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テレワークが集中できない原因は?専門家が教える「集中できる冬の室内環境」のポイント

  • 2022.2.7
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新しい生活様式が浸透し、ライフスタイルが大きく変化しました。それに伴い、学生・社会人問わず、自宅で勉強や仕事などをする機会が多くなっています。そこでテレワークをしている社会人の方に向けて、集中して勉強や仕事が出来る室内環境づくりについて、本郷赤門前クリニック院長医学博士・心療内科医師の吉田たかよし先生に解説していただきました。

1.冬、エアコン暖房をつけているとき「勉強に集中できない」学生は約6割!

調査によると「冬、自分の部屋(共用を含む)で勉強している人」は79.8%(グラフ1)、

各勉強場所において「エアコン暖房をつけている人」は95.0%以上いるという結果になりました(グラフ2)。

また、冬、エアコン暖房をつけているとき「勉強に集中できないことがある」と回答した人は59.3%いました(グラフ3)。

さらに、その人たちが室内環境で気になることや悩んでいることとして、「部屋の乾燥が気になる」人は54.5%、「部分的に冷える箇所がある」人は40.4%、「エアコンの適切な設定温度がわからない」人が33.4%という結果となりました(グラフ4)。

冬、部屋での勉強やテレワークに集中できない理由の一つに、エアコン暖房をうまく活用できていないことが考えられます。室温は、高すぎても低すぎても集中して作業するには適していません。今回は、室温の管理法を含め、集中できる室内環境づくりについて、医学博士の吉田たかよし先生から解説していただきます。

本郷赤門前クリニック院長医学博士・心療内科医師
2005年に、受験期にうつ症状が急増することを、データを提示しながら指摘し、「受験うつ」として警鐘を鳴らすべきだと、広く提唱。同年、日本で初めて、受験生の脳機能やメンタルを専門に扱う「本郷赤門前クリニック」を開設。浜教育研究所主席研究員として脳医学を応用した教育法の開発にも従事。

2.ポイントは“涼しい”温度設定!集中力を高める室温管理とエアコンの活用術

1 室温は“やや低く”!脳のことを考えた室温設定を
脳は情報を処理するときに熱を発するため、適度に冷やさないと勉強やテレワークで必要とされる高度な情報処理を続けることはできません。そのため、エアコンの設定温度は自分自身が“涼しい”と感じる温度に設定することがおすすめです。つまり、暖かいと感じる温度は、集中力を保つには高すぎるということです。しかし、寒いと感じるまで温度を下げると、脳がストレスを感じて勉強やテレワークの効率は下がってしまうため、室温設定には注意が必要です。

2 集中力が下がってきたら、エアコンの温度を下げてみよう!
あくびが出るとき、集中力はかなり低下しています。しかし、エアコンを活用することが、集中力の復活に役立つ可能性があります。あくびの目的は脳を冷やすことであるとされていますが、エアコンの設定温度を下げることで同じことができます。集中力が低下してきたなと思ったら、設定温度を少し下げましょう。そうすると、脳を冷やすことができ、集中力の回復に役立ちます。ただし、少し寒いなと感じるようなら元の温度設定に戻しましょう。長時間、寒いと感じると、ストレス ホルモンの作用で脳の働きは逆に低下します。

“お悩み別”解消法~集中できる室内環境のために~

1 【お悩み第 1 位】部屋の乾燥が気になる⇒湿度は50%前後を保とう!
湿度60%を超えると脳内で意欲が生じにくくなり、勉強のやる気が低下する危険性があります。そのため、室内の乾燥対策をする場合は湿度50%前後を目安にするのがおすすめです。

2 【お悩み第 2 位】部分的に冷える箇所がある⇒足首を重点的に温めよう!
足元が冷える場合、足底部(足のひら)よりも足首を重点的に温めたほうが脳の働きが活発になります。また、足首を温めると足底部の血流が良くなり、結果的に足底部も暖かく感じる性質があります。レッグウォーマーなどで足首を暖めるのがおすすめです。

3.室温管理だけじゃない!さらに集中力を高める室内環境づくり

BGM編〈“大好きな曲”はNG?自然界の音がおすすめ!〉
まず、集中したいときにおすすめできないのは、ボーカルの入った曲です。脳の言語中枢は、基本的には一つの作業しかできません。曲の歌詞を言語中枢で認識すると、その分だけ、脳の情報処理がおろそかになります。また、意外にも大好きな曲も集中力を低下させるおそれがあるので注意が必要です。好きな曲を聞くと感動しますが、その作用によって脳内で論理的な思考力を生み出す前頭前野の働きが抑制を受けるのです。

一方、音楽以上に勉強やテレワーク中に聞くと集中力を上げる効果が期待できるのは、波の音、せせらぎの音、風が吹き抜ける音など、自然界の音です。この自然界の音の性質としては、ストレスの緩和や、集中力を上げる効果が期待できるといわれています。

照明編 〈集中力を高めるには光の色を昼と夜で使い分けよう〉
集中力をアップさせるには、照明器具を昼と夜で使い分けることが効果的です。室内の照明についても時間医学の研究が進んでおり、朝から夕方までは、青白い光が望ましく、夜はオレンジ色に近い光で照らすのが、脳にとって最適であることがわかっています。

太陽のリズムに合わせて、日中は青白い照明にすることでやる気や集中力を高め、夕方以降はオレンジ色に近い照明にすることで睡眠の質が向上し、効率よく記憶を定着させることができます。

【調査概要】
■グラフ 1~4 ・調査対象者:全国の高校生(高等専門学校含む)、専門学生、短大生、大学生の男女600名・調査方法:インターネット
・調査期間:2021年10月30日(土)~10月31日(日)

構成/CLASSY.ONLINE編集室

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