1. トップ
  2. レシピ
  3. ミカンのカロリーと栄養は?長くおいしく楽しむ保存法やレシピまで【専門家監修】

ミカンのカロリーと栄養は?長くおいしく楽しむ保存法やレシピまで【専門家監修】

  • 2022.1.15
  • 2423 views

冬の代表的な果物といえばミカン。「ビタミンCが豊富だし手軽で食べやすいから大袋で買ったら、食べきれずに腐ってしまった…」なんて経験はありませんか。ミカンは保存方法に気をつければ、冬なら3週間程度楽しめます。正しい保存法やおいしいミカンの見分け方を知って、今年の冬は長くおいしくミカンを堪能しましょう!そのまま食べるだけでなく、甘みがアップする食べ方も紹介します。

【特徴】ミカンは日本原産の果物。収穫時期によって味に違いあり

「ミカン」とは、皮がやわらかくてむきやすい、小型の柑橘類の総称。ですが、一般的に「ミカン」と呼ぶときは、収穫量の多い「温州(うんしゅう)みかん」という品種を指していることが多いでしょう。

温州みかんは、江戸時代に中国から鹿児島県に伝わった柑橘の種から偶然生まれた日本原産の柑橘類。明治時代に入って「手軽にビタミンCが摂れる果物」として人気を博し、全国的に栽培されるようになりました。ちなみに「温州」の名称は、中国のミカンの名産地から取られたそうです。

温州みかんは産地や栽培法によってブランド名が付いており、お店でよく見かける「有田みかん」「愛媛みかん」「三ケ日(みっかび)みかん」などはいずれもブランド名です。

ミカンの旬は秋〜冬で、10〜4月頃に出回っているものは露地栽培。5〜9月頃のものはハウス栽培です。露地ものは収穫時期によって味に特徴があります。

■極早生(ごくわせ)

9月〜10月頃に収穫。皮にまだ青みが残った状態。薄皮がやわらかくて食べやすく、酸味がやや強いのが特徴です。

■早生(わせ)

10月〜11月頃に収穫。皮はほぼだいだい色に。極早生よりも糖度が増し、甘みと程よい酸味が楽しめます。

■中生(なかて)

11月下旬〜12月下旬頃に収穫。皮は濃いだいだい色になります。酸味が少なめになり甘みが強いのが特徴。薄皮は早生に比べてやや厚くなってきます。

■晩生(おくて)

1月〜3月頃に収穫。皮がかたくなり、腐りにくく長期保存しやすいのが特徴。薄皮もかためですが、酸味、甘みともに最も濃くなっています。

【選び方】濃いだいだい色で、平べったい形のものが甘い!

ミカンは、大玉よりも小玉の方が糖度が高い傾向があります。形は上から見るときれいな円形で平べったく、ヘタが中心についているものを。ヘタは小さめで少し枯れているものがおすすめです。

皮はだいだい色が濃くて均一、表面はツルッとして張りとツヤがあり、皮のつぶつぶが小さくはっきりとしているものがおいしいと言われています。

【保存】乾燥、高温、重ねすぎる保存はNG。冷凍ミカンも便利!

ミカンは乾燥と高温が苦手なので、冷暗所で保存するのが鉄則。玄関や廊下など、直射日光が当たらず、暖房が効いていない場所を選びましょう。また、ミカンは重みで皮に傷がつくと腐りやすくなるので、ひと手間かけて保存を。以下の方法なら3週間ほど持ちます。

ミカンが少量のときは、平らなかごやざるにヘタを下にして並べます。1段で並べきれないときは、間にペーパータオルを挟んで、2段まで重ねてOKです。

箱で購入した場合もそのまま放置はNG。箱からすべてのミカンを出して、箱の底に新聞紙かペーパータオルを敷き、ミカンを並べ直します。並べ方は少量のときと同じく、ヘタを下にして、重ねるときは間に新聞紙かペーパータオルを挟んで2〜3段まで。入りきれない分は段を増やすではなく、別の箱などに入れてください。一番上にも新聞紙かペーパータオルをかぶせ、箱のふたは開けたままにしておきましょう。

冷暗所がなければ、冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ミカンをペーパータオルや新聞紙で1つずつ包み、ヘタを下にして平らになるようにポリ袋に入れます。野菜室内では他の野菜に潰されないようにケアを。2週間を目安に食べ切るようにしてください。

冷凍ミカンの作り方

生で食べきれないときは、「冷凍ミカン」にするのもおすすめ。冷凍することによって甘みもアップします。

冷凍方法は「皮付き」と「皮なし」の2通り。用途や好みで使い分けてみてください。どちらも1〜2か月保存可能です。

  • 「皮付き冷凍」は、まずミカンを軽く水洗いして水気を拭き取り、冷凍させます。凍ったら一度取り出し、水にくぐらせてから再び冷凍庫へ。表面を保護する薄い氷の膜ができて、給食で出てきたような冷凍ミカンになります。冷凍庫から出してすぐだと皮がむけないので、好みのかたさに自然解凍していただきましょう。
  • 「皮なし冷凍」は、皮をむいたらラップでピッタリと包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍を。解凍なしでそのまま食べられますし、スムージーに加えたりヨーグルトに添えたりしてもおいしいですよ。

【食べ方】電子レンジやトースターで加熱すると甘みが増す

そのままでも冷凍してもおいしいミカンですが、じつは加熱してから食べるのもおすすめ。加熱によって甘みが増すので、酸っぱくて食べにくいミカンで試してみてはいかがでしょうか。

■ホットミカン

ミカンを軽く水洗いしてから水気を拭き、破裂しないように皮に切れ目を入れます。電子レンジで30秒程度加熱。加熱しすぎると破裂するので注意してください。

■焼きミカン

ミカンを軽く水洗いしてから水気を拭きます。皮をむかずにそのままで、オーブントースターまたは魚焼きグリルで表面に焦げ目がつくまで焼きます。上下は返さなくてOK。

【栄養・効果】薄皮や筋まで食べれば栄養効果ばっちり。手が黄色くなるのも問題なし

ミカンの可食部100gあたりのエネルギーは49kcal。美肌効果など抗酸化作用が期待できビタミンCが豊富なだけでなく、カリウム、葉酸、食物繊維も多く、栄養価は果物の中でもトップクラスと言われています。

特に薄皮や白い筋に多く含まれるヘスペリジンなどのビタミンPには、高血圧や動脈硬化を予防する効果が期待されています。ミカンの栄養効果を最大限に取り入れるには、薄皮や筋ごと食べるのがおすすめです。

また、ミカンを食べすぎると手などが黄色くなることがありますよね。これはだいだい色の色素であるβ-クリプトキサンチンが血中に蓄積されて起こるとされる柑皮症(かんぴしょう)の症状。β-クリプトキサンチンは抗酸化作用が高く、がんや骨粗しょう症の予防、関節リウマチや糖尿病や動脈硬化の抑制に効果があると言われています。柑皮症は一時的なもので健康への影響は少ないと言われているので安心してくださいね。

レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。

栄養監修:内山由香

「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。

[All Photos by shutterstock.com]

元記事で読む
の記事をもっとみる