肪を燃焼できたことが明らかになっている。

有酸素運動から始めてもいいの?

引きしまった体形を維持することが目標であれば、筋トレの前に有酸素運動をしてもいい。有酸素運動で汗を流すのは、筋トレを行うための準備運動になるので、筋トレを優先させたい人も、有酸素運動から始めてOK。

「ジョギングやサイクリングのような軽い有酸素運動は、筋トレで使う主要な筋肉群の血流を増加させるので、筋トレをするにはよい準備運動になります」と説明するのは、カリフォルニア大学サンディエゴ校に務めるプライマリ・ケアとスポーツ医学科の医師、サラ・ メリル医学博士。

心臓血管の健康を改善したい人も、有酸素運動から始めるべき。「有酸素運動をする前にハードな筋トレを行うと、筋肉が疲労するので、有酸素運動でフォームが乱れ、怪我をするリスクが上がります」と、メリル医学博士。

ランニングのレースに向けてトレーニングをしている人も、有酸素運動が先。理由は、筋トレを先にすると、持久力が低下するため。学術誌『Applied Physiology Nutrition and Metabolism』に掲載された研究によると、走る前に筋トレを行ったグループは、最初から走ったグループに比べて、ランニングエコノミー(無駄なエネルギーを使わず効率的に走ること)が低下したという。

有酸素運動と筋トレを、同じ日にしてもいいの?

従来のワークアウトのガインダンスでは、有酸素運動をした次の日に筋トレをする(またはその逆)ように提案しているが、「同じ日に両方してはいけない理由や、2回のセッションに分けてスケジュールを立てる必要はない」と話すのは、ノースリッジにあるヘルスケア「Dignity Health Medical Group」院長を務めるマンディープ・グーマン医学博士。

筋トレと有酸素運動を組み合わせた「クロスフィット」や「ビリーズ・ブートキャンプ」のような高強度トレーニングは、短期間で成果が出やすい。学術誌『Strength and Conditioning Research』に掲載された論文では、この種のワークアウトをしても、身体機能に悪影響を与えないことが証明されている。限られた時間を最大限に活用するには、より効率的なワークアウトと言えるかもしれない。

1日に有酸素運動と筋トレを分けてトレーニングを行う人は、少なくても8時間は間隔を空けて、体が修復するための時間を与えるようにボウリングはアドバイスしている。継続的に体に負荷を与えるのは、かえって成果を妨げることになるそう。

筋トレと組み合わせるなら、どの有酸素運動がいいの?

Women's Health

筋トレと組み合わせるのであれば、(酸素を体に多く取り入れながら、一定の心拍数を維持する)低強度な有酸素運動が最適です」と、ボウリング。

水泳や、エリプティカル・マシンを利用したり、ローイング、ジョギング、サイクリングなど、低強度な有酸素運動なら何でもOK。重要なのは、自分が好きな運動に取り組むこと。「運動を楽しいと思えるほうが、より一貫してワークアウトに取り組めるようになるので、結果的により効率的な運動が行えるようになりますね」と、メリル医学博士。「ワークアウトに多様性を加えることも大切です。いつも同じ有酸素運動や筋トレをしていれば、筋肉や関節が疲労し、使い過ぎ症候群を引き起こす恐れもありますから」

「有酸素運動の強度が高いほど、体が修復するための休息時間がさらに必要になります」と、ボウリング。

持久力を要するスポーツ(ハーフマラソンなど)をするために体を鍛えている人は、より高強度な有酸素運動をするべき。ただし、筋トレをするまでに最低8時間の間隔を空けて、体を修復させることを忘れないように。

有酸素運動と筋トレは、週にどのくらいするべき?

「アメリカ合衆国保健福祉省では、少なくても150分の適度な有酸素運動、または週に一度、75分の高強度有酸素運動、もしくは、少なくても週に2回の筋トレを行うように推奨しています」メリル医学博士。

「私は、週に3回筋トレをするように勧めています。筋肉を鍛え、脂肪を燃焼させるのに効率的であることは、数々の研究で証明されています。有酸素運動は、低強度のものであれば毎日行っても構いません。高強度のものであれば、そのぶん日数を減らしましょう」と、ボウリング。

理想的な「一週間のトレーニングメニュー」はこんな感じ。気に入ったものを1つ選んで実行してみよう。

• 筋トレ:週に2〜4回 • 低強度有酸素運動:週に5〜7回 • 中強度有酸素運動:週に3〜4回 • 高強度有酸素運動:週に1〜3回

有酸素運動の時間は、フィットネスの目標次第。「筋力をつけたい人は、筋肉のウォームアップ程度でいいので、有酸素運動は10〜15分に抑えましょう。体形や健康を総体的に改善したい人は、体や時間が許す限り、特に制限はありません」と、グーマン医学博士。「一週間のトレーニングメニュー」を目安にして、過度な運動はしないように。

米国運動協議会が定めた、目標別の「有酸素運動と筋トレの順番を決める判断基準」は以下の通り。

1. 持久力をつけたいなら、有酸素運動を先に。2. 脂肪を燃焼して体重を落としたいなら、筋トレを先に。3. 筋力をつけたいなら、筋トレを先に。4. 上半身筋力トレーニングをする日は、どちらが先でも◎。5. 下半身筋力トレーニングをする日は、筋トレを先に。6. 健康を改善する目的であれば、どちらが先でも構わないが、好きな運動を後にするほうが望ましい。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: ASHLEY MATEO Translation: Yukie Kawabata

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