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〈SENN〉×尾道〈LOG〉の冬至リトリート宿泊プランを体験。

  • 2021.12.28
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"Less is beauty"を思想とするライフスタイルブランド〈SENN(セン)〉が、広島県尾道市の複合施設〈LOG(ログ)〉とコラボレーション。〈SENN〉がプロデュースした冬⾄の⽇に合わせた6組限定の〈LOG〉特別宿泊プランを体験してきましたので、ご紹介します。

"Less is beauty"を思想とするライフスタイルブランド〈SENN〉。

(左から)「SENN×LOG incense LOG(お⾹)」「SENN water oil balancer(オールインワン美容液)」「SENN flat skin cleanse and wash」。

⾃分と向き合い、本当に必要なものだけを選ぶ“Less is beauty”の思想を軸に、エッセンシャルなものづくりと五感を研ぎ澄ます体験を提供するライフスタイルブランドとして2020年6⽉に誕⽣した〈SENN〉。

肌本来の美しさを引き出す”減らす美容”の考えに基づいたスキンケアプロダクトを主軸とし、季節を知る⼆⼗四節気の⾳楽プレイリスト、⼼と⾝体を感じる瞑想、視点を広げる本、内側から美しくなる⾷のワークショップなど、⾃分の⼼や感情に向きあう”余⽩を⽣ける”体験の提案をしています。

インドの建築デザイン集団「スタジオ・ムンバイ」が国外で初めて手がけた尾道〈LOG〉。

尾道駅から千光寺方面へ商店街を歩き、約100段の階段を登った坂の途中に現れる〈LOG〉の立派な玄関。
小道に敷き詰めてあるのは、元々中庭にあった管理棟の瓦を砕いたもの。
1階入ってすぐの場所は、気持ち良い光と風が入る設計に。正面は桜の木で、春になると美しく咲き誇る。

そんな〈SENN〉が今回手を取り合ったのが、尾道の再⽣と循環を促し、尾道にあかりを灯すプロジェクト「Lantern Onomichi Garden」の頭文字を取った〈LOG〉です。ビジョイ·ジェイン氏率いる世界的に有名なインドの建築デザイン集団「スタジオ・ムンバイ」が国外で初めて手がけたことでも知られる、レストラン、カフェ、客室などを要する2018年に誕生した複合施設です。

南側から見た〈LOG〉の外観。くすんだピンク色が特徴的。
1階廊下は中庭の緑と建物のくすみピンク、淡いグレーがグラデーションのように重なり美しい。
坂の途中に建てられているため、同じ1階でもレセプションは階段を登った先にある。
L字形の建物の中庭側から見た〈LOG〉。
3階の踊り場には、イギリスのカラーアーティストMuirne Kate Dineen氏が手がけたカラーチャートが展示されている。

建物は、昭和38年・千光寺山の中腹、先進的な山の手のアパートメントとして誕生した「新道アパート」を再⽣したもの。持続可能な循環、⼿仕事と⾃然素材を⼤切にした建築は、景観に溶け込みながら、尾道の街を⾒下ろす⼭の⼿であたたかく光ります。

ビジョイ氏の書斎をイメージした宿泊者限定の「Library」。
壁の色は他空間と同様に、イギリスのカラーアーティストMuirne Kate Dineen氏と検証を繰り返し選定。
壁の色は窓の外から見える空や木々と繋りのあるセージグリーンに。
南側の窓からは、尾道水道が見渡せる。

各時代の建築が隣合わせに共存する尾道の⼟地の歴史と、暮らしの本質に迫る“実践と検証”を⾏う「スタジオ・ムンバイ」の思想を引き継ぐ〈LOG〉。時を経ることで味わいが増すと考えるビジョイ氏いわく「誕⽣した今でも、まだ未完成の状態」ということで、進化し続ける“⽣きている”実験場と捉えられています。

〈SENN〉プロデュース!「再⽣と循環」をテーマにした冬⾄の〈LOG〉宿泊プランを体験。

今回体験したのは、〈SENN〉がプロデュースした「再⽣と循環」をテーマにした冬⾄の〈LOG〉宿泊プラン。一年で最も⽇が短く、陰極まり陽となる「再⽣の⽇」でもある冬⾄に合わせ、⾃分の本質に戻り、⼤きなめぐりを感じられるような⼀泊⼆⽇のリトリートプランになっています。

「incense LOG」5,500円/香立てなし4,400円(※数量限定、なくなり次第終了)。
香立ては作陶家の鴨瑞久氏、コンセプトブックの詩は菅原敏氏が手がけている。

