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楽しい女子旅と結婚! 幸せのためにどちらか1つ選ぶなら…。

  • 2015.8.1
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楽しい女子旅と結婚! 幸せのためにどちらか1つ選ぶなら…。

仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。

羽を伸ばしに海外旅行に行くなら、気の合う女友達? それとも彼氏? そりゃあ、彼氏でしょう…などといっているうちは、まだまだ甘い? 働くアラサー女子が直面する恋と友情の板挟み問題とは…。


【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.2

旅行は彼氏となんかより断然女と行くに限る!!

ショッピングを1日中楽しみ、同じ体力レベルでへばる。エステもマッサージも高いテンションで望める往年の女友達よ。当たり前のあなたの存在が、こんなに愛しいなんて。私はこのバンコク旅行でそれを痛感した。

そもそもタイへ旅することになったのは、日々続く残業残業残業で、心がくたびれたための逃避行。物価が安くて食事も美味しく、マッサージにエステ三昧を計画したらタイになった。

いきタイ! やりタイ! はじけタイ! と2人の娘(?)が無計画で降り立ったタイがどんな国かというと、大雑把な私には天国そのもの! 自己責任という言葉の元に、値段交渉から行列のならびまで、なにもかもが適当で、計算ミスもぼったくりも、突っ込んだらニッコリ笑ってシラを切る始末。友人は初日「もう気が抜けない…」と弱音を吐いていたのだが、こちらも厚かましい外人のフリで応戦し、困ったら「コップンカー」とタイ語でありがとうを連呼すれば大体切り抜けられると2日目の夜には豪語していた。

タイで一番感動したのは、激安のアレ!

タイと言えば物価が日本の10分の1~5分の1。あれもこれも安すぎて感動する中、最も思い出深かったのがマッサージだ。タイのマッサージ店は日本のコンビニに匹敵する数で乱立し、値段は足裏マッサージで1時間なんと日本円で600円!! 安すぎて通いつめたあるマッサージ店で、私は18歳の青年ディウに出会った。

彼のいる店は、1回来店しただけなのに、次の日店の前を通ると必ず「今日は何時にくるの~?」と女店主が声をかけてくれる商売っ気の強いお店だ。しかも女店主以外は全員ティーンボーイという、一見いかがわしいメニューを疑うような雰囲気。そんなお店で私の担当になったのがディウくん(担当といっても、別に指名したわけではなく、女店主が勝手に毎回付けてくれちゃったのだ。女のツボを分かってるね)。

ティーンボーイの中でも年長者の彼は、毎晩夜中に訪れるヨレた服にスッピンの私を見ても、微笑みの国を象徴するニッコリ笑顔で、「キレイですね〜、コッテますね〜」とカタコトの英語で愛想を振りまいてくれる。

絶対にサービス延長はしてくれないけど、ときどき携帯をイジりながら接客しやがるけど、マッサージの手はなかなかの真面目な彼は、私の日本で疲れた心までグイグイほぐしてくれた。

おおしま、初めて男を買う!?

そのお店はマッサージの他にもネイルやアロマコースもあるらしく、せっかくなのでとディウの接客効果でアロママッサージを注文してみる。するとてっきり女店主が対応してくれると思ったら、なんとアロマもディウが行うという。

「マジで!? 男だよ!? 裸なんだよね?」と騒ぐ私に、「大丈夫、あの子うまいから〜」ニタニタと含み笑いの女店主。

「うまいって、何がやねーん!」思わず突っ込む私。

「一生のネタになるよ!」と便乗する友達。

「20代で男を買ったら伝説」という後押しにやられ、私もまんざらでもない気分で施術を受けることになった。ペラペラのガウンに身を包み、薄暗い2階に上がる。

「ああ…何事も起きませんように…いや、起きたほうがいいのか…」

葛藤する頭を抑えながら布団にゴロリ。下着は上下そろったワコールだし、何かあっても問題ない。

「タイ人って、そもそもシモの衛生状態は大丈夫なのかしら…って何もしないし!」

一人自問自答していると、ディウがオイルを持って登場。スルスルと背中になじませ、私より一回り細身の体が一瞬密着しそうになる。

「く…くすぐったぁいっ★※■あッ亞□♪お△◆↓♯っ★※△※っあ■♪●×☆ふがっ…」

思わず通常比3倍の甘い声が漏れる。

「ごめんごめん、すぐ慣れると思うから」

巧みにリードする彼。オイルが体になじんでいくと、本当に体がホカホカしてとても気持ちが良い。

「はう~キモチイイよディウ! 最高だよディウ!」

風俗店でのおやじのようなセリフが、手の動きに反応して漏れる。でも本当に極楽そのもの。高級エステとは違った肩肘張らない空間とマッサージ技術が、私の何かを解き放ってくれる。

ときどき乳に手が触れた気もするが、マッサージだもの、気にしない。どんどんリラックスしていき、体も心も解放完了!

