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2016年4月スタート! 「義務教育学校」を理解するポイント7つ

  • 2015.8.7
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【パパからのご相談】

もうすぐ小学校に上がる子どもがいます。同僚と小学校選びの話をしていたところ『義務教育学校』なるものができると聞きました。“義務教育”なら小学校と中学校だと理解していますが、 『義務教育学校』とは何なのでしょうか。いつからできるのか、どういったものなのか、教えてもらえますか?

●A. 義務教育学校は、小学校から中学校までの教育を一貫して行う学校です。

ご相談ありがとうございます。教育コンサルタントの佐藤理香です。

近年、小学校と中学校の教育を一貫して行う“小中一貫校”が増えています。“一貫校”というと以前は私立のイメージがありましたが、最近では公立の学校も各地で開校されています。

小学校6年と中学校3年の合計9年の義務教育を一貫して行う小中一貫校ですが、これを制度化する学校教育法の改正案が2015年6月に可決されました。既存の小学校、中学校と同じように法律で定められた正式な学校で、『義務教育学校』という名前に決まりました。

本日は、この『義務教育学校』を理解するポイントをお伝えしますね。

●『義務教育学校』理解のポイント7つ

●(1)スタートは2016年4月から!

改正された学校教育法の施行は、2016年4月からです。義務教育学校を設置するための準備はそれ以前に始めてよいことになっているので、近所でも義務教育学校という言葉を耳にすることが増えるかもしれませんね。

●(2)学年の区切りが変わるかも!

現在は、小学校6年、中学校3年の“6・3”の教育制度になっています。ところが、この義務教育学校は“5・4”や“4・3・2”など、学年の区切りを柔軟に変更できる点が特徴です。地域によって、学年の区切りが変わる可能性がありますよ。

●(3)国立も、公立も、私立も義務教育学校を設置できる

義務教育学校を設置できる主体は、国でも、市町村などの地方自治体でも、私立でも、いずれも設置できるとされています。既存の小学校、中学校も残りますので、ちょっと複雑になりますね。

●(4)授業内容も変わる!?

これまでは、この学年ではこの範囲を学びましょうというように、授業内容は学習指導要領で決まっていました。それが、義務教育一貫校では、学年の範囲を超えて授業を前倒しにするなど、カリキュラムも地域の実情に合わせて変更できる予定です。

●(5)先生は小学校・中学校両方の教員免許が必要になる

義務教育学校の先生は、原則、小中両方の教員免許をもつようになります。ただし、免許をもったからといって、小学校の先生が中学校でもうまく指導できるかというと……そう簡単な話でもなく、研修を充実させるなど議論が慎重になされているところです。

●(6)効果はすでに実証済み!?

文部科学省によると、小中連携・一貫教育の取り組みを進めているほぼすべての市町村で成果があったといいます。具体例としては、

・中学生の不登校の減少

・学力調査などの平均正答率の上昇

・児童生徒の規範意識の向上

・異年齢集団での活動による自尊感情の高まり

・教職員の児童生徒の理解や指導方法の改善意欲の高まり

などが挙げられます。

●(7)課題も多い

効果がある反面、“義務教育”という全国一律の教育の質をどう確保するかという問題、転入学生の扱いや、小中両方の免許をもった教員の確保、指導方法など、多くの課題が山積しています。

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いかがでしたか?

小学校から中学校に進学する際に、いじめや不登校が増える“中1ギャップ”の解消も期待できるという義務教育学校。今後の動向に注目ですね。

【参考リンク】

・学校教育法等の一部を改正する法律案の概要 | 文部科学省(PDF)

●ライター/佐藤理香(教育コンサルタント)

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