15時ごろにチェックインすると、出迎えてくれたのが〈SENN〉と〈LOG〉がコラボレーションで制作したお香「incense LOG」の香り。「余すことなく使う」「素材と向き合う」を大切にする〈LOG〉を象徴するプロダクトとして、〈LOG〉3周年の2021年12月7日(火)に発売されたお香です。

使用されているのは、尾道で出荷できなかった規格外のレモン。それを買取り〈LOG〉のスタッフが余すことなく活用するために、ひとつひとつ手作業で皮と果汁を抽出し、その皮から作られた精油をお香にしています。お香として再生されたレモンの香りを引き立てるのは、循環の象徴でもある蜂蜜と、太古から祈りの場面で使われてきたフランキンセンス。また、詩人・菅原敏さんによる書き下ろしの詩も同封され、お香と併せて楽しむことができます。

チェックイン時に振る舞われたレモングラスのハーブティーでホッとひと息。
「SENN water oil balancer(オールインワン美容液)」。
「SENN flat skin cleanse and wash(洗顔料)」。

今回の宿泊プランでは時間とドリンクのペアリングも行われており、チェックイン時にはレモングラスのハーブティーが振る舞われました。チェックイン手続きのあと、プランに含まれている「SENN water oil balancer(オールインワン美容液)」「SENN flat skin cleanse and wash(洗顔料)」と先程紹介した「incense LOG」をプレゼントいただきました。

「SENN water oil balancer」は、肌質・効能に合わせて9種類からご自身に合ったものを選べる。

「SENN water oil balancer」は、99%以上天然由来の油分・水分・美容成分を肌質と肌悩みに合わせて、最適なバランスで高濃度に配合した〈SENN〉独自の二層式ウォーターオイル。化粧水、乳液、美容液、クリームの機能を、洗顔後この1本を丁寧に使うことでまかなえる、まさに"Less is beauty"な一本です。

「SENN water oil balancer」は乾燥肌、敏感肌、混合肌という3つの肌タイプと、ハリ(弾力対策)、キメ(くすみ対策)、毛穴(ざらつき対策)という3つの効能を掛け合わせた9タイプが展開されており、自身の肌質やお好みの効能に合わせて選ぶことができます。二層カラーで、シンプルかつ洗練されたプロダクトデザインも魅力的です。

クレンジングと洗顔を一本で叶える「SENN flat skin cleanse and wash」。

「SENN flat skin cleanse and wash」は、クレンジングと洗顔を同時に叶える一本完結の洗顔料。植物由来の天然洗浄成分が、必要な潤いを保ちながら、メイクや皮脂汚れなど不要なものだけを洗い流してくれるそう。クリームとジェルの間のようなとろけるテクスチャーで、柚子や黒文字、サンダルウッドなどを混ぜ合わせた精油の調香が心地よいリラックスタイムへと誘ってくれます。

床、壁、天井に和紙を張り、柔らかい光が差し込む全6部屋の客室。

1ベッドルームは、部屋の中央にダブルサイズの布団が据えられている。
扉は全て和紙貼りの障子で、入り口からも障子越しに柔らかな光が入ってくる。
洗面台には歯ブラシやドライヤーなど必要なアメニティが揃う。
クローゼットには、部屋着と寒さ対策の羽織、金庫も完備。

チェックインを済ませたのち、宿泊するお部屋へ。3階にある6室のお部屋は、ビジョイ氏の”be gentle(優しくあれ)”という言葉にならい、床、壁、天井に和紙を張り繭に優しく包み込まれるようなイメージで、できるだけ人の感覚にソフトに伝わるよう設えられています。

302のお部屋は南西向きに窓があるため、西陽が障子を通じ温かく差し込む。
窓は大きく開け放つこともでき、尾道の海や緑を見渡せる。
ベッドの横には座布団が置かれたくつろぎスペースも。
1ベッドルームの場合シャワールームにバスタブ付き。磨りガラスから光が差し込む造りになっている。
光と影により和紙貼りの壁や障子の風合いが引き立つ。
窓辺の縁側空間にはミニバーもある。循環と再生を意識し、ペットボトルではなく瓶に水が入っている。
水やお茶のほか、レモンウォーターやウェルカムチョコレートも無料で味わえる。

