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アートを通して、自分の立ち位置を見つめ直す......今月の展覧会4選!

  • 2022.1.25
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再び、都市部での行動制限が宣告された。テレビを通じて見知っている著名人にも感染が広がり、もしかしたら身の回りにも脅威は迫っているのかもしれない。そんないまだからこそ、心静かにアートを見つめたい。対峙することで自分の存在が浮き彫りになる……今月も美術館に出かけよう。

美術史を巡るオルタナティブな思索。

mamoru『おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)』

日本最古の歴史を持つ芸術大学、京都市立芸術大学で明治期に美術教育に用いられた教材「絵手本」の歴史を起点とした『第十門第四類』展(2021年12月末で終了)を引き継ぐ本展では、「リスニング」の手法により資料にアプローチ。想像を喚起する言葉やイメージ、歴史に埋もれた小さな出来事を探究してきたアーティストmamoruと協働し、アーカイブの声を聴き、考察する。展示室では京都芸大の資料とmamoru によるテキストや制作資料、映像などが交じり合い、特設サイトではハイパーリンクテキストを主体にウェブのフォーマットならではの手法で連鎖的な展開が繰り広げられる。資料に誘発された「思索」の視覚化を試みる。

mamoru『おそらくこれは展示ではない(としたら、何だ?)』会期:開催中~3/21京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(京都・二条城前)営)11:00 ~19:00休)月※3/21は開館入場無料●問い合わせ先:075-253-1509https://gallery.kcua.ac.jp

「壮大な見世物」を超える映像史の現在地。

第14回恵比寿映像祭『スペクタクル後AFTER THE SPECTACLE』

パンデミック下、映像はより身近なメディアとして浸透し、特にSNSでは誰もが複層的な次元で映像体験が可能となった。祝祭的イベントから災害や戦争まで、あらゆる情報が映像を通して壮大なスペクタクルとして視覚的に再現される現代、本映像祭では「スペクタクル後」をテーマに19~20世紀の博覧会や映画の歴史から現代にいたる映像表現を考察。デビュー作『KUICHISAN』以来、国際的に評価される映像作家・遠藤麻衣子、日本の先住民族を追い続けるラウラ・リヴェラーニ&空音央、「人が足を踏み入れられるドラマ」として心象風景を表現する三田村光土里ほか、国内外の注目作家が参加する。

第14回恵比寿映像祭『スペクタクル後AFTER THE SPECTACLE』会期:2/4 ~2/20東京都写真美術館(東京・恵比寿)営)10:00 ~20:00休)月入場無料●問い合わせ先:tel:03-3280-0099www.yebizo.com

ビートニクスの精神を受け継ぐ反骨の道程。

『RED 堀 清英 写真展』

幅広い分野で活躍し、特にアーティストポートレートで知られる写真家・堀清英。1950年代のアメリカで人間性を取り戻すため「原始へ帰れ」と訴えかけたビートカルチャーの詩人アレン・ギンズバーグから強い影響を受けた堀は東日本大震災後、現代社会にアイロニカルな視線を向けたシリーズ『re;HOWL』を発表。本展で初公開となる『RED』では視点を自己の内部へと転じ、「自分とは何者か?」という問いへの答えを追求する。本展では『RED』シリーズのほか、1990年代以降撮りためてきた作品群や、創作活動の原点ともいえる手製のフォトブックなどを3部構成で紹介。自らの作品をピクチャーポエムであるという堀の自己探求の道程を示す。

『RED 堀 清英 写真展』会期:開催中~2/20シャネル・ネクサス・ホール(東京・銀座)営)11:00 ~19:00無休入場無料●問い合わせ先:tel:03-6386-3071https://nexushall.chanel.com

「穴」に取り憑かれた人々の思考と探究。

『わたしの穴美術の穴|地底人とミラーレス・ミラー』

1970年前後の日本美術史のリサーチを主眼に、石井友人、榎倉冴香、地主麻衣子、高石晃、桝田倫広が2014年に発足したプロジェクト「わたしの穴 美術の穴」。1970年、現代美術家たちにより空き地で行われた野外展示『スペース戸塚’70』を通して、日本の現代美術のアンダーグラウンドな活動に光を当ててきた。実在はしないが日常空間に遍在し、存在を感じさせるアンビバレントな穴というモチーフを巡る思考の沼に自らはまった企画者。その活動から浮上したテーマのもと企画する本展では、地面に穿たれた穴に住まう「地底人」と決して自分を映すことのない「ミラーレス・ミラー」というアプローチでさらに複雑に「穴」を掘り進める。

『わたしの穴美術の穴|地底人とミラーレス・ミラー』会期:パート1: 開催中~2/12パート2:2/19 ~3/19galleryαM(東京・神田)営)13:00 〜20:00休)日、月、祝入場無料●問い合わせ先:tel:03-5829-9109https://gallery-alpham.com

新型コロナウイルス感染症の影響により、開催時期および開館時間が変更となる場合があります。最新情報は各展覧会のHPをご確認ください。

*「フィガロジャポン」2022年3月号より抜粋

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