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小栗旬×松山ケンイチ『日本沈没ー希望のひとー』7話。里城(石橋蓮司)を信じてよかった……からの、無能なのは総理(仲村トオル)だったのか!

  • 2021.12.5
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小栗旬主演の TBS 系日曜劇場『日本沈没ー希望のひとー』。原作は1974年に刊行された小松左京の小説『日本沈没』。2023 年の東京を舞台に、沈没という見えない危機が迫るなかで「見出していく希望」をテーマに描かれます。国家機密を漏洩したとして田所博士(香川照之)が逮捕され、日本沈没の研究は頓挫してしまう。危機感を募らせる天海(小栗旬)は、地球物理学の最高権威・世良教授(國村隼)を訪ねる。田所を陥れた人物は誰なのか? 国民の脱出計画はどうなるのか? 頼るべきはアメリカか、中国か? 未曾有の危機を前にして、国のトップたちの思惑が錯綜する7話。

里城副総理(石橋蓮司)を信じてよかった。国民の命よりも経済を大事にする金に汚い政治家として描かれてきたが、実のところは有能で国民思いな男だった。「経済=人民」と考える男だったのだ。

胸熱展開も、世良がやさぐれモードで勢い半減

Dプランズ社に日本沈没の国家機密を漏洩したとして、田所博士(香川照之)が逮捕された。田所は、日本沈没を信じたくないどこかの勢力によりハメられたのだと主張する。政府が用意した専門家たちは、残された田所博士のレベルが高すぎる研究を引き継ぐことができないでいた。

ここで天海(小栗旬)が頼れる男・世良教授(國村隼)を呼び出す。世良は、今作最初に立ちはだかる敵役。『ドラゴンボール』でいうベジータ、『半沢直樹』でいう大和田常務、古今東西存在する胸アツ展開が期待される。

しかし世良は、「私には学者を名乗る資格がない」と天海に言われた言葉を思い返してやさぐれモード。1億2000万人の命がかかっているのに拗ねていた。だが、天海が「田所博士が世良教授を評価している」とおべっかを使ってみると、「田所くんが……?」と目を輝かせた。

なんとか味方につけたかと思われたが、官房長官の長沼(杉本哲太)に渋られると、「望まれていないなら帰ったほうがいい」とまたしてもイジけてしまう。結局のところ総理に頼まれてやる気を取り戻すが、まるで子どものような移り気の早さだ。田所といい世良といいお子様な学者を相手にする天海の気苦労はすさまじい。

黒幕の正体

東山総理(仲村トオル)と未来推進会議は、移民交渉をするために日本企業を切り札にしようと画策する。しかし、田所と並ぶ世界的地球物理学者のジェンキンス(モーリー・ロバートソン)が日本沈没を否定したとの情報が入り、トキワグループの常盤統一郎(小野武彦)ら経団連は政府の要求に難色を示した。これに日本沈没を信じない里城副総理大喜び。嬉しそうに経済復活へのプロジェクトを動かし出す。黒幕感も満載だ。

真実を確かめようと天海はアメリカ行きの準備を始めるが、話を聞いた椎名(杏)は、記者である自分の方が探るのは向いていると天海の代わりにジェンキンスの元へ向かう。やっとの思いでたどり着くと、本当にジェンキンスは日本の沈没を否定した。しかし、世良が調べた結果、ジェンキンスの元に送られていたデータが古いものだったと発覚する。こうなると、ジェンキンスと連絡を取っていた人物が怪しくなってくる。

そんななか、Dプランズ社はインドとモンゴルの土地を買い漁っていた。長沼は、その土地を「20倍の価格で買おう」と東山に提案。20倍から5倍まで価格が下がったところで、お買い得と感じたのか東山が判を押そうとする。ここで東山総理にほのかな無能臭が漂い出す。

しかし、お金大好き里城から「無駄遣いだ!」とストップがかかる。Dプランズと繋がっていたのは、里城ではなかったのだ。そこに天海が突入し、長沼が全ての黒幕であったことを暴いた。思えば長沼は、要所要所で天海の動きを制したり、世良の現場復帰を止めたりと怪しい動きを見せていた。最初に土地の価格を20倍でふっかけてから5倍に下げて安く見せるというのも詐欺の常套手段だった。

こんな素敵なおじいちゃんなかなかいない

ここからの里城がカッコイイ。いや、愛おしいと言うべきか。沈没説が本当だと知ると、「ビルも文化も歴史も消える」「国民は裸同然で異国に放り出されるのだ」と現状を嘆いた。守銭奴に見えていたのは、全て国民のためだった。里城が好きだったのは経済ではなく、“日本国民がこれまでに築き上げた経済”だったのだ。

天海はそんな里城を「いい加減目を覚ましてください!」と一喝。戦後から復興を遂げた日本人だからこそ、未来を築けると励ました。何十歳も年下の若手官僚の意見を聞き入れた里城は、素直に沈没と立ち向かうと覚悟を決める。こんな素敵なおじいちゃんなかなかいない。

お前が無能だったんかい

こうして東山と里城が手を組んだ。これほど心強い仲間はいないだろう。今度こそ悟空とベジータだ。結束力を高めた政府は、天海の提案で生島自動車を交渉の切り札として、アメリカと中国を天秤にかけた同時交渉を開始する。移民を多く受け入れると約束した方が、世界的企業の生島自動車を手に入れることができるというわけだ。このレースは最終的に1000万人の受け入れを約束した中国に軍配が上がった。

しかしここで問題が発生する。生島争奪戦に敗れたはずのアメリカが、勝手に生島とアメリカ国内の自動車メーカーが合併すると発表したのだ。これにより中国は激怒し、全世界に向けて日本が沈没することを発表してしまうのだった。当然なにも知らされていない日本国民はパニックに陥ってしまうだろう。

東山総理が勝手にアメリカと交渉をまとめると約束した結果だった。里城は中国と強気で交渉を進めていたが、おそらく東山はアメリカのいいなりになってしまっていたのだろう。ここにきて日本国トップの力の無さが露呈したのだ。さんざん里城に足を引っ張られて困ってます、みたいな顔をしておいて、まさかのお前が無能だったんかい。里城は東山に「君が招いたことだぞ」と呆れ顔。天海も「最悪だ!」と珍しく取り乱してしまった。

今夜放送の第8話は、天海と里城が中国との再交渉に挑む。こうなれば頼りになるのは里城だ。一方、予告を見る限り東山の汚名返上のシーンはなさそうな雰囲気だ。まさかこのまま本当に無能で終わるわけはないと思うが、一体どう巻き返すのだろうか。

■さわだのプロフィール
企画、動画制作、ブサヘア、ライターなど活動はいろいろ。 趣味はいろいろあるけれど、子育てが一番面白い。

■たけだあやのプロフィール
イラスト、イラストレビュー、ときどき粘土をつくる人。京都府出身。

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