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ホン・ミョンボ率いる蔚山現代に日本人スタッフ合流か。広島・池田誠剛フィジカルコーチが入閣へ

  • 2021.12.16
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韓国Kリーグ1(1部)の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)を率いるホン・ミョンボ監督が、2022シーズンに向けて縁のある選手、コーチを続々と迎え入れている。

最近では契約満了でガンバ大阪を退団したDFキム・ヨングォン(31)の獲得が報じられた。キム・ヨングォンとホン・ミョンボ監督は、U-20韓国代表で2009年U-20W杯、U-23韓国代表で2012年ロンドン五輪、A代表で2014年ブラジルW杯と、数々の国際大会をともに戦った“師弟関係”にあり、加入はほぼ確実と見られている。

もっとも、キム・ヨングォン獲得は蔚山現代の大型補強の始まりに過ぎない。ホン・ミョンボ監督はさらに、韓国代表初の日本人スタッフであり、かつて喜怒哀楽をともにした池田誠剛フィジカルコーチも迎え入れようとしている。

2012年ロンドン五輪当時、U-23韓国代表での池田誠剛コーチ(左)とホン・ミョンボ監督

12月16日、日本サッカー界と蔚山現代の事情に詳しい複数の関係者は、「池田コーチがホン・ミョンボ監督のオファーを受け、蔚山現代に合流することが最終決定した」とし、「すでに2人は来年に備え、選手団の運営などをめぐり緊密に対話をしている」と明かした。

池田コーチは2010年代に韓国サッカーの中軸を担ったFWパク・チュヨン(36、無所属)、MFキ・ソンヨン(32、FCソウル)、MFク・ジャチョル(32、アル・ホール)、MFキム・ボギョン(32、全北現代モータース)、キム・ヨングォンなど、ホン・ミョンボ監督の指導を受けた選手たちの成長を手助けした人物だ。

池田コーチはホン・ミョンボの本格的な指導者生活の第一歩となった2009年のU-20韓国代表監督時代、初の外国人フィジカルコーチとして韓国の地を踏んだ。ホン・ミョンボ監督が連れてきたスタッフとして注目を集めた池田コーチは、ホン・ミョンボ監督が重視する選手の強靭な体力と効率的なコンディション管理に重要な役割を果たした。

ホン・ミョンボ監督はかつて行われた高麗大学と早稲田大学との定期戦で池田コーチと交流を持つようになり、現役時代にJリーグでプレーしている際も、池田コーチの手腕に注目していた。

U-23韓国代表のロンドン五輪銅メダル獲得に貢献

池田コーチはフィジカルトレーニングの分野で世界的な権威と経験を持っているという評価を受けている。

実際、代表チームに合流した際には韓国人選手の深層筋(インナーマッスル)のバランスが良くないことを確認した後、筋力を育てるトレーニングプログラムでパフォーマンスを向上させた。

池田コーチはホン・ミョンボ監督と長期間ともにしながら、U-20韓国代表の2009年U-20W杯ベスト8、U-23韓国代表の2012年ロンドン五輪銅メダル獲得に大きく貢献した。当時の代表チームのコンディショニングは、歴代で最も一貫性を保ったという評価を今でも受けている。

特に、池田コーチにとってロンドン五輪の3位決定戦は一生忘れられない試合だ。というのも、自身の生まれ育った日本と対戦したからだ。当時、池田コーチは「運命だと思う。私がすべきことは韓国をサポートすること」とコメントし、プロフェッショナルな姿勢が話題を呼んだ。そして、韓国は日本を2-0で下しメダルを獲得した。

ただ、ホン・ミョンボ監督と池田コーチは喜びだけをともにしたわけではない。本大会6カ月前に急遽指揮を執った2014年ブラジルW杯では、初めてA代表で息を合わせたが、あまりに足りなかった準備期間も相まってグループステージ敗退という失敗を味わった。まさに、2人は天国と地獄をともに歩んだわけだ。

池田誠剛コーチ(左)とホン・ミョンボ監督
ホン・ミョンボのサッカー哲学を理解する“最適任者”

昨年末、約3年6カ月ぶりに蔚山現代の監督就任で現場にカムバックしたホン・ミョンボ監督は、当時も池田コーチにオファーを出したという。ただ、池田コーチは2018年から城福浩監督率いるサンフレッチェ広島でフィジカルコーチを務めていたこともあり、合流は叶わなかった。

蔚山現代は今シーズン、Kリーグ1で準優勝、FAカップとアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で準決勝敗退に終わった。

ホン・ミョンボ監督は、すべてのコンペティションにおいて優勝の手前で挫折してしまったことの理由に、浮き沈みのある選手のコンディショニングを挙げた。

また、ホン・ミョンボ監督は自身のサッカー哲学を最もよく理解しているコーチの合流を望んでおり、その最適任者が池田コーチだった。ホン・ミョンボ監督は今季終了後、早々に池田コーチに合流の意思を打診した。池田コーチはホン・ミョンボ監督はもちろん、長年Kリーグ優勝から遠ざかる蔚山現代を助けることを決意した。

ホン・ミョンボ監督(左)と池田誠剛コーチ

ホン・ミョンボ監督は、池田コーチにフィジカル面だけではなく、多角的にチームを支援してもらう案を考慮している。複数のエージェントによると、チーム内で空きがあるアジア枠を利用し、池田コーチが注目する日本人選手を獲得するものと見られている。

ホン・ミョンボ監督は、自身の指導者人生“魂のパートナー”である池田コーチと再会し、蔚山現代の新たな未来を切り開こうとしている。

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