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世界遺産をつくった建築家、オスカー・ニーマイヤーを知っていますか?(Yuka Tsukano)

  • 2015.8.21
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【さらに写真を見る】世界遺産をつくった建築家、オスカー・ニーマイヤーを知っていますか?(Yuka Tsukano)

Photo:ロイター/アフロ

「いちばん好きな建築家は?」とよく聞かれますが、私にとって特別な存在がオスカー・ニーマイヤーです。東京都現代美術館では日本初となる大回顧展が開催中。まるごと世界遺産になった都市ブラジリアをつくったダイナミックな建築家の魅力を建築好きエディターに語らせてください!

伝説1:宇宙船みたいな建築をつくったカリオカ。

写真の円盤のような宇宙船のような「ニテロイ現代美術館」を手がけたのが、オスカー・ニーマイヤー。1907年リオ生まれのブラジル人建築家です。2012年に104歳で亡くなる直前まで約1世紀にわたり、有機的な曲線をもちいたダイナミックな名建築を世界中に残してきました。

先日、東京都現代美術館で開催中の「オスカー・ニーマイヤー展」へ行ってきました。開催2日目に行ったので、あっちにもこっちにも建築関係者の姿を発見。この展覧会は文字通り”体感”できる会場構成になっています。というのも…
オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男

会期:2015年7月18日(土)〜10月12日(月・祝)

会場:東京都現代美術館

伝説2:世界中の建築家が敬愛する存在。

「オスカー・ニーマイヤー」展が体で感じられるのは、会場デザインを手がけたのが、オスカー・ニーマイヤーに大きく影響され敬愛しているというSANAAのお2人(妹島和世さん、西沢立衛さん)だから。大小の模型がたくさん展示されていますが、なかでもイビラプエラ公園の1/30模型は圧巻です。特注のカーペットに寝転がれば、雄大な公園にいるような気分にさせられます。

伝説3:世界遺産になった人工都市を設計。

私が好きな建物のひとつが、ニーマイヤーの自邸「カノアスの邸宅」。ジャングルのような濃い緑とゴツゴツした岩壁にのなかに、華奢な柱と曲面ガラス、流線型の屋根が見事に溶け込んでいる住宅です。岩と共存する姿に憧れ、いつかこんな家に住みたいと常々思ってきました。2メートルはありそうな巨大な模型を見て「なるほどこんな風に地下があったのか…」と勉強になりました。

この自邸を建てたのが1952年。その後、1956年に大統領が遷都計画を実行に移し、荒涼とした未開の大地に急ピッチで都市計画がすすみました。その新首都の主任建築家がニーマイヤー。1957年から1958年に主要な建築物(国会議事堂、大聖堂、最高裁判所等)が設計され、1960年に遷都。そして1987年にブラジリアはユネスコ世界遺産に登録されたのです!

伝説4:100歳になっても女性が好き。

オスカー・ニーマイヤーは女性好きでも有名。98歳で60歳の秘書と再婚したときには、ビッグニュースになりました。ドキュメント映像のなかでは、自身の建築は女性の体がインスピレーション源になっていることを明かしています。オスカー・ニーマイヤーの建築は「シンプルで美しい」と思います。大胆な形ですが、恣意的に線を引いた感じがせず、自然の赴くままに描かれているように見えるのは、”自然の姿”こそが彼のインスピレーション源だからなのですね。

おまけ:子連れは必見!トーマス展。

美術館にやけに子連れが多いなと思ったら、「きかんしゃトーマスとなかまたち」展も同時に開催していました。娘はトーマスの映像は観たことがないのですが、その存在は知っているので大喜び。特に、実際に乗れるミニ機関車に大満足の様子でした。この日、私は初めて原画の絵本「汽車のえほん」シリーズを読んで、トーマスたちの興味深いキャラクター設定や奥深い世界を知りました。大人目線でも楽しめる物語です。

参照元:VOGUE JAPAN

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