1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 『しまおまほのおしえてコドモNOW!』が刊行。子供の混沌とした部分を混沌のままで受け止める、彼女の視点

『しまおまほのおしえてコドモNOW!』が刊行。子供の混沌とした部分を混沌のままで受け止める、彼女の視点

  • 2021.12.20
  • 514 views
絵本『しまおまほのおしえてコドモNOW!』

今を生きるコドモの頭の中が覗ける本。

古川耕

今の子を取り巻く環境って、YouTubeはもちろん、雑学っぽいテレビ番組や本も多い。だからなのか、「なんでそんなこと知ってるの?」ということを知ってたりしますよね。

しまおまほ

そうそう。彼らのアンテナは何をキャッチしているのかわからない。こちらの方がステレオタイプな子供のイメージを持って接してて……。

古川

引き出しがまだスカスカだから、雑な知識もいっぱい入るし、すぐ出る。子供のそういう面がこの本にすごく出てる。

絵本『しまおまほのおしえてコドモNOW!』中面
毛布を「完璧無敵装置」と呼び恥ずかしさをごまかしていた男の子。「こんな隙がイイ」としまおさん。

しまお

ネットが入口だと、時代にとらわれず知識を得られるんですよね。

古川

急にそこ?みたいな。

しまお

そう、昭和好きとか。

古川

しかも、子供たちがインタビューをされている認識がなくて、何が起こってるのかがわからない感じも出てますね。

しまお

頭にずっと「?」があるまま話してる。それを目の前で見られるのが面白かったな。

古川

しまおさんはそういう部分をキャッチできるセンスを持っていて、混沌をふるい落とさず混沌のまま受け止めて紙に落とし込める人。これができる人ってあんまりいないと思う。

しまお

私、強烈に楽しい思い出より「あれは何だったんだろう?」というぬるい時間がけっこう好きで。エッセイでもこの本でもその感じが出したくて。

古川

親が同席するパターンが多いからか、プライベート感半分、パブリック感半分というその微妙さも面白い。なんかちょっとイキったりしていて(笑)。

Information

絵本『しまおまほのおしえてコドモNOW!』表紙

『しまおまほの おしえてコドモNOW!』

ゲーム、寄生虫、植物、歴史、町中華に昭和文化。好きなものにそれぞれ夢中の今どきの小学生たちとの、行き先がわからないトークが満載。他人であり、普通の大人とはちょっと違うしまおまほが、子供たちのナウを浮き彫りにする一冊。小学館/¥1,760。

profile

構成作家・古川耕

古川耕(ライター)

ふるかわ・こう/TBSラジオ『アフター6ジャンクション』などの構成作家。ライターとして文房具や漫画の記事も執筆。娘姉妹も本書でインタビューされている。

profile

漫画家、エッセイスト・しまおまほ

しまおまほ(漫画家、イラストレーター、エッセイスト)

雑誌や文芸誌でエッセイや小説を発表するほか、ラジオのレギュラー出演などでも活躍。近著に『スーベニア』(文藝春秋)、『家族って』(河出書房新社)などがある。

公式サイト:http://mahomahowar.com/

元記事で読む
の記事をもっとみる