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知ってた? 羽田空港から直行できる国内線の「意外な観光地」とは?

  • 2021.11.30
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東京大田区にある羽田空港。実は日本の意外な場所に行くことができるのをご存じでしょうか。ジャーナリストのシカマアキさんが解説します。

日本国内は「遠いようで近い」

日本最大の空港、東京国際空港(大田区羽田空港。以下、羽田空港)には、国内のあらゆる空港を結ぶ路線ネットワークがあります。北は北海道から南は沖縄まで全国津々浦々、飛行機に乗ればあっという間に到着します。

例えば、東京は真冬なのに南の島では半袖で過ごせたり、北国では大雪に遭遇したりといった体験も。国内線だと最大でも片道2~3時間ほどの飛行時間です。

日本で最も国内線が発着する羽田空港(画像:シカマアキ)

札幌や那覇、福岡などの主要都市をはじめ、実は日本の意外な場所にも東京から飛行機で行くことができます。ということで今回は「えっ!こんなところまで!?」という、国内線での旅行先をいくつか紹介します。

路線が多い北海道

まずは北海道から。

日本最北の空港は稚内ですが、民間機が発着する最も東の空港は中標津空港(根室中標津空港)です。同空港の1日4便ある定期便のうち、1便がANAの「羽田 = 中標津」の直行便として運航されています(他の3便は札幌・新千歳空港行き)。飛行時間は約2時間。道東エリアの中標津町(なかしべつちょう)にあります。

中標津空港のターミナルには「木」が多く使われている(画像:シカマアキ)

空港周辺には、摩周湖や世界遺産の知床など道東の観光スポットが点在。酪農地帯のため、ソフトクリームなど乳製品のおいしさも格別です。日本の空港で唯一の木造ターミナルビルであり、木のぬくもりが館内のところどころで感じられます。ちなみに、ANAの「羽田 = 稚内」も1日1便あります。

機内から美しい流氷が見られるかも?

北海道にはもう1か所、羽田から行けるやや珍しい空港として紋別(もんべつ)空港もあります。

紋別空港がある場所(画像:Google)

紋別と言われて、その正確な場所がすぐに思い浮かぶ人は少ないでしょう。オホーツク紋別空港という名称もある通り、オホーツク海に面した道北エリアの紋別市にあります。発着便はANAの「羽田 = 紋別」の定期便1日1便のみで、飛行時間は約1時間45分です。

紋別市は人口2万2000人あまりの街で、流氷観光が人気。運が良ければ、冬に機内からオホーツク海の美しい流氷が見られるかもしれません。毛ガニをはじめ、ホタテなどの海の幸、ブランド牛のオホーツクはまなす牛、乳製品など北国のご当地グルメもめじろ押しです。

新ターミナル開業で注目の宮古(下地島)路線

一方、羽田から直行で行ける沖縄県の空港は、

・沖縄(那覇)・宮古・宮古(下地島)・石垣

の4か所。このうち、宮古(下地島)空港は、宮古島から伊良部大橋を渡った先の下地島にある空港です。

下地島空港で有名な撮影スポット「17エンド」(画像:シカマアキ)

空港は1979(昭和54)年7月開港。航空会社のパイロットが主に訓練する飛行場として知られ、定期便も当時運航されていたものの、1994(平成6)年7月に運休。その後、2019年3月に新たな空港ターミナルが開業し、定期便としてジェットスターの成田線が新規就航しました。そして現在、スカイマークが羽田からの直行便を運航しています。羽田からの飛行時間は約3時間30分です。

宮古諸島は、手つかずの自然が多く残り、海が美しい場所。沖縄本島や石垣島よりも都会化されておらず、南国特有ののんびりとした雰囲気も人気です。空港ターミナルも新しくなり、地元食材が味わえるカフェや、まるで高級リゾートホテルのような待合スペースなどがあり、空港を離れる直前まで宮古旅行の楽しみが続きます。

さらに、滑走路の延長上にある「17エンド」は、美しい海と着陸する飛行機が撮影できる絶景スポットとして人気。羽田や成田から一気に人気の南国リゾートへ直行できる、メリットの大きい路線です。

八丈島は羽田から直行便

東京都民でも足を運ぶ機会が少ない場所のひとつ、八丈島。その八丈島空港へも羽田から直行便が定期運航しています。

八丈島空港は東京から約290km離れている(画像:Google)

八丈島は、東京から南に約290kmの場所に位置する、伊豆諸島南部で最も人口が多い島。南国の自然あふれる亜熱帯リゾートで、海水浴や温泉、地元の焼酎なども人気。大型客船だと最短でも10時間20分かかるところ、飛行機だと羽田からたった55分で到着します。ANAが「羽田 = 八丈島」の路線を1日2便運航しています(運航日に気を付けてください)。

また、東京から南に約120kmの洋上に浮かぶ伊豆諸島最大の島にある大島空港へも、東京から飛行機で行けます。名称は東京大島かめりあ空港です。ただ気を付けたいのは、羽田発着ではなく、調布飛行場から新中央航空(茨城県龍ケ崎市)が運航していること。飛行時間は約25分。

ほかにも「調布 = 新島」「調布 = 神津島」「調布 = 三宅島」の定期路線があります。いずれも運航会社は、同じ新中央航空。羽田発着の飛行機よりもさらに小さい「ドルニエ228-212 NG」(乗員2名、乗客19名)で、自然あふれる島々での観光に加え、小型プロペラ機ならではの空の旅も併せて楽しめるのが魅力です。

名古屋へ飛行機で?

名古屋は東海道新幹線で行くのが定番ですが、実は飛行機でも行けるのです。「羽田 = 名古屋(中部)」が、ANAとJALでそれぞれ1日2便の定期便があります。中部空港はセントレアの名称で知られています。

飛行時間は約1時間。羽田を離陸して飛行高度を他の路線よりも上げないまま飛び、そのままセントレアへ着陸。本当にあっという間です。

もともと、セントレアから羽田空港の国際線に乗り継ぐ客が多く利用していましたが、今はセントレアの国際線需要がほぼなく、欠航も多いので要注意。

セントレアの展望デッキでは珍しい飛行機が眺められることも(画像:シカマアキ)

名古屋中心部までの所要時間などを考えると、名古屋まで行くには東海道新幹線のほうが便利なのは確かです。あえて「飛行機に乗りたい」という人なら、ぜひチャレンジしてみてください。

飛行機での旅は陸路や船舶で向かうよりも圧倒的に早く、旅行での移動時間を大幅に短縮できます。東京からたった数時間で、南国リゾートや白銀の世界に到着。現地の絶景やグルメを堪能すれば、身も心もリフレッシュできます。羽田から行く国内直行便の旅、おすすめです。

シカマアキ(ジャーナリスト、フォトグラファー)

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