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ストレス解消には休養、睡眠、あと1つは? 精神科医直伝「即できるストレス対策」

  • 2022.2.20
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まだまだ続くステイホーム。コロナ禍の第6波で、テレワークに舞い戻った人も多いはず。ストレスの多い今、上手にケアする方法を精神科医の古賀良彦先生が教えます。何気ない隙間にできることのほか、食事でもケアができちゃいます。とくに朝スープはうまく活用できるそうですよ!

ストレスを効率的に解消するポイントを精神科医が伝授

ステイホームが呼びかけられ、外出自粛やテレワークの日々。自分のストレスとうまく付き合っていく方法を探している人も多いのでは? でも、面倒なことはしたくないはず。簡単に楽しくストレスケアができればいいですよね。

そこで今回は、2021年12月に開催された日本スープ協会主催のセミナー「毎日のスープ食で、ココロも身体もホッとする。コロナ時代のストレスケア」で講演を行った、杏林大学名誉教授・医学博士の古賀良彦先生がお話されていた内容と共に、古賀先生に改めてうかがった、おうちで簡単にできるストレスケアの方法をご紹介します。

自分でできるストレス対処法は3つの「R」を意識すること

古賀先生によると、ストレスケアでポイントになるのは、3つの「R」を意識することだといいます。3つのRとは、Relaxation、Rest、Recreationの3つの頭文字を取ったもの。

1.Relaxation(リラクゼーション):休養
2.Rest(レスト):休息
3.Recreation(レクリエーション):娯楽

Relaxationは、リラックスしながらくつろぐこと。自律神経の安定につながるそうです。そしてRestは休息、主に睡眠のことを指すのだそう。そしてRecreationは娯楽です。

古賀先生 日々のストレス、肉体的な疲れを、自分なりの休養・休息・娯楽によって癒すことが、次の日の活力を生み出し タイムパフォーマンスを向上させるポイントです。

ーーところで、3つ目のRecreationは、具体的に何を指すのでしょうか? 古賀先生によると、Recreationは、自分で積極的に何か楽しみとなることを実践することだといいます。例えば、次のことが挙げられます。

人と楽しくコミュニケーションをとる

古賀先生 とくに巣ごもり生活やテレワークの中では、人とのへただりができてしまうことから、リモートでの対話でもかまいませんので、楽しくコミュニケーションをすることが大切です。

手を動かす・クリエイトすること

古賀先生 手を動かすこと、クリエイトすること、物を作る行為が効果的です。頭を働かせるだけではなく、手を動かすことで脳の働きが活発になります。一瞬、夢中になれるような、楽しいことが大事です。道具を使うことで夢中になりやすく、心理的に解放されます。例えば、塗り絵、折り紙、切り紙などはいいですね。

「いいかげん川柳」

古賀先生 道具を使わないレクリエーションとしては、「いいかげん川柳」をおすすめしています。字数制限もなく、5・7・5にかぎらず5・8・5でもよいので、好きなように川柳を作ります。季語も入れる必要はなく、自分の好きなテーマ、その日の出来事などで、自分なりのウィットを散りばめましょう。

楽曲の歌詞を思い出す

古賀先生 普段、何気ないときに音楽がふと頭に浮かぶときがありますが、その楽曲に歌詞があれば、歌詞を思い出してみるのもよいですね。歌詞がない楽曲なら、そのメロディに歌詞をつけたり、声に出して歌ってみたり、頭の中で歌ってみたりしても良いです。

食事で実践するストレス対策

ーーところで、古賀先生によれば、毎日の食事でもストレス対策になるのだそうです。

古賀先生 食事は、比較的簡単にストレス対策の一手段として利用できます。美味しいという味わいを感じる楽しさもありますが、そればかりでなく気持ちが明るくなったり、くつろいだりできるといった情緒面にも良い影響があります。

また食事中は、私たちにストレスを感じさせるストレッサーの存在を一瞬、忘れることができます。食事を楽しむ3つのプロセスである「作る・五感で愛でる・コミュニケーションを促す」を楽しみましょう。

朝に温かいスープを飲むのもおすすめ

ーー具体的な食事を挙げると、古賀先生は朝に温かいスープを飲むことをすすめています。

古賀先生 食事のなかでも、とくに朝に温かいスープを飲むことは、身体の働きを無理なく活性化すること、そして脳の機能を整えて仕事や学業を前向きに行えるようにすることが、複数の実験によって示唆されています。

ある実験(※)では、朝に温かいコーンポタージュスープを飲むことによって、足先の温度が上昇しました。カラダの深部体温が上昇することによって覚醒度が上がり、快活に朝をスタートできます。

また温かいスープを飲むことにより、消化器官の活動が活発になることで副交感神経が優位となり、ストレスが和らぎます。

さらに、私の行った実験では、朝に温かいスープを飲むことによって、脳波に「α(アルファ)波」が多くみられました。これは脳の活動が円滑になり、ストレスが少なく、しっかりと目が覚め、かつ仕事や学業へのスタンバイができたことを意味します。

ーー朝が苦手でいつもご機嫌ななめ、という人はとくに、朝に温かいスープを取り入れてみるのもいいかもしれませんね。

※ 参考文献:高木ら : 栄養学雑誌 71, 49 58 (2013)

自宅で手軽にできるストレス対策の方法を教えていただきました。どれも簡単に身近なところで実践できるものばかり! ストレスがたまってきたなと感じているなら、ぜひ実践してみてくださいね。

Information

教えてくれた人…古賀 良彦(こが よしひこ)さん
杏林大学名誉教授・医学博士。うつ病、睡眠障害、総合失調症、ストレス障害の治療・研究のエキスパート。日本催眠学会名誉理事長、日本薬物脳波学会副理事長なども務める。

(C)Deagreez/Getty Images

文・椎原茜

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