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『ミラベルと魔法だらけの家』北米興収1位も数字的にはやや渋め? PTA新作は新記録を樹立

  • 2021.11.29
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『ミラベルと魔法だらけの家』(c)2021 Disney. All Rights Reserved.

2021年11月25日(木曜日)は11月の第4木曜日、すなわち米国の祝日である感謝祭(Thanksgiving Day)だった。昨年はコロナ禍の影響で自粛ムードだったが、今年は2年ぶりにニューヨークでパレードが開催されるなどの盛況を見せている。アメリカの映画業界においても、感謝祭の週末は1年のうちで最も客入りが期待される数日間。ディズニーは2018年に『シュガー・ラッシュ:オンライン』、2019年に『アナと雪の女王2』を公開し、いずれも大ヒットを記録した。

そして2021年、ディズニーは感謝祭の週末を『ミラベルと魔法だらけの家』で飾った。めでたく北米興行収入ランキングのNo.1を射止めた本作は、11月24~28日の5日間で4030ドルを記録。本作は劇場独占公開であり、コロナ禍以降のアニメーション作品としては過去最高の滑り出しとなった。日本を含む世界各国でもすでに劇場公開されており、世界興行収入は早くも7000ドルを超える見通しだ。

ラティーノの家族を描いたミュージカル映画である『ミラベルと魔法だらけの家』では、原案・劇中曲を『イン・ザ・ハイツ』のリン=マニュエル・ミランダが担当。本国ではブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』が社会現象的ヒットとなったこともあり、トップクラスのヒットメーカーとして知られるが、日本ではまだ知名度が追いついていない。ただし本作が公開されたタイミングで、ディズニープラスで配信されていた『ハミルトン』にもついに日本語字幕が付いた。ぜひ両作をあわせてチェックしておきたい(もちろん、ミランダの初監督作品『tick, tick… BOOM!:チック、チック…ブーン!』も)。

第3位には、リドリー・スコット監督最新作『ハウス・オブ・グッチ』が登場。レディー・ガガ、アダム・ドライバー、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック、アル・パチーノという錚々たる顔ぶれが出演する本作は、11月24~28日の5日間で2180万ドルを記録した。しかしながらシリアスな実話犯罪ものであり、同じくリドリー・スコット作品で苦戦を強いられた『最後の決闘裁判』と共通する大人向けのドラマ作品とあって今後の推移には注目が集まるところ。現状、ドラマ映画としては過去2年間で最高の滑り出しを見せているが、ここからどうなるか。

ひとつ気になるとすれば、『ミラベルと魔法だらけの家』『ハウス・オブ・グッチ』という今週末を代表する注目作がいずれも予想以上のヒットにならなかったことだ。第2位は公開2週目の『ゴーストバスターズ:アフターライフ』だが、26~28日の3日間のデータを見れば、『ミラベル~』が2700万ドル、『ゴーストバスターズ』が2450万ドルと大きな差はついていない。もちろん後者は大人気シリーズの続編であり単純な比較はできないが、感謝祭という映画業界の稼ぎ時としてはやや渋めの数字だったことは確かだろう。

そのほか第5位は、人気ゲーム『バイオハザード』を原作とするリブート版映画『バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』で、5日間で880万ドルを記録。全米2803館とタイトルの認知度に比すれば公開規模はやや小さめにも思われるが、今回はミラ・ジョヴォヴィッチ版とは異なり正統派のホラー/スリラー路線。『海底47m』シリーズのヨハネス・ロバーツ監督によるアプローチはどう受け入れられるか。

注目しておきたいのは、ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『Licorice Pizza(原題)』がニューヨーク&ロサンゼルスの4館にて先行公開され、27~29日の3日間で33.5万ドルを記録したこと。1館平均は8万3800万ドルで、ウェス・アンダーソン監督の最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』を抜きパンデミック禍での1館平均興収の新記録となった。日本の映画ファンの間でも予告編が話題を呼んだが、本国では観客の反応も上々とのこと。日本公開情報の発表が待たれる。

なお『Licorice Pizza』ほどではないが、『ハウス・オブ・グッチ』は2022年1月14日、『バイオハザード』は1月28日、『ゴーストバスターズ』は2月4日と、いずれも日本公開は来年になる予定。ちなみに北米では公開9週目の『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』は、ようやく今週末、2021年12月3日に日本公開を迎える。

(※本記事の興行収入データは11月29日未明時点の速報値であり、最終確定の数値とはやや誤差が生じる可能性があります)

(稲垣貴俊)

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