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映画『ロマンス』タナダユキ監督インタビュー 【後編】タナダ監督流の旅の楽しみ方とは?

  • 2015.8.28
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ロマンスカーと箱根を舞台に繰り広げられる、偶然の出会いと別れを綴った小さな旅の物語『ロマンス』(8月29日公開)。この映画の監督と脚本を務めたタナダユキさんに、旅についてお話を伺いました。

海外では高級デパートではなくスーパーマーケットに行く

――とてもお忙しいと思いますが、旅行する時間はありますか?

「あまりないですねぇ…。でも、映画祭で最近立て続けに上海とニューヨークに行きました」

――旅先や撮影先などで、カルチャーショックを受けたりすることはありますか?

「ショックというほどではないですが、先日ニューヨークに行った時、帰り際に空港でお土産を買おうとして、男性の店員さんが、たぶん2個買うとお得だとか言っていたと思うんですが、そのチョコレートの缶の包装にペンをブスブス刺して説明していて、ビックリしました(笑)。日本だと、そんなこと絶対にしませんよね」

――それはビックリしますよね(笑)。海外に行った時には、いつもこんなことをするという習慣のようなものはありますか?

「現地のスーパーマーケットに行くのが好きです。高級デパートではなくて、普通の人が買い物をする、普通のスーパーに行ってみるのが好きなんです。その街に住んでいる人たちが、どういう風に生活しているのかちょっと見えて楽しいですね」

初めての海外旅行はポルトガルへの一人旅

――これまでに行かれた旅行先で、思い出深い場所はどこですか?

「ポルトガルと台湾です。23歳くらいの時に、初めて行った海外がポルトガルでした。その時、フランスに知り合いがいたので、フランスに行く予定だったんですが、ポルトガルに行ったことのある友達が、すごくいいと教えてくれたんですよ。「じゃあ行ってみよう」と思って、1人で行きました。俄然、フランスより良かったという印象でした。素朴な感じで、街もきれいでしたね。

台湾はやっぱり食べ物がいいですね。二泊三日の弾丸旅行でしたが、ずーっと食べていた印象しかありません(笑)。あと、やっぱり漢字の文化が、読めなくても、全く分からないわけではないという感じがあって。英語は得意じゃないので」

――これから行ってみたいところは?

「東欧。チェコとかに行きたいですね。小物を買いたいので、現地に詳しい人がいるといいな。若い頃は言葉が分からなくても一人旅ができたんですが、最近はなかなか勇気が出ませんね」 ――印象的な国内旅行は?

「文学作品を読んで、その舞台となっている場所に行くというのを、姉と一緒にやっていて(笑)。伊豆だったら、『伊豆の踊子』を読んでから行く、みたいな旅行をしていました。普通に行って帰って、ああ楽しかった、食べ物がおいしかった、というよりも、文学作品を読んでから行くのは面白かったし、印象的で楽しい旅行の思い出になりました。

国内にも面白いところがいっぱいありますし、国内旅行は、何より言葉が通じるから楽ですよね」

――ありがとうございます。では最後に、ことりっぷの読者にメッセージをお願いします。

「旅に出たいなと思っているのなら、出ないより出た方がいいと思います。行ったところで何も変わらないかもしれないし、日常生活が劇的に良くなるわけじゃないかもしれない。でもきっと、モノの見方がちょっと変化するんじゃないかな。やっぱり旅っていいなと思うし、必要だと思います」

タナダユキ

1975年8月12日生まれ、福岡県出身。2001年、『モル』で第23回PFFアワードグランプリとブリリアント賞に輝き監督デビュー。主な監督作に『百万円と苦虫女』『ふがいない僕は空を見た』『四十九日のレシピ』などがある。

『ロマンス』

(c)2015 東映ビデオ

8月29日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開

配給:東京テアトル

公式サイト:http://movie-romance.com/

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