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ダンス界・夏の女子会vs男子会!?平山素子振付『ファム・ファタール』&コンドルズ『Tomorrow Never Knows』

  • 2015.7.29
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スポーツ界では"レジェンド"や"キング"が、女子(?)界では"美魔女"が元気だが、ダンス界だって負けちゃいない。昔だったらオジサン、オバサン、と呼ばれたであろう世代が、パワフルに活躍、"やさしすぎる"若者たちに背中で情熱のパンチを食らわせている。

学ラン姿のパフォーマンス集団として活動を開始して、19年目を迎えるコンドルズ。いつの間にか春と夏の全国ツアーが定例化し、ファンも今やおじいちゃん・おばあちゃん世代からその孫世代まで、3世代に渡る。主宰の近藤良平は「放課後、遊び仲間が集まって"野球やろうぜ"、みたいな感じで同世代の仲間とスタートし、後から次々と若い世代が加わりいつの間にか20歳以上も年齢差のある縦社会の集団に成長しているけれど、人を喜ばせるために自然と集まってきた連中が、それぞれに面白いと思うことを考え、持ち寄って舞台を創っていく、というスタイルは変わらないね」と、今のコンドルズを語る。ちなみにコンドルズにオーディションは無い。"やりたいこと"を持ってきた人が、いつの間にか自然な形で参画している、それがコンドルズ・スタイルだ。

■ "人を喜ばせたい"という情熱を持った、男子(?)集団・コンドルズ

コント、音楽、ダンス、人形劇、映像......さまざまな表現を用いて展開される舞台は飽きることなく観客を惹きつけ、考え込む余地もなく笑いの渦に巻き込む。自らを"器用貧乏"と表現する近藤良平の人となりそのままの、多彩で多才なスキルが舞台上で交差して、そこから不思議なエネルギーが湧き上がる。客席で思い切り笑って、拍手した後は、なんだかエネルギーで満たされた気分になるから、不思議だ。

年齢は20歳以上も年齢差のある縦長なオンリー男子の集団。しかし全員学ラン姿、ということもあるからだとは思うけれど、パワフルなダンスやアクションを若者組も壮年組も同じエネルギーで魅せてくれるのも気持ちいい。

「若手が加わることによって、ともするとさぼりがち(笑)になる僕たちオッサン世代もいろんな意味で刺激されているんですよ」(近藤)。

近藤良平自身はもちろん、スタート当初からのメンバー、小林顕作や藤田善宏らが近年、ソロ活動でも注目されているのがその良い例。

「とはいえ、築40年を超えた身体だから、しんどいことはしんどいんだよね。本番後の疲労感がすごくて、ホントにリペアが大切になってきた。ダンサーとしてバレエやったりとか専門的なトレーニングやっているわけじゃないけど、毎日ストレッチくらいはして、身体を維持するようにはしていますね」(近藤)。

なんと。ダンススタジオやワークショップで講師として教える日もあるが、それとストレッチだけで、舞台で高い身体パフォーマンス性を見せているのだと思うと、逆にこちらがびっくり。近藤良平はその点で特に抜きんでていると思うけれど、他のメンバーにしても本当に器用な人たちの集まりなんだな、だからリラックスして自然に引き込まれてしまうのだな、と納得。

近藤良平/photo:HARU

■ コンドルズのエネルギーを浴びて、2015年後半もイキイキと!

今夏のツアータイトルは『Tomorrow Never Knows』、つまり"明日のことなどわからない"。

「タイトルは、ビートルズの名曲からもらったんだよね。......意味はさておき、曲と、言葉の響きが好きだから。子供の頃から何度となく聴いている好きな音楽だから、かなり感化されてる。それを大人になった今、別の形に広げて行くのが楽しいんだよね。それに、時代により言葉の聞こえ方も違うし」(近藤)。

若いころは、明日がわからないことが最高に楽しかった。
「誰にだって夢があったと思うから」
では、大人になったら夢がないのかと言ったらそういうわけではないが、ひとりひとりの時間の積み重ね方で、言葉の響きはさまざまに変化するものだろう。でも、
「きっとコンドルズとしては楽しくやってしまう(見せてしまう)んだろうな」(近藤)。
そうですね、そうに違いない!!

