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石崎ひゅーい「音楽と結婚している感覚で作りました」 5年ぶりのフルアルバム

  • 2022.1.14
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ミュージシャンや映画監督、俳優など多方面からのラブコールが止まらない、石崎ひゅーいさん。独自の視点を持つ歌詞と、心を打つメロディラインはもちろん、こんなオープンマインドな人柄も魅力なのだろう。

「基本的に人が好きで、結構“人たらし”なところがあるんです(笑)。男も女も関係なく、気になる人がいればワーッと行って、自分のことを隠さずに全部、見せます。後からボロが出るより、最初にどうしようもないところもわかってほしいから」

人に対する彼の興味は、他のアーティストに楽曲提供をする際にも発揮されている。5年ぶりのフル・アルバム『ダイヤモンド』の1曲目は、私立恵比寿中学に提供した「ジャンプ」のセルフカバー。

「エビ中のフィルターを借りて、10代20代の子たちの葛藤を書きました。僕は高校生の時にバンドを組み、毎日のようにライブハウスにいたんですけど。その経験が今の自分を形成しているので、このコロナ禍で、当たり前に経験するはずだった青春を過ごせなかった若い子たちにエールを送りたくて。この曲ができた時に、いつかセルフカバーしたいなと思っていました」

映画『アンダードッグ』の主題歌「Flowers」や、アニメ『歌舞伎町シャーロック』のEDテーマ「パレード」など、タイアップ曲も多数収録。なかでもドラマ『警視庁・捜査一課長』の主題歌「アヤメ」の制作は印象深かったと語る。

「『アヤメ』はこの時代にどう向き合うかをテーマに、心に深く届くシンプルな言葉を意識して書いたので苦労しました。でも出来上がってドラマの制作チームの方たちに喜んでいただいて。ドラマでもアヤメの花や色をモチーフとして使ってくださり、頑張った甲斐がありました」

2012年に『第三惑星交響曲』でデビューした時は、自身の繊細な感性を音楽にしてステージで爆発させる、本能的なアーティストというイメージだった。なので、こうして様々な作品に寄り添った音楽を次々と生み出すようになるとは思わなかったと正直に伝えたら、こんな反応。

「僕自身も驚いてます(笑)。5年前のアルバム『アタラズモトオカラズ』の頃は、自分をとにかく放出して、ゼロになるまで出すみたいな考え方で歌ってたから。でもそれ以外の方法も導き出さないとシンガーソングライターを長く続けていけないと思ったことも大きかったですね」

タイアップ曲の他、個性豊かな新曲たちも並ぶ。ガレージパンク風の「ジュノ」は、まるで青春ショートムービーのような仕上がり。

「ある日、面白い夢を見た後に、その映像を言葉にする形で書いた曲です。前日に友達とNASAの木星探査機ジュノーの話をしていたから、夢に出てきた登場人物はジュノ。こういう奇跡的な曲作りは4年に一回くらいあります(笑)」

人の様々な輝きを詰め込んだアルバム『ダイヤモンド』。ひゅーいさんが、たくさんの出会いに真摯に向き合った幸福な作品が完成した。

「コロナ禍で人と会えない中、逆に音楽とはより密になり、音楽と結婚している感覚で作りました。今年はデビュー10周年、盛大なお祭りができたらいいなと考えています」

4th Full Album『ダイヤモンド』。独自のストーリーテリングとポップさに磨きがかかった全11曲。【初回生産限定盤(CD+BD)】¥4,800 【通常盤(CD)】¥3,300(EPICレコードジャパン)

いしざき・ひゅーい 1984年生まれ、茨城県出身。2012年にデビュー。’13年にドラマ『みんな!エスパーだよ!』のED曲「夜間飛行」を書き下ろして話題に。菅田将暉さんの「虹」「さよならエレジー」など楽曲提供も多数。

※『anan』2022年1月12日号より。写真・小笠原真紀 取材、文・上野三樹

(by anan編集部)

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