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アートディレクター・堀内誠一さんが残したもの。 彼の画業を振り返る展覧会が京都からスタート。

  • 2022.1.5
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『ぐるんぱのようちえん』(1965年)©️Seiichi Horiuchi

愛らしく、ときに革新的な絵の世界。

『anan』や『BRUTUS』、『POPEYE 』『Olive』をはじめ、数々の雑誌のロゴデザインを手がけたことでも知られるアートディレクターで絵本作家の堀内誠一さん。生誕90年を迎える2022年、彼の画業を振り返る展覧会『堀内誠一 絵の世界』が、「大丸京都店」の中にある「大丸ミュージアム」にてスタートした。1月24日まで。

1932年に東京で生まれた堀内誠一さんは図案家の父の影響で幼い頃から絵に親しんでいた。14歳で伊勢丹百貨店の宣伝課に入社してデザイナーとして研鑽を積み、やがてアートディレクターとして活躍の場を広げていった。『an ・an』 や 『BRUTUS』など、マガジンハウスの雑誌にも深く関わり、ロゴデザインだけでなく表紙やページネーションに至るまで、エディトリアルデザインの礎を築いた人物だ。その輝かしいデザインの足跡と並び、「絵本作家の道こそ運命が決めた本命」と自身でも語っていたように大切にしたのが絵本作家としての活動。1958年に出版した初の絵本『くろうまブランキー』をはじめ、『ぐるんぱのようちえん』『たろうのおでかけ』など、生涯で60冊を超える絵本を残した。本展では、そんな堀内さんの活動を、画業にフォーカスして振り返る。

『たろうのおでかけ』(1963年)©️Seiichi Horiuchi

展示は、堀内さんの絵の仕事を4つの章にまとめて紹介。「第1章 創作の原点」では、子ども時代に描いたスケッチや画塾に通いなが描いたデッサンなど絵本作家になる前の創作の原点を。「第2章 絵本の世界」では、初期から晩年までの絵本を5つの項目に分類しながら、堀内さんの絵本の特徴や変幻自在に変化する画風の変遷を。「第3章 ものがたりに寄り添う挿絵の世界」では、『マザーグースのうた』や『ロボット・カミィ』など、挿絵を手がけた絵本作品を。 「第4章 堀内誠一がのこしたもの」では、エディトリアルデザインの仕事や世界中を旅して描いた風景が、絵手紙、地図まで、堀内さんがその手で描いたもの、いまに残したものをあまねく紹介する。

なお、「大丸ミュージアム」での開催の後、静岡県の「ベルナール・ビュフェ美術館」、「神奈川近代文学館」「ひろしま美術館」などへ巡回予定。戦後の激動する社会の中で、「描くこと」を通して多くのものを生み出し、残してきた堀内さん。生誕90年を迎える今年、その絵の世界に存分に浸れる貴重な機会をお見逃しなく。

『ロボットカミイ』(1970年))©️Seiichi Horiuchi
『こすずめのぼうけん』(1976年))©️Seiichi Horiuchi

堀内誠一
Seiichi Horiuchi

1932年、東京に生まれる。デザイナー、アートディレクター、絵本作家、雑誌作りにおけるエディトリアルデザインの先駆者であり、『anan』創刊時には、ロゴ、表紙、ページネーションなどを手がける。海外取材を実施するなど、ヴィジュアル系雑誌の可能性を大きく広げた。『あかずきん』『雪わたり』『くるみわり人形』など、20代半ばより生涯にわたり60冊をこえる絵本を世に出し、挿絵も数多く描く。1973年から81年にかけてパリに暮らし、世界を巡り、旅先の風景や地図を描き雑誌で発表するなど、多彩な表現に意欲的に取り組む。1987年逝去。享年54歳。

EVENT INFORMATION

堀内誠一 絵の世界

期間: 2022年1月4日(火)〜1月24日(月)
会場: 京都府京都市下京区四条高倉 大丸京都店6F
入場時間: 10:00〜19:30(20時閉場) ※最終日は16:30まで入場可、17時閉場
入場料: 一般1,000円(800円)、中高生800円(600円)、小学生以下無料 ※かっこ内は前売および優待料金

公式サイトはこちら

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