今回私が宿泊させていただいたのは、定員2名で約40㎡の広さの1ベッドルーム。入り口の土間、浴室空間、寝室空間、窓辺の縁側空間に文節され、お部屋の中央にベットスペースを設け、ダブルサイズの布団が用意されています。窓を開け放ち、尾道の海や緑を眺めながら心地よい風を感じ、しばしリラックスタイムを過ごしました。

「Gallery」内観。
当初計画されていた建築模型も。
レセプションを兼ねたショップ。
期間中は〈SENN〉のフルラインナップも販売。
〈LOG〉で使用されている尾道の特産を使用した食料品、衣類、雑貨、〈LOG〉のためにデザインしたスタジオムンバイ製作の家具などを揃える。

17時からは館内ツアーへ。館内各所をまわりながら、土、風、光、水を大切に空間設計を行なったこと、かつて庭にあった管理棟の土壁を部屋の土間に混ぜ込むなど再生と循環を意識していること、角や色の境界線を作らずとにかく“Gentle”に作り上げることにこだわったお話などを伺いました。

ツアーの最後に訪れたのは、〈LOG〉ができるまでのプロジェクトの軌跡を展示している「Gallery」。素材サンプルや図面、イラストを使い、スタジオムンバイと4年間プラクシス(実践・検証)してきた過程を見ることができました。

その後一人でレセプション兼ショップへ。期間中は〈SENN〉のフルラインナップも販売されていました。

料理家・細川亜衣さん監修。季節によって移ろう地産食材を使ったディナー。

1階にあるダイニング。夕食は宿泊者以外も一人8,800円でいただける。
尾道産のいかに有明産の海苔やスライスした大根を合わせた「黒いいか」。
「いもの揚げ出し」。
「セロリどうふ」。
生地から手作りし、ゆずの塩漬けで風味づけした「水餃子」。

館内ツアーの後は、1階の〈Dining〉にて夕食を。衣食住において「循環すること」を心がけている〈LOG〉では、「地のものを再発見したい」という思いから、地域の畑や港を訪れ、一年を通し季節によって移ろう食材を取り入れています。

料理を監修しているのは、料理家の細川亜衣さん。四季に合わせて尾道の食材を使った料理メニューを新たに考案しているため、毎年来るたびに異なるメニューを味わえるようになっています。

「茶鍋」。
地産のシマアジは刺身でも食べられるほどフレッシュ。
昆布といりこ、竹原の清酒、塩で味を整えたスープはシンプルで滋味深い味わい。
阿里山烏龍茶をお好みで少し加えることで、脂が切れ、後味さっぱりといただける。
地元の〈はせべ製麺〉さんの細平打ち麺を使い唐辛子などの調味料と混ぜ合わせていただく「わけぎ麺」。
「柚子氷」。

12月から始まった冬のディナーメニューは、菊芋と里芋に大徳寺納豆のソースや白エゴマを合わせた「いもの揚げ出し」、地元にある〈とうふ工房ちだち〉さんの寄せ豆腐にセロリの茎や葉っぱをトッピングした「セロリどうふ」、塩揉みしたカツオ菜、白菜を入れた鍋にシマアジをしゃぶしゃぶして〈今川玉香園茶舗〉の茶油とカツオ菜の出汁につけていただく「茶鍋」など野菜たっぷりで、体に優しく染み入る料理ばかり。

器も料理それぞれに合わせた、作家さんのものを採用しています。土地の恵みをシンプル、かつ丁寧な調理で引き出した温もりあふれる料理の数々に、心も身体も満たされ、呼吸も深まる思いでした。

冬至に向け音楽LIVE&朗読、月光浴&瞑想で心を整える。

米国出身で現在は京都を拠点に活動しているシンガーソングライターのLUCAさん。
アコースティックライブのほか、詩の朗読も。
インドの祝い菓子・ラドゥと〈LOG〉の庭で撮れた月桃を使ったハーブティー。

夕食の後は2階の〈Cafe &; Bar Atmosphere〉へ。〈SENN〉がこれまでコラボレーションしてきた方々をお招きしたスペシャルプログラムが行われました。

20時からはシンガーソングライターのLUCAさんによる音楽LIVEと朗読の時間。LUCAさんがデンマーク留学時に体験したお菓子やお茶を嗜みつつ、歌を歌ったり詩を読んだり、みんなで語らう夕べを再現したいと、この日はインドの祝い菓子・ラドゥとともに柚子茶もしくは月桃を使ったハーブティーが振る舞われました。凝り固まった心を緩やかにほぐしていくような、LUCAさんの柔らかなウィスパーボイスと温かなハーブティーに、気持ちが満ちていくのを感じます。

