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演劇『「いつ高」シリーズ』 ロロ:やさしい気持ちになれる、心がふっと温かくなる珠玉の名作選Vol.25

  • 2021.12.17
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演劇『「いつ高」シリーズ』 ロロ

利害を挟まない純粋な慕情に自らの青春時代へ思いを馳せる

演劇『「いつ高」シリーズ』 ロロ
撮影:伊藤正美

大人になると、人付き合いにはどうしても利害関係が絡んでしまいがち。ただ純粋に誰かにやさしくなれたのって高校生くらいまでだったな、とノスタルジックな気持ちにさせられるのが本作だ。

描かれるのは、休み時間の教室や放課後の体育館、図書室などで起こる高校生たちのささやかな出来事。ボソボソとしたセリフや互いの距離感、交わされる視線に表れるのは、キラキラ青春映画のようなわかりやすい友情や恋愛ではなく、「好き」とは言えなくてもどこか心が通じ合うような、ささやかな慕情。自らの幸福な思い出が甘く刺さる。

談・佐々木敦

Information

演劇『「いつ高」シリーズ』 ロロ

『「いつ高」シリーズ』 ロロ

劇団〈ロロ〉が高校演劇のために書き下ろした『いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校』が舞台の60分間の連作群像劇。2015年に始まり、全10回で2021年完結。

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