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アラサー女の友情が、彼氏よりも大切なホントの理由。

  • 2015.8.8
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アラサー女の友情が、彼氏よりも大切なホントの理由。

仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。

オトナになっても続く女の友情は宝物。どんどん疎遠になる友がいる一方、ともに成長し語り合える女友達のありがたいこと…。だから大切にしたいのだけど、気心知れた女友達とつるみ続けるのは、なんとなく変化がなさすぎな気もしてしまう。


【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.3

会社員時代に仲のよかった子が、男のコを産んだ。予定日よりも1週間前に生まれたそうで、私を含めた会社員時代の仲よし7名に、グループチャットで報告があった。

すやすやと眠る3180gの赤子。最近子供が可愛いと思いはじめた私も、さっそく祝福のメッセージを送ります。

「出産おめでとう~☆☆大変さは計り知れないけど、母デビューおめでとう!落ち着いたらぜひ赤ちゃんの顔を見させてね!!!」

渾身の祝いの言葉を伝えた。いや、今覚えれば足りなかったのかもしれない…そう後悔したのはそこから数10分後。

ママと独女、立場のカベをリアクションで痛感!

「可愛いぃーーーーー(笑顔)(ハート)おつかれさまっ(キラキラ)子育ては大変な事も沢山あるけど一緒に楽しんでいこうね(笑顔)」

「おめでとう(ハート)そしてとっても可愛い(ハート)予定日前なのに大きいね! 早く出て来てくれて親孝行な子だわ(ハートハート)しかもとってもステキなお名前! ゆったりのんびり子育て頑張ろー(キラキラ)」

先輩ママ女子たち数名のメッセージが流れたところで、しまった! 渾身の、本当に本当に、ひがみもねたみもない素直でまっすぐな気持ちで祝ったつもりが、完全に子供を持つ女性たちと祝福のテンションに差があるではないか。

「やっぱり子供は自分にとって、まだ他人事なんだ…」

ママ達との温度差を勝手に凝視して、ますます落ち込む。

だってだって、3180gがどのくらいの重さかなんて、「2Lペットボトル2本弱…」くらいにしか想像ができないし、名前をつけた経験なんて、ペットとネットのHNしか経験ないもの。当たり前だがそんなものとは異なるくらい、悩んでつけた名前でしょう。そこにイマイチ実感も想像も及ばない私には、まだ超えていない、超えられない壁があるのだなと痛感する。

独女から瞬時に出てこない赤ちゃんへのリアクション。

そんなモヤモヤと悩んだ話を、つい先日独身の女友達に、ランチがてら相談したら、かなり的確な回答が返ってきた。

「アンタの祝福にはさ、ママへの労いは入っているけど、子供への“可愛い”が抜けてるんだよ。」

「え、でもでも、赤ちゃんは可愛いとは思うけど、やっぱり生まれたてで写真ってなると、イマイチ可愛いとは違う感情というか、ご苦労様っていう気持ちがやっぱり強いかも」

「ママ達はさ、出産お疲れって気持ちを持ちつつも、赤ちゃんに対する反射的な『可愛い〜〜〜』って気持ちが勝つんじゃない? 実際赤ちゃんの可愛いさを自分の子供で経験しているわけだし」

なんて的確な返しでしょう。確かにママ女子達のメッセージを見返すと、全員「可愛い」という表現を用いていた。唯一もう一人いた独女も、出産を労いつつも、「写真見ると目も大きそうだね」と、子供の見た目についてはいい感じの言葉を模索しているよう…同士!

共感しあえる女友達は、アラサーにとっては宝。

的確な分析をもらった後に、彼女はこうも教えてくれた。

「でもさ、この温度差は仕方のないことだと思うんだ。赤ちゃんの可愛さは私たちにとってはまだ他人事だもん。でも、逆にそれがいいときもあると思っていて、ママへの労いの気持ちを独身組が忘れないことで、子供に視線が集まる一方、生んだその子も、ママとしても女としても救われる部分があるんじゃないかな」

ピザを持つ手が震えた。いや、むしろ落とした。

「いい女友達を持ったもんだぁぁぁぁ」

心の中で叫んだ。いや、むしろ伝えた。

悩める女友達を的確に救い出す姿に、後光が射して見えたのだった。

女の友情がモロい本当の理由。

楽しいランチの後、一人ウキウキ歩いていたら、ふと、こんな感情、前にもあったことを思い出した。それは大学時代共にハジけ、タイ旅行でハシャぎ合った女友達。実は最近、ケンカをしたわけではないのだが、とっても疎遠なのだ。気付けばお互い会社員とフリーランス、既婚と独女。立場が違いすぎて、何となく予定も合わせにくく、話題の花も咲きにくくなったのかもしれない。

でも彼女についても

「こいつが友達でよかった〜!!」

という悶絶感謝を、人生で何度もしていたハズで、そんな思い出を振り返ったら、大切な何かを失っている気がして寂しくなる。

女の友情は年が上がるほどに大切だ。ステージが違うと会話は弾まないし、いつまでも同じエネルギー量で話し合える友は本当に貴重。それはわかっているのだけど、だからと言って、同じような女友達とつるむ人生も、正しくないのもわかってる。だって女友達は恋愛もセックスも結局出来ないし、相手が幸せになったら、少しの孤独感を味わったうえで、祝福しつづけなければいけない。

ときには友情を後にして、成長にまい進する気持ちも大切だ…そんな真面目なことを考えていたら、最近仲よしの女友達Sちゃんから、テンション高めのLINEが入った。

「ちょっとちょっとちょっとぉぉ〜」

どうやら緊急事態が発生したらしい。

「今夜飲みたい!」

いやいやSよ、あなたのことは大好きだけど、いつまでも同じつるみ方をしていてはダメなのだよ。私はもう一度強く心の中で誓った。

「どうしたん? もちろん夜飲もう☆ 何時にしよっかー?」

ただ、誓いは明日から実行に移すことにした。

おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。

HP:http://oshimarie.com

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