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【番外編】北海道バーホッピング3選〜児島麻理子の「TOKYO、会いに行きたいバーテンダー」〜

  • 2022.1.10
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お酒業界での広報歴12年!児島麻理子が、実力派のバーテンダーをご紹介します。第39回目は番外編!旅先でのバーの楽しみをお届けします。訪れたのは、北海道・札幌市。地元愛が強い札幌ならではのバーをホッピング。

1軒目は…〈ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園〉

マネージャー・上田 博也さん
バーテンダー歴:10年
生年月日:1984年11月3日
星座:蠍座
血液型:O型
趣味:料理。得意料理はおでんです
札幌の個人的おすすめ店:〈アモアール(創作料理)〉

旅のバーの嗜みは、情報収集しやすいホテルバーからが鉄則。今回は、札幌テレビ塔のすぐ横に位置する〈ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園〉のラウンジからホッピングをスタート。街とバーを知る3つの質問に対するバーテンダーさんのお答えは?

Q.こちらのバーの特徴を教えてください!

上田さん「ホテルのコンセプトは『北海道を体感する』なので、ここでは北海道を飲み物を通じて知っていただこうと思っています。利尻昆布とか道産の椎茸などもカクテルに使用できるんですよ。“ゆめぴりかとカルダモンのレモンサワー”、“リンゴ酒と和紅茶の相思相愛”など、北海道産の材料を使ったものや、“出汁ウォッカとニシバの恋人のブラッディメアリー”のように日本の魅力自体を伝えようとしているものもあります。私自身は実はシンガポールで出汁の会社のバーの立ち上げをしていたことがあり、出汁は自慢なんです!ブラッディメアリーに合わせた出汁を使っていますので、ぜひ試していただきたいなと思います」。

Q. 北海道の魅力は何でしょうか?

上田さん「北海道はやはり土地が広いからできることがあります。アップルブランデーやジンなども、素材を道内で育てて、お酒づくりもしてという地産がほんとにできているものが多いんですよね。ニッカウイスキーなどによる長いお酒づくりの歴史もあります。土地と歴史の強みがあるところに、他のエリアとは違う魅力があると思っています」。

Q. ホテルバーのおすすめの使い方はありますか?

上田さん「ホテルバーは旅の始まりにおすすめです。メニューにも北海道を知るヒントがありますから、それを見て気になったところなど、なんでも聞いていただけたらと思います。我々のバーは朝10時からオープンしていますし、ノンアルコールカクテルもあります。温かい時期は、屋上のルーフトップでのカクテルもおすすめですし、ワインのボトル売りもしているので、それを部屋でゆっくり飲んでいただくのもホテルならではの楽しみ方だと思います」。

北海道の魅力をカクテルで再発見したところで、次はホテルを出て、すすきのの街に向かいます。

左から「出汁とニシバの恋人のバージンメアリー」(800円)、「利尻昆布のジントニック」(600円)
ラウンジの一角にはレコードの棚とDJブースが。週末にはDJイベントも行われる。
北海道雑貨を集めたマーケットも不定期で開催。

上田さんのいるバーはここ。

「北海道を体感する」をコンセプトに北海道の木材を生かした空間や、北海道素材の食を提供し、札幌が目的地の人にも、起点になる人にも楽しんでもらえる場づくりを行う。木材の温かみがある客室には、レコードプレーヤーが置かれ、ラウンジで選んだレコードをかけられたりと体験型のステイが愉しめる。

北海道札幌市中央区大通西1-12
011-208-1555
ラウンジ10:00〜23:00(L.O.22:30)
※状況に応じて営業時間は変更になります。

2軒目は…〈Bar Owl & ROOSTER〉

マネージャー・斎藤久嗣さん
バーテンダー歴:11年
生年月日:1988年3月1日
星座:魚座
血液型:O型
趣味:山登り。最近では羊蹄山にも挑みました
札幌の個人的おすすめ店:〈バールメンタ(イタリアン)〉

斎藤さんは、東京や上海でのバーテンダー経験を経て、札幌のバー文化を世界に発信したいという思いを持って地元に戻ってきました。薬草酒やクラフトジンも多く取り揃え、カクテル通の方にも初心者の方にも幅広くお酒の魅力を伝えています。

Q.こちらのバーの特徴を教えてください。

斎藤さん「薬草酒がメインのカクテルバーになります。店名がOWL(フクロウ)&ROOSTER(雄鶏)なんですが、これは時間帯が違う生き物が一緒になっている水墨画からイメージを取ったもの。国籍もジェンダーも年齢も超えて、どの人もここに集まってほしいというメッセージを込めています。カクテルは欧米の高品質なスピリッツと北海道のフレッシュな素材を組み合わせて作っています。日本に質のいい海外の薬草酒やオードヴィー(果実酒)を伝えていきたいのもありますし、街とさらに連携しながら札幌をカクテルの街として世界に発信していけるようなことができたらいいなと思っています」。

Q. 札幌のカクテルに特徴はありますか?

斎藤さん「上海や東京は新しいテクニックを使ったり、自家製のものを作ったりしますが、ここでは適度に調理して出すような素材を生かすようなカクテルが好まれています。新鮮な素材が手に入りやすい環境でもあるかと思いますね。ここでは北海道版のモスコミュールとして“ハスカップと生姜”、“ミントと青唐辛子”などがあります。薬草酒についても“薬草酒ハイボール”などわかりやすいけれど美味しいものから用意しています」。

Q.斎藤さんの思う札幌の魅力はなんですか?

