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心も人生も豊かになる! 「書くを愉しむ」を紐解く

  • 2022.2.7
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Harumari TOKYOの今回の特集テーマは「書くを愉しむ」。忙しい日々を送るなかで、少し立ち止まって何かを書き出してみると、アイデアの種が眠っていたり、自分の現在地を確認できたりとポジティブな効果があるのではと考えました。小説家として書くことを生業にしている羽田圭介さんと一緒に、3つのポイントで「書くこと」の魅力を紐解きます。

書くことで得られる心理的な効果とは?

はじめに「書くこと」を習慣化するとどのような効果が得られるのでしょうか。それを象徴するのが、「書く瞑想」といわれるジャーナリングです。メンタルヘルスに作用することから、企業研修などでも取り入れられることもあるとか。最近では、SNSを使う要領でもっと気軽に日常で習慣化できるようなアプリも登場しています。それがAIジャーナリングアプリといわれる「muute」です。

「muute」の魅力は、“ソーシャルでもひとりでもない”ところ。つまり、SNSとは逆の閉ざされた空間であるにもかかわらず、AIが感情の波やよく使った単語を分析しフィードバックしてくれるため書いたままにならずに、自然と自分を振り返る機会が与えられます。操作は、通常の日記アプリとかわらずシンプルですが、一度体験してみると不思議な安心感が得られ、「書く瞑想」といわれている理由も納得。スマートフォンを触ると、意識的にも無意識にもSNSを開いていたという人も、「muute」を入れていれば自然と外の音を遮断して自分と向き合う機会が得られることでしょう。

羽田さんにもトライしてもらったところ、アプリでカジュアルに続けられるのことに好感を持っていたようでした。
「アイデアとか思いついたことをメモに書くときにもいいですね。それを膨らませて妄想しているときが一番楽しい作業に思えます」(羽田さん)

「muute」の創業者へのインタビュー記事はこちら

アナログの日記から記録することの魅力に触れる

新進気鋭のアプリもいいですが、デジタル全盛期に置いてベストセラーを獲得し約74万人のユーザーを持つ「ほぼ日手帳」には人を魅了するヒントがあるかもしれません。そこで「ほぼ日手帳」を総力取材しました。

まず注目したのが1日1Pからなる自由度の高いレイアウトです。ノートのマス目まで計算されたページは、横書き・縦書きはもちろん、ユーザーの個性が最も表れているところでもあります。この書き心地のよさが、「ほぼ日手帳」を選ぶ理由になっています。

子どもを抱っこする大人のイラストが書かれているページがあれば、映画の半券が貼られた思い出帳のようなページまで……。『ほぼ日手帳公式ガイドブック』(マガジンハウス刊)の編集を担当したほぼ日手帳チームの平野慎也さんに手帳を見せていただくと、その書き方のバリエーションに驚きます。プライベートなことから、仕事におけることまで幅広い用途で使っているとのことです。

平野さんの手帳からわかるように、書き方にルールはありません。特に、フォーマットのない紙は表現の幅が広く、そこがデジタルにはない魅力です。思い浮かんだことを心の赴くままに書けるため、アイデアを生み出すポテンシャルも感じました。

「例えばその日の天気『今日の最高気温は8度だった』っていうのを最高気温が31度の夏に見返すと、この日はこんなに寒くて、当時の自分はこんなことをしていたというのを振り返ることができます。最終的に完成した日記を見返すと、自分だけの一冊の“LIFEのBOOK”になっています」(平野さん)

特に30代は結婚や出産などライフスタイルの転換期なので自然と「生き方」「これからのこと」などのことを書く人も一定数いるようです。
手書きという行為で生み出されたものは、筆圧や文字の綺麗さなどからそのときの自分のコンディションを振り返ることができる一面もあります。デジタルでは感じにくい人間味や温かみを視覚的に感じることができるのです。

「ほぼ日手帳」のインタビュー記事はこちら

「書くを愉しむ」ためのツールを探そう!

続いて、書くことを習慣化するためのモチベーションのひとつとなるのがツールです。そこでおすすめなのが、東京・蔵前の文具店「カキモリ」です。定番から気鋭、そしてオーダーメイドの文房具まで、文具好きをうならせるセレクトが魅力です。なかでも日記やジャーナリングをする時間をより深い時間にするなら、オリジナルインクとガラスペンを使うのがおすすめです。Harumari TOKYO編集部でも、羽田さんと一緒にインク作りを体験しました。

17色から最大3色を選んで、1滴ずつ調整しながらオリジナルの色を作ります。インクは全てカキモリのオリジナルで、それぞれのインクにつけられた名前も愛らしいのです。

羽田さんは 『ブルーミングピンク』『ベルベットパープル』という鮮やかなピンク系の2色と、『ハーベストゴールド』と対照的な色を調合しました。すると、赤ワインのような深みのあるオリジナルインクが完成しました。

万年筆の場合、色を変える際はカートリッジごと変えなければいけませんが、ガラスペンの場合は、水に浸すことで簡単に色をリセットして、違う色に挑戦することができるのです。扱いやすい点から、初心者におすすめで、作家によって見た目の美しさもさまざまなので、自分好みのガラスペンを見つける愉しみもあります。

「かすれないし、描き心地が想像していたよりなめらかです。文字の太さも調整できるので、緩急がつけられますね」(羽田さん)

「カキモリ」のインタビュー記事はこちら

「書くことを突き詰めると全てカウンセリングになると気付きました」と羽田さんが語るように、メモ程度でも自分を記録し続けることで、自分へのフィードバックになる。あくまで継続が大事なため、自分にあったツールで書く習慣を取り入れてみましょう。

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