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「喫茶店 = コーヒー」だけじゃない! 緑茶・紅茶・ウーロン茶がおいしい都内「隠れた名店」5選

  • 2021.11.24
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喫茶店といえばコーヒー。多くの人はそんなイメージを持っていることでしょう。しかし東京都内には、コーヒーより「お茶」が売りの喫茶店も存在します。いつもと気分を変えて、お茶とスイーツを味わってみるのはいかがでしょうか。

どのお店にも熱ーいこだわりが!

江戸時代の頃に日本へ伝来し、広く飲用されるようになったコーヒー。深い苦味とほどよい酸味は、喫茶店の食事やスイーツとマッチする定番飲料です。

しかし、東京都内にある喫茶店の中には、そのコーヒーではなく「お茶」を売りにしているお店も存在します。

「胡桃堂喫茶店」のいちじくのタルト(画像:清水華那)

なぜコーヒーではなくお茶を前面にしているのかはお店によってまちまち。

もともとお茶を栽培する農家で、そのお茶を広めるために喫茶店を始めたというお店や、店主がお茶好きで、自分で飲むためにお店を作ってしまった、など。

そのほかにも各店さまざまな理由がありますが、ひとつ言えるのはどのお店もお茶に大変こだわりを持った喫茶店だ、ということ。

今回は、喫茶店なのにコーヒーではなく紅茶や台湾茶などを売りにしている、都内の喫茶店を五つ紹介します。都内でもそう多くない、お茶にこだわった喫茶店で、お茶の香りに包まれた優雅なひと時を過ごしてみてください。

1. 国分寺「胡桃堂喫茶店」

まずはじめに紹介するのは、JR中央線国分寺駅から徒歩5分の場所にある「胡桃堂喫茶店」(国分寺市本町)。落ち着いた雰囲気の店内に、広々としたテーブルが並びます。

国分寺市本町にある「胡桃堂喫茶店」(画像:(C)Google)

胡桃堂喫茶店のメニューにはコーヒーもありますが、緑茶、紅茶、ウーロン茶もコーヒーと並んで看板ドリンクとして売り出しています。

なぜお茶を出しているのかと言えば、地元の素材を使うことにこだわっているため。喫茶店の位置する国分寺には茶畑があり、そこから直接仕入れているのだそうです。

台湾烏龍茶の「文山包種」は台湾から仕入れており、さらに茶葉を鑑定する国家資格を持つ人が目利きする、というこだわりぶりです。

そして、お茶に合う和風メニューも豊富。フルーツあんみつ、よもぎもちといった定番の和菓子はもちろん、北海道美唄市のクルミを使ったタルトやカステラショートといった洋風スイーツを和風にアレンジをしたメニューもあります。

美唄ぐるみのタルトは、キャラメリゼされたクルミの中にアーモンドクリームがたっぷり。その上には生あんをのせて、和風テイストに仕上げています。

いちじくのタルトは、ザクザクしたタルト生地と柔らかいいちじくの食感の違いを楽しめます。タルトの中のカスタードはクリーミーで、ジューシーないちじくと相性抜群。ほっこり甘いスイーツが、お茶にぴったりマッチしています。

こだわり抜いたお茶とスイーツを味わいたい方は、ぜひ胡桃堂喫茶店へ訪れてみてはいかがでしょうか。

2. 神保町「ティーハウスタカノ」

続いては、神保町駅から徒歩3分の「ティーハウスタカノ」(千代田区神田神保町)。1974(昭和49)年に創業された、東京で一番古い紅茶専門店です。

このお店のオーナーは紅茶が大好物。毎日おいしい紅茶を飲む手段はないかと考えた末に、このお店を開いたのだそうです。

メニュー表には定番のアールグレイやセイロンティーのほか、聞いたことのない珍しいお茶も並んでいます。

人気のメニューは、キャンブリックティーと呼ばれるハチミツ入りのアイスティーです。紅茶をよく味わうには無糖で、と思っている人も多いと思いますが、こちらのキャンブリックティーは甘いながらも、紅茶の風味をしっかり楽しむことができます。

そして、ほろほろ食感が紅茶に合うスコーンも用意されています。スコーンの下には保温プレートをのせるという、スコーンが冷めない工夫がありがたいです。

スコーンのバターの風味と、紅茶の渋みがベストマッチ。こだわり抜いた香り高い紅茶を味わいたい方は、ぜひティーハウスタカノを訪れてみては?