斎藤さん「街から30分ほどで山にもいけるし、冬はワカサギを釣れたり、夏はニセコのほうでサップができたり、街の近くにアウトドアのアクティビティがあるんです。ちょうどいい規模の街感と自然があるバランスが素晴らしいと思っています。ライフスタイルがいいので、やっぱり道民は鮭のように北海道に戻ってきますね。旅先としても、ほどよい街のサイズは魅力的だと思いますので、バーを情報源として使っていただきながら街を回っていただきたいです」。

次は斎藤さんおすすめのクラフトジンの専門店にホッピング!

「Long After Midnight 山椒とアニス」(1,300円)
店内の一角には薬草酒やカクテルについての書籍が並ぶ。
入り口はフクロウの看板がトレードマーク。

斉藤さんのいるバーはここ。

各国のクラフトジンをはじめ、海外のバー文化にも精通する斉藤さんの視点で集めた、薬草酒やオードヴィーが揃う。インダストリアルな資材に赤いカーテンが引かれた店内は欧米のカフェやバーのイメージが漂う。日本でも指折りの薬草酒と北海道素材の組み合わせという、地方ならではのカクテルの楽しみ方ができる。

北海道札幌市中央区南4条西5 第4藤井ビル 6F
011-200-0994
18:00〜翌1:00
日曜休
※状況に応じて営業時間は変更になります。

3軒目は…〈kinoole〉

マネージャー・寺川 聖さん
バーテンダー暦:4年半
生年月日:1986年3月12日
星座:魚座
血液型:AB型
趣味:音楽と服。
札幌の個人的おすすめ店:〈たけ江鮨(寿司)〉

続いては、道外でもその名が知られるクラフトジンの専門店へ。おしゃれな従兄弟の屋根裏部屋におじゃましたような居心地よい空間で、バーテンダーの寺川さんがお客様それぞれに合わせたジンを提供してくれます。

Q.こちらのバーの特徴を教えてください!

寺川さん「クラフトジンの専門店です。ジン専門店はジントニックで出されることが多いですが、ここはカクテルでも出しています。僕は前職では古着のバイヤーをやっていて、音楽も好きなんですが、カクテル作りは音楽やファッションと似ているところがあるんです。音楽って周波数の違うところに音を置いてきて1つの曲にしたりしますが、ジンも音階や音色みたいなものあるように思うんです。カクテルにするときは”香りのコード”を変えて味を作るようなことをイメージしています。これはジンだからできることだなと思うんです」。

Q.ジンの魅力はなんですか?

寺川さん「知り合いのお店を引き継ぐ形でバーをはじめて、いまでこそ160種類くらいのジンがありますが、オープン前は10種類を集めたところから始めたんです。その中で飲んだオランダの『VL92 GIN』にものすごい衝撃を受けて、そこからクラフトジンにはまりましたね。音楽だとBGMって1曲みんな同じものをみんなで聞いて同じバイブスになるものですが、バーテンダーってそれを1人1人に対してできるんですよ。違う文脈にいる人たちそれぞれに提案をして、最終的になにか気持ちを変えてもらう。それぞれに個性があるジンはそれがやりやすいので、自分には向いていたなと思います」。

Q.旅先でのバーの楽しみ方を教えてください。

寺川さん「僕はバーに行くための旅をしたりもしますが、1軒目に行くところは決めておいて、そこでまた2軒目にいざなってもらうというのが面白いなと思っているんです。お酒は丁寧に飲んでいけば、何軒か回れるので、決めすぎないのがよいかなと。すすきのはエリアあたりのバーの数が日本で2番目の多さで、50年とか続いている老舗も結構あるんです。街としてもコンパクトで、札幌すすきの大通りにまたがる3つの駅の中に昼から夜まで遊べる場所がまとまっています。バーカルチャーと飲食の街なので、バーホッピングの旅をするなら札幌がおすすめですね」。

ジンにプルーン、大葉、コーヒー、ホエーを使った「清澄珈琲コスモ」(1,500円)
アートやクラフト感ある照明が心地いい。
ジンを好きになるきっかけになった「VL92 GIN」。

寺川さんのいるバーはここ。

札幌有数のクラフトジン専門店。ロフトに置かれた150種類を超えるジンのコレクションから、季節によってセレクトしたジンや、漬け込みしたジンがカウンターに並ぶ。アートやよい音響システムが置かれ、オーナーの趣味を感じられる空間。

北海道札幌市中央区南5条西5丁目10番 福井会館2階
18:00〜翌2:00
※状況に応じて営業時間は変更になります。

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