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夏休み明けがキケン! 子どもの“自殺“を助長する危険因子8つ

  • 2015.8.20
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【ママからのご相談】

小学5年生の子どもをもつ母親です。子どもが学校で、「いじめられたことがあるか、他の人がいじめているのを見たことがあるか」などのアンケートを書いたという話を聞きました。学校では、生徒の状況を把握するために実施しているようです。

最近は、小学生でも自殺したなどというニュースをみることがあります。いじめも怖いですが、自殺は本当に恐ろしいです。子どもが自殺に至る原因に、よく“いじめ”が挙げられますが、その他にもあるような気がします。子どもの自殺予防のために、どのような要因が自殺につながるのか教えてもらえますか?

●A. 自殺につながる危険因子を8つお伝えします。

ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐藤理香です。

内閣府で、18歳以下の子どもの自殺を調査したところ、夏休みなど長期の休みが明けたところで自殺が集中していることがわかりました。特に8月末から9月上旬は増加傾向がみられます。日別の集計では、9月1日に自殺してしまう子どもが圧倒的に多かったです。

子どもを自殺に追い込まないために、“子どもの見守り”“や“子どもから相談を受ける”ことが大切だといわれますが、できれば早めにSOSに気づきたいものですよね。

どのような要因が自殺につながるのか。今回は、東京都教育委員会の資料をもとに、自殺の危険因子を8つお伝えしたいと思います。

●自殺につながる危険因子8つ

●(1)自殺未遂歴がある

自殺未遂は、最も重大な危険因子です。前回は未遂で終わったかもしれませんが、その後、適切なケアが受けられないままでいると、同様の行為を繰り返して自殺が現実のものになる危険性が高まります。自傷行為なども、手厚くケアすることが必要です。

●(2)うつ病などの心の病がある

思春期以降の自殺の背景には、大人のように深刻な心の病が存在する場合が多いそうです。うつ病だけでなく、実在しない声が聞こえるなどの幻聴、妄想、会話の内容がまとまらなくなるなどの症状があらわれる統合失調症にも注意です。

その他、極端に食欲が低下した、逆に激しく大食いをする、食後におう吐するなどの摂食障害も気をつけましょう。このような場合は、専門家による治療を受けることが大切です。

●(3)周囲からのサポートが十分に得られない状況にある

子どもの“孤立”は要注意です。転校が多い、友達がいない、親が病気だったり、離婚して適切な養育を受けられないなど親が不在の経験をしている子どもは孤立しがちになるようです。

このような場合は、学校を中心にサポートしてもらう必要があります。「これは!」という状況が生じたら、遠慮せずに、子どものために積極的にサポートを受けてもよいと思いますよ。

●(4)いじめなど心の悩みがある

子どもが成長するにつれて、学校をはじめとする友達から受ける影響は多大です。時には親の影響に勝ることもあります。その友達からいじめられたり、無視されたりといった悩みは深く、自殺につながりかねない危険性があります。

●(5)喪失体験がある

喪失体験とは、自分にとってかけがえのない存在や意味を失うことです。家族や親しい人との別れなど個人的な関係の喪失、学業成績の低下やスポーツでの挫折、転居や親の離婚などさまざまです。

大人にとっては大したことがなくても、子どもは苦しんでいる場合がありますので十分な理解が必要です。

●(6)事故を繰り返す傾向がある

これまで問題行動がみられなかった子どもが、突然事故やけがが多くなったり、年齢相応に自分の安全を守れない行動が目立つようになった場合は要注意です。無意識に自己破壊傾向があらわれていることもあるようです。

本人や家族は、「またケガした」「最近多いわね」と軽く済ませてしまうことが多いですが、事故やけがを防ぐ行動がとれない、医学的な指示を無視する子どもについては自殺の危険がないか気をつける必要があります。

●(7)他者の死の影響を受ける

家族など精神的に強いつながりをもっていた人の死は、心に大きな影響を及ぼします。それだけでなく、有名な歌手や俳優の自殺が、連鎖的に複数の子どもの自殺を引き起こす“群発自殺”が発生することも知られています。

子どもが大好きな人の自殺や事故死をマスコミが大々的に報道し、それに動揺している場合は危険です。自殺につながりかねないと考えてケアが必要です。

●(8)虐待を受けた経験がある

心理的、身体的あるいは性的な虐待を受けた経験がある子どもは、自尊感情が健全に発達できていないおそれがあります。そのため、簡単に抑うつ的、自己破壊的になり、自殺につながるケースが存在します。

虐待をうけたことについて誰にも相談できず、一人で悩んでいることもあります。子どもが発するサインに気づいたら、丁寧に話を聞き、子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。

最後に、内閣府の自殺対策のサイトから、文面を引用します。一人でも多くの子どもが救われますように……。

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もしあなたが悩みを抱えていたら、ぜひ相談してください。

大切な人が悩みを抱えていることに気づいたら、声をかけてみてください。

そして、その人が悩みを話してくれたら、話をそらしたり、「そんなことで」と否定したり、安易に励ましたりせず、じっくりと話を聴いて、相談窓口を紹介してあげてください。

その後も、「何かあったらまた話して」と寄り添い、温かく見守ってあげてください。

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【参考リンク】

・子供の命を守ろう~子供の自殺予防に向けて~ | 東京都教育委員会(PDF)

・相談窓口~一人で悩むより、まず相談を。~ | 内閣府

●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)

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