1. トップ
  2. レシピ
  3. 集中力は維持できる…! 「仕事や家事モードに即切り替えられる」意外な方法  #143

集中力は維持できる…! 「仕事や家事モードに即切り替えられる」意外な方法  #143

  • 2022.1.14
  • 771 views

正月ボケがなかなか抜けず、仕事や家事がはかどらない、なんて人は少なくないでしょう。そこで、漢方薬剤師の大久保愛先生が、胃腸とメンタルを整えて「集中力を維持させる」簡単な方法を教えてくれます!

期限ギリギリにならないとスイッチが入らない人へ!

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 143

そろそろ正月ボケも抜けていつもの日常リズムが戻ってきた頃でしょうか。いつまでもスローペースで過ごしてはいられませんよね。年末年始で増えた体重は戻ってきましたか? 食欲は増えたまま、運動する習慣もないまま、以前よりもザ・冬ごもりという感じになってはいないでしょうか。

そして、長期休暇をしていた分、やることがたまり、キャパオーバーを感じることもあるかもしれません。こんなときに必要なのは、集中力ですよね。時間がなくても集中力さえあれば、ぼーっとした時間もあっという間に取り返すことができます。期限ぎりぎりの切迫感でしかやる気にスイッチが入らないという人は、毎回辛い思いをしているのだと思います。ということで、今回は体の内側から集中力をうながす食薬習慣を紹介します。

今週は、集中力の低下を防ぐ食薬習慣

やるべきこと、やりたいことなどはたくさんあるのに、どうしてもやる気が出なくて現実逃避してしまう日はないでしょうか。気合を入れようにも明確な方法は見つからず大変ですよね。毎年正月明けが苦手な人も多いと思います。

年末年始で食事が豪華になったり、お菓子やお餅、パンや麺など簡単なものを食べる頻度が上がったりすることで、ドーパミンやセロトニンなどの幸福を感じる物質の分泌が一時的に増えますが、その反動で血糖値が下がり、それに伴い意欲がなくなり、集中力がなくなりゴロゴロして過ごしてしまうことがあります。その癖が抜けていない人は、今も頭の中はのんびりしていることだと思います。

この状態を漢方では、セロトニンやインスリンなどの分泌に不調が生じる『肝脾不調』や栄養状態が悪く集中力が低下する『血虚』などと考えます。また、同時に食事内容が偏ることは、腸にも悪い影響を与えるので、セロトニンの多くが存在する腸内環境を乱し、メンタルのコントロールの不調にもつながってしまうことだと思います。思い当たる人は、食事の傾向を見直してみましょう。

そこで、今週は、胃腸の働きを整え、感情のバランスを整える食薬習慣を紹介します。食べると良い食材・メニューは、【カボチャと切り干し大根の噌汁】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材・メニュー:カボチャと切り干し大根の味噌汁】

甘い物やおせんべい、スナック菓子、パンなどを、隙があればつまむ癖ができてしまった人。それが集中力の低下を招いてしまっているかもしれません。そのため、GL値が低く、急な血糖値の上昇をさせず脳のエネルギー源となる脳に優しい野菜、カボチャと、正月に弱った消化機能を助け鉄やビタミンCを含み集中力に必要な『血』を補う、切干大根を使います。作り方は、いつものお味噌汁の具材に、カボチャと切り干し大根を使うだけです。甘くて満足感も得られます。

【カボチャ】

カボチャには、脳に必要な糖質が含まれますが、血糖値を急上昇させるようなものではありません。また、抗酸化作用の高いビタミンACEも含む、エイジング効果の高い野菜でもあります。皮やワタ、種に栄養価が高いので煮込むと柔らかくなる皮は一緒に食べてしまいましょう。また、カボチャの種を乾煎りしておつまみにすると、セロトニンの原料トリプトファンが豊富に含まれているので、種まで無駄なく食べるのがおすすめです。

【切り干し大根】

切り干し大根には、胃腸の働きを助ける食物繊維やビタミンB群、鉄や亜鉛、カリウム、カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれています。切り干し大根は、出汁が出る乾物なので、味噌汁に直接入れてふやかして食べると簡単に美味しく食べることができます。

感情の問題は、気合でなんとかなるもとならないものがあります。なかなか改善しない場合には栄養状態の問題であるケースが多いです。どんな不調でも、おかしいなと思って我慢するのではなく、自分でできる一番身近なところから改善目指して、試しに行動を変え、自分に合う解決策を探してみることが近道です。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。

©Charday Penn/Gettyimages
©Cavan Images/Gettyimages
©Phil Boorman/Gettyimages

文・大久保愛

元記事で読む
の記事をもっとみる