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身体ナビゲーションVol.62「腎臓の構造」

  • 2015.7.31
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こんにちは。健康管理士のSAYURIです。

前回まではリンパについてご紹介してきました。静脈やリンパによって運ばれた老廃物が次に行くのが腎臓です。

今回からは、腎臓について解説していきたいと思います。

●“かんじんかなめ”の臓器『腎臓』

私たちの身体は、食事によって栄養素を吸収し、エネルギーを生み出したり骨や筋肉、内臓、皮膚など体のあらゆるものを作りだす物質代謝が常に行われています。その結果、生じた老廃物が尿や便として排せつされるのですが、尿としての排せつを担う臓器が腎臓です。

最も重要なことを意味する“かんじんかなめ”という言葉は、“肝心要”の他に“肝腎要”と表記されます。これは“肝臓”、“心臓(もしくは腎臓)”、要に肉体を意味する月(にくづき)を付けた“腰”を指すとも言われています。健康なときは腎臓の存在をあまり意識しませんが、実はとても大切な臓器なんです。

●腎臓はどんな臓器?

腎臓は背中側にある臓器で、おへそより少し上に脊椎を挟むようにして左右に1つずつあります。ちょうど空豆のような形で外側に弓状のふくらみがあり、内側がくぼんでいます。サイズは大人の握りこぶし大。縦に約12cm、横に6cm、厚みは3cmほどで、重さには個人差があるものの120gから150g程度です。

健康な人では1分間に約1Lもの血液が流れ込み、心臓から押し出される血液の約5分の1を占め、体の中で最も血液の流れが多い臓器です。

●腎臓の構造

腎臓の入り口は腎門と呼び、血管や尿管はここから腎臓へ出入りしています。さらに、尿管に続く腎盂(じんう)を内側に囲んでいて、腎臓を作っている組織である腎実質と、それに囲まれた隙間である腎杯、腎盂に分かれています。

腎実質は2つの層に分けることができ、腎臓の表面部分を皮質、内側部分を髄質と呼んでいます。

腎臓の内部には毛細血管が毛玉のように丸まってた糸球体があり、ボーマン嚢(のう)という袋に包まれたようになっています。この糸球体とボーマン嚢が1組になったものを“腎小体”といいます。ボーマン嚢から尿細管という長い管が続いていて、皮質と髄質の中を通っています。腎小体と1本の尿細管までを合わせてネフロン(腎単位)と呼び、この部分が血液をろ過したり、尿を作ったりする役割を担っています。まさに腎機能の中枢と言える部分です。

ネフロンは左右の腎臓にそれぞれ100万個ずつもあります。そして尿細管の最後は集合管と呼ばれ、できた尿はそこに集められた後、腎盂に送られます。腎盂がいっぱいになると尿管へと流れ出て膀胱に運ばれます。

【参考文献】

・総務省認証予防医学学術刊行物『ほすぴ』成人病予防対策研究会発行

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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