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日常の原点を見つめ返す、アートの力......年末に行きたい展覧会3選!

  • 2021.12.24
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多くの人にとって「激動の1年」となったであろう2021年も、残りわずかとなった。作品や作家を通して、これまでを振り返りつつ、未来に目を向けたくなるような展覧会をご紹介!

暮らしと人生の原点に戻るための美の力。『柚木沙弥郎life・LIFE』

70年以上にわたり創作を続ける染色家・アーティスト、柚木沙弥郎。近年、イデーやエースホテル京都とのコラボレーションなど、世代を超えて再注目される。「くらし」と「人生」をテーマとする本展では、1990 年代から手がける『つきよのおんがくかい』などの愉快な絵本の原画、紙粘土と布で作られた人形たち、色とりどりの大きな布が織りなすダイナミックな展示空間が、日々の暮らしを豊かに彩り、人生を大切に生きるための美の原点に立ち戻らせてくれるはず。50~70年代に多数制作された注染の染色作品から抽象画のような大胆なパターンの近作まで、森羅万象が自由闊達に躍動する「布の森」で、視覚だけでなく全身で生を謳歌したい。

『柚木沙弥郎life・LIFE』会期:11/20~2022/1/30PLAY! MUSEUM(東京・立川)営)10:00 ~17:00(土、日は~18:00)無休料)一般¥1,500●問い合わせ先:042-518-9625https://play2020.jp

現代の巨匠が生涯をかける絵画の探究。ゲルハルト・リヒター『Abstrakt』

フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵品から、現代の美術界で最も重要なドイツ人画家であるゲルハルト・リヒターの18点の抽象作品を選び、30年以上にわたる活動を辿る。旧東ドイツに生まれ、戦後西側へ逃れたリヒターは、アカデミックな美術教育を経て、やがて自論である「資本主義リアリズム」の精神に則って、写真をコピーする画法を用い始める。並行してカラフルなグリッドやアクションペインティング、モノクロームを組み合わせた抽象絵画の形式を編み出した。本展では、具象と抽象が入れ子構造で共存する独自の絵画への生涯をかけた探究に焦点を当て、来年には東京でも大規模回顧展が予定される巨匠の芸術世界と精神性の深みに迫る。

ゲルハルト・リヒター『Abstrakt』会期:開催中~2022/4/17エスパス ルイ・ヴィトン大阪(大阪・御堂筋)営)12:00~20:00休)ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準じる入場無料●問い合わせ先:0120-00-1854(フリーダイヤル)www.espacelouisvuittontokyo.com

 

未来へ漕ぎ出すための叡智を喚起する発想。『ユージーン・スタジオ 新しい海EUGENE STUDIO After the rainbow』

アメリカ生まれの寒川裕人によるユージーン・スタジオの国内美術館における初個展。SF小説家ケン・リュウとの共作、暗闇のインスタレーション『漆黒能』、短編映画など、近年国際的に評価が高まる。『2001年宇宙の旅』のセットを風化させ、物質とテクノロジーの終焉を暗示する『善悪の荒野』をはじめ、真っ白なカンバスに100人が口づけして精神的支柱を出現させようとする「ホワイトペインティング」シリーズなど代表作に新作を加え、彼らの発想の深度を探りながらその哲学を紐解く。現実社会の環境や循環を独自の角度で見据え、未来へ漕ぎ出すための叡智と希望を喚起する作品群に期待したい。

『ユージーン・スタジオ 新しい海EUGENE STUDIO After the rainbow』営)11/20 ~2022/2/23東京都現代美術館(東京・清澄白河)開)10:00 ~18:00休)月、年末年始、1/11料)一般¥1,300●問い合わせ先:050-5541-8600(ハローダイヤル)www.mot-art-museum.jp

新型コロナウイルス感染症の影響により、開催時期および開館時間が変更となる場合があります。最新情報は各展覧会のHPをご確認ください。

*「フィガロジャポン」2021年1月号より抜粋

 

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