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鍋料理は何日保存できる?食べるときの注意点は?管理栄養士に聞く

  • 2022.2.23
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食べ残した鍋料理は何日保存できる?
食べ残した鍋料理は何日保存できる?

寒さが厳しい日が続いており、キムチ鍋や水炊きなどの鍋料理を食べる人も多いのではないでしょうか。調理が比較的容易で栄養バランスも取りやすいことから、冬の人気料理ですが、残った料理を冷蔵庫に入れて翌日以降に再加熱して食べる人もいるようです。保存方法次第では食中毒の危険性もありそうですが、鍋料理は調理後、何日程度保存できるのでしょうか。また、保存した鍋料理を食べるときは、どのようなことに注意したらよいのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

2~3日以内に食べ切るのが望ましい

Q.食べ残した鍋料理は、何日程度保存できるのでしょうか。キムチ鍋や水炊き、おでんなど、具材や味によって違いはありますか。

岸さん「食べ残した鍋料理は、別の容器に移し替えて冷蔵庫で保存し、2~3日で食べ切るのが安全です。具によって、状態が変化したり味が落ちたりしやすい物はあるかと思いますが、保存の観点ではほとんど同じと考えてよいでしょう」

Q.鍋料理を保存する際、鍋に入れたまま冷蔵庫に入れるのはよくないのでしょうか。

岸さん「鍋は冷めていく過程で雑菌が好む温度帯の35度前後になり、菌が繁殖しやすい環境になります。鍋自体もですが、鍋ぶたやおたまなども同様で、雑菌が付いた状態で料理を保存するのは衛生的によくありません。残った料理は、速やかに清潔な容器に移して冷蔵庫に入れる方が安全です。鍋ごと冷蔵庫に入れたい場合は、翌日に食べ切るのがよいでしょう」

Q.保存した鍋料理を再調理する際の注意点について、教えてください。具材を継ぎ足しても問題ないのでしょうか。

岸さん「保存した鍋料理は必ず再加熱をして食べましょう。菌を消毒するには、『75度で1分以上加熱』という食中毒を防ぐ目安があります。具材を継ぎ足すことは問題ありませんが、新たに加えた具材も同様に、しっかり火を通してから食べてください」

Q.ネット上では、「鍋料理は、1日1回加熱して具材を足せば10日ほど食べ続けることができる」といった情報もあります。本当でしょうか。

岸さん「しっかり加熱殺菌した物を別容器に移し替えて冷蔵庫で保存し、さらに毎日加熱殺菌すれば、10日でも食べることはできると思います。具材が傷む理由は雑菌の繁殖なので、先述したように、毎日加熱するなど菌を増やさない工夫をすれば食べられます。ただし、味や風味については保証できません」

Q.保存した鍋料理を食べない方がいいケースはあるのでしょうか。

岸さん「『表面に白い膜が張っている』『異臭を放つ』『味が酸っぱくなっている』などの場合は、食べずに捨てた方がよいでしょう。肉の脂などが固まって白く浮いている場合もありますが、加熱して溶ける物なら心配ありません」

Q.鍋料理で食中毒が発生する可能性はありますか。

岸さん「鍋料理で考えられるのは、『ウェルシュ菌』による食中毒です。肉類や魚介類から感染することが多く、鍋の具材としてはどちらも多く使われるため注意が必要です。鍋の場合、汚染された食品を追加した際に菌が鍋全体に広がってしまうケースが考えられます。煮えている部分を食べたつもりでも、殺菌しきれていない具材やスープが混入すれば食中毒の危険性があります。

一度に加熱調理する煮込み料理とは違い、後から入ってきた具材が十分加熱されずにそのまま残り物になれば、ウェルシュ菌が繁殖し、芽胞を形成してしまう可能性があります。その場合、100度で加熱しても殺菌できなくなってしまいます」

Q.家庭によっては、菜箸を使わずに直接、鍋に自分たちの箸を入れて具材を取るケースもあるようですが、翌日以降に保存することを考えた場合、避けた方がよいのでしょうか。

岸さん「保存性や衛生面から言えば、じか箸はやめた方がよいです。口の中にはさまざまな常在菌がいるため、食品に直接触れれば雑菌混入の原因になります。その場で食べ切るのであればまだしも、残ってから数日保存することを考えると、菜箸やおたまも清潔なもので、できるだけ『菌を付けないこと』『菌を増やさないこと』が大切です」

オトナンサー編集部

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