3. お茶の水「RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」

続いては、JR御茶ノ水駅から徒歩3分に位置する「RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」(千代田区神田駿河台)。こちらは「お茶」をテーマにした喫茶店です。

日本茶の素晴らしさを伝えたいという思いで創業されただけあって、メニューはお茶のメニューでいっぱい。緑茶の一種である深蒸し煎茶をはじめ、宇治抹茶、和紅茶、そして抹茶を使用した抹茶ビールなどのアルコールメニューもあります。

お茶は、喫茶店のお茶を知り尽くした「茶バリエ」と呼ばれる店員が、抽出するお湯の温度や浸出時間に気を配りながら1杯ずつ淹れているのだそう。

シンプルなお茶だけでなく、飲みやすいブレンド茶もあります。和紅茶と甘草をミックスしたお茶は、和紅茶の豊かな風味とほんのりとした甘さが絶品。甘いのでお茶の渋みが目立たず、飲みやすくなっています。

そしてランチメニューの和定食や、食後のデザートメニューも充実。スイーツメニューは、ほうじ茶をふんだんに使用したモンブランや、抹茶づくしのお茶パフェ、京都産一番茶を使った濃茶ジェラートなどがあります。ドリンクに加え、スイーツまでお茶づくしな喫茶店。ほかではなかなかお目にかかれません。

4. 表参道「カネ十農園」

続いては、東京メトロ表参道駅から徒歩5分の喫茶店「カネ十農園」(渋谷区神宮前)。京都のお茶屋さんのような外観の店内は、のれんをくぐると売り物の茶葉がずらりと並んでいます。

渋谷区神宮前にある「カネ十農園」(画像:(C)Google)

カネ十農園は、静岡県牧之原市にある茶農園の名前でもあり、茶農園のお茶を味わってもらうために喫茶店も作られたのだそう。カネ十農園では、農園で採れた緑茶やアレンジティーを味わうことができます。

なかでもアルコールメニューのティーカクテルは、お茶にお酒を合わせた斬新なメニューです。煎茶を黒糖焼酎で割ったお茶割りや甘いカクテルが勢ぞろいしていて、どれもここでしか味わえない驚きのメニューばかり。

それだけでなく、スイーツメニューも豊富です。9月から1月頃までの期間限定メニューのモンブランは、ほうじ茶とクリを使用したクリームがたっぷり。ほうじ茶の香ばしさとクリの甘さが絶妙です。

そして、クリームの中にはスポンジではなくクリームチーズ味のプリンが入っています。そのためスポンジよりもさっぱりとしていて、食べやすい味わい。甘すぎないモンブランは、ほんのり甘い緑茶にぴったりです。

5. 西荻窪「喫茶去一芯二葉」

最後に紹介するのは、JR西荻窪駅より徒歩3分の「喫茶去一芯二葉」(杉並区西荻北)。こちらのお店は、マンションの路地裏の一角という見つけにくい場所にあります。そのひっそりとした静けさが、落ち着くにはぴったりの場所です。

喫茶去一芯二葉はお茶専門の喫茶店。なぜお茶専門なのかというと、オーナー夫婦が好きなお茶専門店がどんどん閉店してしまい、代わりに自分たちが通いたくなるお店をつくろう、と思ったのがきっかけだそうです。

お茶メニューは種類が豊富で、その数はなんと50種類以上。紅茶や台湾茶を中心とした豊富すぎるラインナップは、思わず目移りしてしまいます。定番のダージリンは2種類あり、仕入れた農園によって味わいが異なります。お茶の淹れ方が分からなくても、店主が直接教えてくれるため安心です。

また、紅茶によく合うスイーツや軽食も用意されています。スコーンは無農薬にこだわった材料を使用。しょっぱいパウンドケーキのような「ケークサレ」は、ユズコショウが効いている和風テイストで、どちらもお茶にピッタリです。

喫茶店でお茶を頼むという選択肢

今回は、筆者が訪れたことのある東京都内の「お茶を売りにしている喫茶店」を紹介しました。

お茶には緑茶や紅茶、ウーロン茶や台湾茶など種類も豊富です。その種類ごとに淹れ方や抽出時間を工夫し、丁寧に淹れたお茶はまさに職人の味。

なかには聞き慣れない種類もありますが、そういったお茶を頼むのもまた新たな味わいの扉を開けるでしょう。普段はコーヒーをたしなむ人も、お茶にこだわった喫茶店でお茶やスイーツを味わってみませんか。

清水華那(喫茶店散策家)

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