「ボクはいつもマッサージ店で働いているけど、本当はもっと勉強していろんなところに行ってみたいんだ」

突然ディウが突っ込んだ身の上話を馬乗り状態で話し始めるではないか。

「あれ、キミ、学校に今行ってるんだっけ?」

まともに返しをしてしまう私。風俗嬢に「なんでこんな仕事しているの?」と聞くようなバカ返答に、「行ってない…」一瞬声にハリを失くすディウ。

「あ、そっか、行ってないのか…たとえばどんなトコロに行ってみたいの?」

「うん、あのね、日本に行ってみたい。」

お誘いキターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!

来タイ? 住みタイ? 養われタイ?

タイ人の純朴な少年が、日本女性を目の前に、ボクも日本に行ってみたいと甘える。これがチャンスタイムでなく何と言う!

「日本行きたいんだ~楽しいところだよ! 来るなら案内する」

本当に一瞬、この子が日本にきて、1Kだけど私の家に泊まらせて、一緒に住みながら養う生活を思い描く。毎日マッサージをしてもらえるのなら一人養うのも苦じゃないとバカな考えに思わずうっとり。

……ピピピピ―————

「オジカン、デス!」

「え!?」

ここからがイイトコロと思った矢先、アロママッサージは終了した。これはここから金を払えば違うサービスが待っていたかもしれないが、そそくさと片付けはじめる彼を横目に、リラックス状態の私は何も言えず。とりあえずLINEだけ交換し、二度と会わないだろうに、また会おうと約束だけ交わした。

帰国後ディウとは最初こそ頻繁にLINEのやり取りをしていたが、

「ゲンキ?」

「元気」

「イソガシイノ?」

「忙しいよ」

お互い英語レベルは中学1年生のため話が先に進まない。時々頑張って長文を打ってみるも、向こうが理解できてない。

「ディウよ、日本での成り上がりを狙うなら、せめてタイ語以外を習得せよ」

新人キャバ嬢を応援する客の気持ちで、微笑みの国に失笑まじりにエールを送る。

そして、だんだんと英語のやり取りすらもなくなり、ついにはLINEポコパンの招待が、忘れた頃にくるのみとなった。

女の友情、新婚カードの前に散る…

そんなステキな思い出から早2年。女友達はこの1月に結婚し、相変わらずの残業に加え、新妻業にまい進していた。先日久々に再会し、ジョッキ片手に「またバンコク行きたいね~」とほろ酔いで思い出に浸っていると、急に真顔で語りだす。

「また行きたい。凄く行きたい。だけど、やっぱりダンナが嫌がりそうだから、しばらく海外には一緒に行けないかもしれない」

申し訳なさそうに言うではないか。あんなにも道中、天国だ極楽だ必ずまた行くと騒ぎまくった女にも、新婚カードの前には打つ手なしということなのか。

結婚するならいろいろこだわりを捨てろというけれど、できれば疲れた私を労ってくれて、ダンナ抜きの女子旅を歓迎してくれるパートナーを私なら持ちたい。幸せながらも制限された生活は、3年もしたら結婚しなければよかったと思う気がしてならないし(実際なった)、心と体を癒してくれる男のためなら、私はどこまでも頑張れる。

もしディウと一緒に住んだら、きっと彼は稼ぎこそ少ないものの、毎日マッサージをしながら私を癒してくれるにちがいない。今なら私の家は1DK。2人暮らしはこの家で問題なくできる。理想の男はタイにいたか! 彼のマッサージを思い出しながら、久しぶりに連絡を取ろうとLINEを開くと、アイコンが女とのツーショットに変わっていた。

おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター

10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。

HP:http://oshimarie.com

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