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もう完璧主義はやめ!フランスのビジネスウーマンが語る成功の鍵。

  • 2022.1.4
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立派なキャリア、完璧な育児、ウルトラヘルシーな食生活、インテリアショップのようなアパルトマン……。完璧主義を突き詰めると、いつでもなんでも立派にやり遂げねば、と考えてしまう。そんなことは不可能、と答えるフランスの4人のビジネスウーマンが、それぞれの考える成功の新しいあり方を語ってくれた。

メチエ・ラール創業者でポッドキャスト「ザ・クラフト・プロジェクト」を立ち上げたラファエル・ル・ボーとオー・マイ・クリーム!創業者のジュリエット・レヴィ。photos presse

“野心いっぱいのスーパー戦士にこだわるのをやめた”

オー・マイ・クリーム!創業者のジュリエット・レヴィ。毎晩ネットワーキングをしたり、長時間働いたりしなくても、揺るぎない企業を作れることを証明した。

「起業においては、“ネットワーク作りは何よりも重要、あらゆるイベントやビジネスディナーに出席すべし”と、何度となく聞かされます。でも、私はとても内向的なタイプで、バッテリーを充電するためにひとりの時間が必要。オー・マイ・クリーム!を創業したとき、ノンと言えるようになろうと決めました。不可能なことではありません!自分の日常を大事にして、夜は19時には自宅で家族と一緒にいるようにしています。9時から18時30分まではオフィスで効率的に仕事をこなします。それでも一企業を8年間経営者として率い、何度も資金調達を実現してきました。

投資家たちに“毎晩9時まで働けるだろうに”とか“3カ月もバカンスを取らなくてもいいじゃないか”と言われても構わないと腹を括ったのです。プライベートを後回しにする野心いっぱいのスーパー戦士にこだわるのはやめました。いま2人目の子どもを妊娠しています。出産の前日までハイヒールを履いて狂ったように働き、その姿をみんながほれぼれと眺める。そういう女性になるつもりはありません。私にとっては耐えられないイメージです!」

“完璧を諦めるのはある種の活動家的行為”

ラジオ局RTLとテレビ局パリ・プルミエールでキャスターを務めるジャーナリストのアナイス・ブドン。自分の選択に責任を持ち、常に何事においても非の打ち所のない女性であるべきという考えを放棄する。

「完璧な女性であるべき領域が増えたのは、私の場合はかなり遅かった。35歳までは、仕事と“自分自身”の両方を完全にコントロールしていたと思います。それから子どもが生まれ、パートナーと一緒に生活するようになった。こうした別の次元が加わって、処理しなければならない要素がそれまでに比べて格段に増えました。すべてをきちんとしたいと思うあまり、いつもあちこち走り回って、まるで電球にたかるハエのようだと思いました。

いまは自分の生活の異なる“柱”をそれぞれ切り離して評価するようにしています。仕事が大好きなので、番組の準備にはたっぷり時間をかけます。いつもそばにいてあげられなくて罪悪感を感じることもありますが、娘たちのことにもしっかり注意を払っています。料理の腕もなかなかだと思います。反対に、書類仕事は大の苦手。自宅のサロンには、溜まった書類がピサの斜塔のように高々とそびえています。でも大したことではありません!

一度にすべての役割(模範的な妻、比類のない主婦、友人にはすてきな花束を贈り、もちろん美しくて、セクシーで、教養もある女性!)をこなせ、と命じる社会は本当に狂っています。完璧を諦めることはある種の活動家的行為!なぜなら、それは精神的負担との闘いでもあるからです。だからといって、すべてをいいかげんにするのとも違います。規律や日常のルールはあります……。でも、これは自分で決めた枠組み、そこから抜け出してもいいのです」

“私自身が改善しなければ”と言えれば、説得力が増す”

リチュアルズ・フランスのゼネラルマネージャーであるサンドリーヌ・ミニョ。管理職と社員が対等な立場にある、透明で誠実なマネージメントを目指す。

「現代の女性たちは、同時に複数の人生を送らなければなりません。要求水準の高い人ほど、同時にあらゆる面で最高を求めることは不可能だと認めて、自分のエネルギーをいつ、どこに注ぐべきかを見極める必要があります。納得の上で決めたことだから、罪悪感は抱かない。逆に、どのタイミングで、何に、何をするためにアクセントを置くのかを自問する習慣を身につけることになります。

リチュアルズ・コスメティクスでは、成功の鍵となる要素を定義しました。そのなかには間違える権利も含まれています。大切なのは、試すこと、進歩するためにあえて実験してみること。失敗したらそこから学べばいい。常に最高であろうとすることより、たどってきた道のりの方が重要です。そう考えると気持ちが楽になります!

自分を必要以上に重要視せず、自分の弱い部分を見せることができるのも、成功の要素のひとつ。こうした謙虚さは北欧文化(注:リチュアルズはオランダ企業)に固有のものです。ミーティングでは、マネージャーはチームメンバーと一緒に座り、チームと同じレベルに身を置くことで、共同構築を実践しやすい環境を作ります。360°評価を行なった後で、フィードバックに協力してくれたチームに感謝を伝え、率直に“私はこのような点で改善しなければならない”と言えれば、説得力が増します。メンバー全員に安心感と自信を与えてから、チームにも成長の余地があることを伝える。こうしてお互いに負のプレッシャーを掛け合うことなく、ともに前進することができるのです」 

“逆境は原動力であると同時に道でもある”

メチエ・ラール(Métiers rares)創業者でポッドキャスト「ザ・クラフト・プロジェクト」開設者のラファエル・ル・ボー。自分のやり方で成功するために先入観を手放すことを学んだ。

「政治学院を卒業してから手仕事の世界で経営に携わり、これまでに4つの会社を作りました。その間に結婚し、ふたりの娘を出産。自分が育った家庭を家族のモデルと信じていたのですが、必ずしも自分に合っているわけではありませんでした。36歳のときに離婚し、このモデルを手放しました。娘たちは3歳と6歳でした。事業を興して10年経って、名前が変わり、ふたたび自分の名前を使うことになりました。まるでゼロから再スタートするようなものでした。

自分がどういう人間であるかを伝えるには素晴らしい仕事をするしかありませんでした。自分を前面に押し出し、それまで以上に主体性を発揮する必要がありました。逆境は原動力であると同時に道でもあります。困難な道でした。娘たちに会えるのは2週のうちの1週間。ただ私には一種の自信もあり、心のなかで“あなたならできる”と自分に言い聞かせていました。最終的にこの声が力になりました。おもしろいことに、会社の業績に変化が起きたのです。収益が3倍になりました。離婚を擁護しているわけではありません!(笑)でも、長い時間をかけて取り込んだせいで自分にとってよいと思いこんでいるイメージから脱却することは、自分らしさを磨き、能力を伸ばすことにつながります」 

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