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創業200年以上。和紙専門店の老舗へ紙雑貨を買いに出かけよう

  • 2015.8.28
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東京・府中市で江戸時代から約200年にわたって商いを続けている「紙よし村」は、都内でも数少ない和紙専門店。伝統工芸品の土佐和紙をはじめ、ふだん使いできる千代紙、便せん、ぽち袋などもそろえ、気軽に和紙の美しさや温かさにふれられます。

店内は歴史を感じさせる商家造りです

京王線府中駅から国指定天然記念物の「馬場大門ケヤキ並木」が続く通りを行き、縁結びのパワースポットとして知られる武蔵国総社「大國魂神社」へ。その境内のとなりにコンクリート打ち放しの重厚な外観が目を引く「紙よし村」があります。

店内に足を踏み入れると、外の喧騒が嘘のよう。透明感のある澄んだ空気と静寂が広がり、心がほっと安まります。近代的な外観に反して、店内は柱や梁、天井が木造。土間や中二階への階段が設けられ、昔ながらの商家を思わせる造りです。 「店の創業年は記録が焼失したため不明ですが、第11代将軍徳川家斉の時代にはすでに営んでいたと聞いています」と話すのは、11代目店主の福井隆さん。現在の建物は1980年代に前を通る旧甲州街道が拡幅された際に改築しました。

「和紙はワインやウイスキーと同じように熟成するものです。漉かれたばかりの紙は水分を多く含み、少しずつ乾燥することで、今日よりも明日、明日よりも明後日と風合いが高まります。店内を木造にしたのは、温度と湿度を年間を通して一定に保ち、紙の湿気がほどよく抜けるようにするためなんです」と教えてくれました。

やわらかで温かな光を作りだす和紙

お店の棚には土佐和紙や越前和紙など各地の和紙が置かれています。和紙をどのように使ったらよいかと伺うと、福井さんは世界一薄く、破れにくいといわれる土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)や丈夫さとしなやかさを兼ね備えた楮紙(こうぞし)、華やかな模様が美しい友禅千代紙などを広げて見せてくれました。

たとえば、楮紙は古くから障子や行灯に利用されてきたものです。「視線はさえぎるけれど、光は通すという特徴があるんですよ」と、福井さんは楮紙を電球にかざします。すると電球の明るさはそのままですが、楮紙を通して放たれた光はやわらかで温か。インテリアの装飾や照明に用いれば、お部屋の雰囲気が大きく変わりそうです。

和紙雑貨を取り込んで日常生活を素敵に

「紙よし村」では和紙の便せん、メモ帳、ぽち袋など、日常で気軽に使えるものがたくさん用意されています。独特の質感で味わいがあり、これで手紙を書いたら相手は喜ぶだろうな、これでお祝いを渡したら気持ちが伝わりそうだなと想像するだけで嬉しくなります。人形の衣装や化粧箱に貼る千代紙、貼り絵に使うちぎり紙などはどれも色鮮やかで、ラッピングやクラフトなど、工夫しだいでいろいろなものに使えそう。 「ほかでは手に入らないものがここにはあると言って、遠くからいらっしゃるお客さんも多いですね」と福井さん。紙に関する知識が豊富で親切な方なので、祝儀袋の作法でわからないことがあれば教えてくれますし、どの紙を選んだらよいかわからなければ用途に合ったものをすすめてくれるので、紙のことで迷ったらこちらと有名なお店なのです。 さらに福井さんは「日本人は季節ごとに床の間の掛け軸を変えたり、お正月を迎えるために障子を貼り替えたり、日々の暮らしのなかで和紙と親しんできました。現代では生活様式が変わってなじみが薄くなりましたが、このすばらしい日本文化を残すために意地でもお店の暖簾を守っていきたいと思っています」と笑います。

和紙の魅力をあらためて見直し、日常の生活に取り込んでいけたら素敵ですね。

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