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昔ながらの台湾ケーキ「古早味蛋糕(グーザオウェイタンガオ)」&Taipei 台湾スイーツ食べ比べ

  • 2022.1.17
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卵をたっぷり使ったフワフワ食感のケーキ。

出典 andpremium.jp

台湾では飲食店のメニューや看板に「古早味(グーザオウェイ)」という3文字を目にする機会が少なくない。これは「昔ながらの味」という意味で、伝統の味にこだわっていることを強調する場合に用いられる。今回紹介するのは「古早味蛋糕(グーザオウェイタンガオ)」と呼ばれる「昔ながらのケーキ」。一つは日本でも注目を集めている「台湾カステラ」の原型といわれる「古早味現烤蛋糕(グーザオウェイシエンカオタンガオ)」。これはプリンのように軟らかいと言われるスポンジケーキ「布丁蛋糕/プーディンタンガオ(戚風蛋糕/チーフォンタンガオ)」を改良したもの。10年ほど前に台北郊外の淡水に店ができ、行列ができるほどのブームとなった。もう一つは「古早味蛋糕捲(グーザオウェイタンガオチュエン)」と呼ばれる砂糖をまぶした餡なしのロールケーキ。どちらも素朴な味わいで、甘さは控えめ。渋味のない台湾産紅茶と一緒に味わってみたい。

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どこか懐かしさを覚える卵ロールケーキ。

台中郊外の豊原に本店があり、1900年創業という長い歴史を誇る老舗の中華菓子店。しっとりとした生地の月餅で知られ、戦前から数多くの賞を受賞してきた名店だ。そして、中華菓子のほか、「蛋糕捲」という卵ロールケーキも人気。「蛋糕捲」はかつて雑貨屋や売店で売られ、おやつの定番だったという。ここでは出来たてを販売しており、生地がふわっとしているのが特色。しかもアヒルの卵を用いているので香りが良く、上品な味わいとなっている。表面にまぶした砂糖のざらっとした食感も加わり、やみつきになるおいしさだ。本店では、多いときにはなんと1日2000個もの売り上げを記録するという。台北店では午前11時に焼き上がるので、この時間帯を狙って訪れるのがおすすめだ。

雪花齋
シュエホワツァイ

台北市松山區八德路四段187號(台北店) 02‒2579‒0439 10:00~20:00 日休 1個40元、6個入り1箱240元。常温で1日、冷蔵で3日保存可。

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プリンのような軟らかさの巨大スポンジケーキ。

かつては宴会の最後にデザートとして供されていたという円形のスポンジケーキ「布丁蛋糕」。これを焼きたての状態で売るべく改良されたのが、「古早味現烤蛋糕」だ。オーブンから取り出したら、シートと板を重ね、高く持ち上げてからひっくり返す。その後、シートを剥がし、定規を用いて10等分にカットしていく。店先で披露される一連の作業は目を引くもので、熟練の技が必要。ちなみに、ケーキ1個あたりには5個の卵が使用されている。泡立て具合が決め手となり、濃厚な卵の風味と驚きの弾力性はここから生まれる。高さ10㎝×長さ20㎝の大きさでもペロリと完食してしまうはず。チーズ入りのほか、チョコ味やナッツ入りも人気。本店は淡水にあり、『士林夜市』内に分店がある。

源味本鋪
ユエンウェイベンプー

台北市士林區文林路101巷14號(文林店) 02‒2881‒8985 8:00~21:00 月休 写真はチーズ入り130元。常温で1日、冷蔵で3日保存可。

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文/片倉真理 写真/片倉佳史
※この記事は、No. 98 2022年2月号「&Taipei」に掲載されたものです。

台北在住ライター・コーディネーター 片倉真理
出典 andpremium.jp

1999年から台北に暮らす。台湾に関する書籍の執筆、製作のほか、雑誌のコーディネートなども手がける。台湾各地を隈なく歩き、料理やスイーツから文化、風俗、歴史まで幅広く取材。著書に『台湾探見』、共著に『台湾旅人地図帳』(共にウェッジ)、『食べる指差し会話帳』(情報センター出版局)など。

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