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街角に突如現れる「異形の存在」 マニアにはたまらない東京の奇妙な建物5選

  • 2021.12.22
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スタイリッシュなビルが建ち並ぶ東京の街並みに突如、一風変わった“奇妙”な建物を発見することがあります。それらは一体、どのような理由で建てられたものなのでしょうか。

都市に潜む奇妙な建物

東京には、一体なぜそんな形にしたのか一見理由が分からない“奇妙”な建物がたくさんあります。一部のマニアには人気があり、外観を撮影するためだけに訪れる人もいるようです。

バラエティー番組『クレイジージャーニー』(TBSテレビ系)にたびたび出演していた写真家の佐藤健寿さんは、奇妙な建物ばかりを撮影した写真展を開催したり、本を出版したりしています。佐藤さんの写真は人気が高く、それだけ奇妙な建物を好む人が多いということでしょう。

かくいう筆者も奇妙な建物が好き。都内のスポットをめぐった経験があります。今回は、マニアにはたまらない都内の奇妙な建物を五つご紹介いたします。

1. 中央区銀座「中銀カプセルタワービル」

まず紹介するのは、中央区銀座にある「中銀カプセルタワービル」です。

中央区銀座にある「中銀カプセルタワービル」(画像:写真AC)

建築家の黒川紀章氏が設計し、世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅です。まるでドラム式の洗濯機を積み重ねたような外観で、他では見たことのないデザイン。1972(昭和47)年の完成以来、数多くの人がこの建物に魅了され、実際に住んでいました。

黒川氏を中心に開始された建築運動「メタボリズム」の代表的な建物のひとつとして知られており、新陳代謝する巨大都市を実現させたいという思想によって建設されたそう。

国内だけでなく海外でも人気がありますが、住人の退去と区分所有のカプセル売却が進み、2022年に解体される予定とのこと。

クラウドファンディングの状況によっては取り壊しを免れる可能性もあるようですが、いつまでも見られる保証はありませんので、今のうちに訪れてみたい建物です。

2. 文京区本郷「ダイワユビキタス学術研究館」

次に紹介するのは、文京区本郷にある「ダイワユビキタス学術研究館」です。

こちらは東京大学大学院情報学環の建物として使用されており、大和ハウス工業によって寄贈されました。

監修は同大学大学院情報学環の坂村健教授。デザインと設計は同大学大学院工学系研究科の隈研吾教授が担当しています。

外観には約15tの不燃処理を施した杉板がウロコ状に張り巡らされており、「コンピュータ技術と建築デザインの融合」をテーマに設計されました。

どこか奇妙ですが現代的で美しく、隈教授らしさを感じさせる建築物です。

コンピューター技術が発展した現在だからこそ生まれた芸術的なこちらの建物。中にはカフェも併設されていますので、外観を楽しんだ後はコーヒーを飲んでゆっくりリラックスするのも。

3. 港区南青山「サニーヒルズ南青山」

次に紹介するのは、港区南青山にある「サニーヒルズ南青山」。パイナップルケーキのお店で、台湾生まれのスイーツを楽しむことができます。

港区南青山にある「サニーヒルズ南青山」(画像:サニーヒルズ)

デザインと設計はこちらも、東京大学大学院工学系研究科の教授で前述の「ダイワユビキタス学術研究館」のデザインも担った建築家の隈研吾氏。

木で覆われた3階建ての建物は「地獄組み」と呼ばれる伝統的な組木格子を、熟練の職人の手で1本ずつ立体的に組み上げて作られました。

一見パイナップルケーキのお店には見えませんが、独特でインパクトのある外観に引かれて訪れる人も多いようです。台湾の山中で育ったスタッフたちが、東京という都会の中でも木々を感じられるようにという思いを抱き、このようなデザインに仕上がりました。

4. 渋谷区神宮前「ウェッジ」

次に紹介するのは、渋谷区神宮前にある「ウェッジ(不二ビルディング原宿)」です。

渋谷区神宮前にある「ウェッジ(不二ビルディング原宿)」(画像:(C)Google)

明治通り沿いにある商業施設兼オフィスで、建築家の鈴木エドワード氏が設計しました。鈴木氏は、渋谷警察署宇田川交番の設計者としても知られています。

コンクリートの外壁に大きなヒビが入ったインパクトの強い外観は、シンプルながら斬新なアイデアを感じさせます。スタイリッシュなビルが立ち並ぶ明治通りにあって、ひときわ目を引く建物と言えそうです。

裂け目は開口部および入り口にもなっており、中の様子が少しだけ垣間見えます。30年以上この姿を保っていますので建築物として言うまでもなく問題ないのですが、初めて見た人はきっと驚くことでしょう。

5. 新宿区大久保「グンカン東新宿」

最後に紹介するのは、新宿区大久保にある「グンカン東新宿」です。

オフィス兼賃貸物件で、東新宿駅から徒歩2分という好立地。デザインと設計は、建築家の渡邊洋治氏が担当しました。

新宿区大久保にある「グンカン東新宿」(画像:(C)Google)

名前のとおり、まさに軍艦のようなデザインが特徴的で、思わず二度見してしまうような外観が最大の特徴です。陸軍船舶兵出身である渡邊氏ならではのアイデアを間近で見れば、氏が異端の建築家と呼ばれた理由もおのずと分かるはず。

東新宿の街並みにおいて異質な存在感を放つ同ビル。まるで、長崎市の世界文化遺産「軍艦島」が都市の中に突然現れたかのような雰囲気を放っています。

※ ※ ※

それぞれの建物によって成り立ちや特徴が異なり、見ているだけで異空間を感じさせるものばかりです。

スタイリッシュで現代的な建築物が多い東京だからこそ、どこか奇妙な建物がよりいっそう際立つのかもしれません。

近藤ツヨシ(トレンドウオッチャー)

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