南インドでアーユルヴェーダを学び、現在はオンラインを中心に瞑想やヨガを伝えている瞑想インストラクター・AOさん。
カモミールミルクティーとともに瞑想。

21時からは瞑想インストラクター・AOさんによる月光浴と瞑想が行われました。カモミールミルクティーもしくは金柑茶をいただきつつ、AOさんのレクチャーに参加者全員が耳を傾けます。その後呼吸を意識しながら10分ほど瞑想。自分の内側を見つめ直す貴重な時間を終えると、窓から差し込む月明かりやランプのゆらめく灯りがとても心地良く感じられました。冬至の前夜、寒い冬の夜に過ごすとても贅沢な時間を終え、お部屋に戻り就寝です。

冬至の日の出鑑賞からの、朝の音楽LIVE。

山の向こうから昇る冬至の朝陽。
朝靄に包まれた尾道の街と海、淡いオレンジ色に染まった空。
海を挟んですぐの場所にある向島もよく見渡せる。

翌朝は7時ごろから、屋上にて冬至の日の出を鑑賞。朝靄に包まれた幻想的な尾道の街並みを眺めていると、山の向こうから冬至の朝陽が昇ってきました。一年で最も日が短く、陰極まり陽となる「再生の日」でもある冬至の朝陽は、神秘的で希望のようなものを感じました。

〈SENN〉とLUCAさんが共作したオリジナル楽曲『Solstice』とともに冬至の朝を迎える。
朝陽を背負い、風に唄をのせて届けてくれたLUCAさん。
ピンクのマーブル柄のテーブルに映えるジンジャーチャイ。

日の出を見た後は、〈Cafe &; Bar Atmosphere〉へ移動し、LUCAさんによる冬至の朝の音楽LIVEが行われました。朝陽に照らされ茜色に染まったLUCAさんから発せられる、冬至の歌の調べ。ジンジャーチャイで冷えた体を温めつつLUCAさんの歌声に耳を傾け、朝の陽の光や木々の緑、窓から入ってくる潮風を受け、眠っていた五感が爪先から目覚めていくようでした。

移ろいゆく光と影が美しい、〈Dining〉での朝ごはん。

夜とは一転、朝陽の柔らかい光が醸す温かな雰囲気の〈Dining〉。
窓越しに、庭の木々が静かに揺れる気配を感じる。

冬至の朝陽を浴び、音楽LIVEで身体も心も目覚めたら、〈Dining〉での朝ごはん。光と影が作り出す凛とした空気の中で、新鮮な果物と野菜を使った朝食をいただきました。

生姜を削りかけた温かなカボチャの「スープ」。
尾道産葉物野菜を使った「いちじく酢のサラダ」。
三良坂のセミハードチーズをたっぷりと削りかけた「パンケーキ」。
お好みでメイプルシロップをかけてどうぞ。
デザートは「リコッタチーズと果物」。

この日は冬至に食べられる代表的な食材・カボチャを使った温かな「スープ」に始まり「いちじく酢のサラダ」、「パンケーキ」、「リコッタチーズと果物」の4品とお好みのドリンクが提供されました。特に印象的だったのが、広島県三良坂牧場のセミハードチーズをたっぷりと削りかけた「パンケーキ」。ぽってりと重くレアな火入れのフカフカな甘いパンケーキに、塩気がしっかりとしたセミハードチーズが混ざり合い、エポックメイキングなおいしさでした。

南側から陽の光が入る朝9〜11時は〈LOG〉のベストアワー。
朝、昼、夜とその表情を変化させる〈LOG〉の建築。

食後は館内を散策したり、尾道の醍醐味でもある坂の道を歩いて千光寺までお散歩してみたり。思い思いに過ごしました。

客室窓辺の縁側空間で自分時間を。

自分の本質に戻り、大きなめぐりを感じられた一泊二日の冬至リトリートプラン。土地の文化や歴史、丁寧に紡がれたストーリーと手仕事の素晴らしさ、尾道と〈LOG〉ならではの時間の流れなど、〈SENN〉と〈LOG〉それぞれが大切にしていることを存分に味わえた気がしました。冬至を機に夏至に向け太陽のパワーが増していくように、今回の冬至プランをきっかけとした一陽来復を願いたいところです。

〈LOG〉
広島県尾道市東土堂町11-12
0848-24-6669
9:00~20:00(ショップ)、11:00~23:00(カフェ&;バー)
公式サイト

〈SENN〉
公式サイト

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