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2022年、シャネルのトップに立つリーナ・ネアってどんな人?

  • 2022.1.1
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一般消費財メーカーのユニリーバに30年勤務し、これまで同社のヒューマンリソース(HR)責任者を務めていた、イギリス人女性リーナ・ネア。成果を上げる能力とダイバーシティ向上への取り組みで知られる彼女が、2022年1月末から、シャネルのトップに立つ。

ユニリーバに30年勤務し、現在同社の人事部長を務めるリーナ・ネアが、2022年1月に新しいポストに就く。photo : Chanel 

リーナ・ネアは52歳。彼女はもうすぐ、ファッション界で最も競争率の高いポストのひとつに就任することになる。12月14日、シャネル社は、彼女を新たなグローバルCEOに任命することを発表した。就任は2022年1月の予定だ。弟とともにシャネルの共同オーナーであり、2016年からCEOとして同社を率いるアラン・ヴェルテメールは、グローバル会長に就任する。

インド系英国人のリーナ・ネアは一般消費財メーカーのユニリーバに30年勤務した。マネージメント部門の研修生として1992年に入社して以来、キャリアの階段を1段ずつ上った彼女のスタートはインド。2016年にはロンドンの本社で人事責任者兼執行委員となり、ユニリーバ史上アジア人女性初、そして最年少のHR責任者となった。ネアの管轄していたのは、世界15万人の従業員。彼女はまたブリティッシュ・テレコム社の社外取締役、大学研究支援基金リーヴァーヒューム・トラストの取締役でもあり、2018~20年にはイギリスの行政機関であるビジネス・エネルギー・産業戦略省に閣外から局長に起用されている。

平等と進歩主義

「このたび私たちが新しいリーダーを迎えるのは、自由なクリエーション、人間の潜在能力の発揮という企業の価値観と、世界にポジティブな影響を及ぼすために行動するという意志に根ざした、事業の長期的な成功を実現するためです」と、声明のなかでシャネルは強調している。

また新CEOについて、「先見の明を持つリーダーであり、企業とその価値を長期的視点から捉えた上で、着実に成果に結びつける能力によって尊敬と評価を集めている」と紹介している。

ネアはキャリアを重ねる中で、堅実かつ有能な、社会貢献を重視する指導者として評価を確立してきた。英国版「ハーパース・バザー」誌によると、ユニリーバ経営幹部時代には、グローバルなレベルで雇用均等を推進し、全サプライチェーンにおいて適正賃金の実現に務めたという。

ネアのLinkedinアカウントにはこう書かれている。「リーダーシップにおいて配慮や責任感をこれまで以上に重視し、インクルーシブな文化をより強化するために多くの改革を行いました。そのなかには(…)、子育てをする母親や父親への支援も含まれています」

二桁成長

新たなCEOは経済不況からの再生期の真っ只中で就任を迎えることになる。

波乱に富んだ2020年(売上高は18%減少の100億ドル)を乗り越え、シャネルは2021年初頭以来、2019年比で二桁成長を達成している。しかも同社は2020年に店舗やデジタルプロジェクト、環境保護活動などに10億ドル以上という記録的な額の投資を行なっている。高価な賭けは、ネアの采配のもとに引き継がれることになる。

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