【須賀川】江戸時代から受け継がれてきた銘菓『かみしめ屋』

皆さま、こんにちは♪地域特派員のれもんクッキーです。 遅ればせながら明けましておめでとうございます。 今年も地元の魅力をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

今回は、年の初めにふさわしい須賀川の伝統和菓子「かみしめ屋」をご紹介したいと思います。

天保7年（1836）創業、日本三大おこしのひとつ「かみしめ」

お店の名物として、また屋号にもなっている「かみしめ」は、おこしの一種でもち米を使用したお菓子です。 驚くことに！江戸時代の手法そのままに現在も作り続けられています。

江戸時代からの手法とはいかに！店内の看板に記された作り方を目を追うと、 素朴な見た目からは想像もつかない程、手の込んだ工程を踏んでいることに驚かされます！

作り方は蒸したもち米を夏の間に天日で干し、薪火(まきび)で二日間かけて炒ってから、黒砂糖と水飴をからめ、きな粉と水飴を混ぜて薄く伸ばした皮で巻き、更にきな粉をまぶし仕上げます。

繊細な「かみしめ」は、その日の天気や気温、湿度に左右されやすく、また外側の薄皮は麺棒で厚さ1mmほどに伸ばすなど作る技術も並々ならぬことが伺えます。

毎年、夏の間は干飯づくりに専念するため、その期間は「かみしめ」は作らないそうですが、年々、猛暑や酷暑で販売休止期間は長くなっているようです。

伝統菓子を踏襲した和菓子や洋菓子も見逃せない

「かみしめ」の他にも伝統を感じさせる銘菓が美しく陳列されており、「ここでしか味わえない」とお土産や茶道用としてはるばる遠方から足を運ぶお客様も多くいらっしゃいます。

包装にも凛とした美しさがあり、眺めているだけで身も心も浄化されたような心持ちになります。

趣向を凝らした「さくっとワーズ」や「どら焼き」なども人気のひとつ。

須賀川の伝統的火祭りの「松明あかし」にちなんだ「松明絵巻」は、自家製のつぶあんをこしあんで巻いた贅沢仕様。 絵巻には「松明あかし」の由来が書かれており、歴史に触れることもできる何とも粋な計らいです♪

季節限定で登場の「ぶっきりあめ」は、水飴に空気を含ませて作られ、「風邪をひかないように」などの願いがこめられ、この時期ならではのお楽しみ。

一度やってみたかった！ 銘菓の食べ比べ

今回「かみしめ」のほか、「ぶっきりあめ」「さくっとワーズ」「どら焼き」「松明絵巻」「梅の花籠」を食べ比べしてみました♪

包装を外してみますと外観はこのような感じで、ひとつひとつがシンプルかつ美しい。 （さくっとワーズのみ早まって先にカット）

中身をわかりやすくするためカットしてみたらこのような感じに。つぼみからお花がパッと開いたようです♪

須賀川へ越してきてから何度か食べている「かみしめ」 改めてかみしめてみますと、じんわりと優しい甘みと香ばしい香りが味わい深く、きな粉をまとった周りの極薄の皮が素晴らしくいい仕事をしています。

二層の餡で贅沢に巻かれた「松明絵巻」は、ほろりと崩れる繊細な食感に加え小豆本来の美味しさを感じられる豊かな味わいです。 クセになる「ぶっきりあめ」は、やわらかな口溶けと食感が魅力で、手作りならではの素朴な美味しさです。

クリームチーズが挟んである「さくっとワーズ」は初めて食べてから虜に。 生地の独特な食感と優しいクリームチーズのアクセントがクセになる味わいです。

梅の甘露煮が丸々入った「梅の花籠」は、上品な白餡と香り豊かな梅との相性抜群で、寒い時期でも一口食べると初夏を感じさせてくれます。

トリをつとめるのは隠れた人気の「どらやき」 しっかりめの生地と風味豊かな餡が絶妙で存在感があります。

丹精込めて作られた伝統的な味わいは、時を経て現代にも引き継がれ、身近に楽しめることに喜びをかみしめられずにはいられません。 現代にたくさんの甘いものが溢れる中、手間暇のかかる作業を一つとして手を抜かず、丁寧に生み出された銘菓は他では感じえない美味しさと魅力があります。 須賀川の歴史とともに歩んできた「かみしめ屋」 ここでしか味わえない味を、是非かみしめてはいかがでしょうか。

■「かみしめ屋」 住所 〒962-0833 福島県須賀川市馬町2-5 電話 0248-73-2906 営業時間 8：30〜18：30 無休