一方で、大学やスタジオで教えていると"今どきの若者の行動"に、びっくりすることもある。とくに男子が、おとなしいというかやさしすぎるというか......。

「コンクリートで塗り固められた社会同様、彼らが一方的にダメなわけじゃない。先輩である僕らの世代が"今どきの若者は......"なんて言ってしまったらますますつまらない方向へ向かって行くと思うんだよね。僕たちは、もし会社員だったとしたら管理職になっている年代。肩書はないけれど、引っ張っていく世代としての心持ち、責任感が問われるんじゃないかな。背中を見せなくちゃいけないと思うんだ」(近藤)。

背中、それはすなわちやりたいことに正直に、誠実に向かっている姿のことだ。

「ここ数年、演出や振付の仕事を依頼されることも多くなったけど、そういう仕事が続くと無性に動きたくなっちゃう。身体的には大変なんだけど、やっぱり踊っているのが楽しいんだよね」(近藤)。

集大成、とは言わないまでも、コンドルズの魅力満載な展開になりそうな本公演。ぜひそのエネルギーを浴びて、残りの2015年の活力にしたい。


■ 女子会、ならぬ"女性会"、平山素子・加賀谷香・原田薫の『ファム・ファタール』

左から:加賀谷香、平山素子、原田薫

その近藤良平の"気になる公演"が『ファム・ファタール』だ。8月20日〜23日の東京グローブ座での『Tomorrow Never Knows』が終わってすぐ、28日〜30日にアサヒ・アートスクエアで開催される。

「ものすごく女子に対して影響力の強い3人が、ファム・ファタール(運命の女)ってのが面白いよね。それぞれに牽引力のある"生き方見本"みたいなダンス界のスターが、並んでパフォーマンスに臨むんだから」(近藤)。

ちなみに、近藤良平とこの3人は同世代。

この公演を企画し、演出・振付を手掛ける平山素子は言う。「どこにもない女子、いや"女性"会だと思っています。同世代の男性ダンサーたちも衰えを知ることなく頑張っている。そして、年齢を重ねて衰えるどころかさらに魅力を増し、舞台に立ち、作品を創り踊り続ける加賀谷さんや原田さんがいる。お互いどこまで行っちゃうんだろう、って感心しちゃいますよね」

作品タイトルとメンバーは、ほぼ同時に、直感的に頭に浮かんだのだという。

「それぞれに全く異なる個性を持ちながら、じわっとした吸引力で多くの人を引き付ける力のある二人と一緒にひとつの作品を踊ることで、自分の中にどんな反応が起こるのか見てみたい、と思いました。自ら自分の可能性を引き出すのは難しいけれど、然るべき人たち得られる反応は、創作の泉になるのではないか、と。筋書をかっちり決めず、いろんなインスピレーションの"ピース"を創り、ふたりの反応や身体の動きを見ながら、振付を膨らませたり削ったり、試行錯誤しながら作品創りを進めています」(平山)

振付を行う時はふだんから、筋書や枠組みはあえてかっちり決めない、という平山素子のこの進め方は、参加する二人にとっては少し意外だったようでもある。

平山素子/photo:白鳥太郎

■ 大人同士だから、思いっきり自由に作品創りを楽しめる

「素子さんの振付はストイックなイメージもあったから、もっとパンパン、いろんなことを言われると思っていた」(原田)
「シビアな展開を予想していたのに、それが意外に明るい、というか元気、というか、本当に"えーっ"ていう感じ。素子さんの進め方は"エネルギッシュが止まらない"って感じなんです」(加賀谷)

口々に意外にラフなリハーサルの進め方が意外だという二人。それに対して平山は、「私にも、最後の最後まで全体像は見えてこないのだと思います。その辺の"一体この先どうなるんだろうね"、ってあたりも含めて創作を楽しみたい。こうします、だからこうなります、という予定調和から外れて起きたことに対して自分が反射・反応を起こして返すことが今の私にとってのクリエイション。その先にはどんな世界が広がるのか、創り手にすらわからないミステリアスな道をかき分けるように進み、最後の扉がすーっと開いた瞬間が、観客にとっても私たちにとっても特別な瞬間、サプライズになったらいいな、と思っています」(平山)。

3人の中で一番やんちゃに見える原田薫が、自分はかっちりストーリーや構成を考えてから振付を渡すタイプだ、というのも意外だった。

「私にとってこういう進め方はとても新鮮ですね。平山さんの反応を見ながら、自分が培ってきたものをどこまで出せるのか、それを楽しみながら探っている最中です」(原田)。
「何というか、大人のリハーサルなんですよね。私自身、若い人たちに振付をする時はいつも"何かを提供しなくては"という責任感のようなものにとらわれてしまうことがあるのですが、それぞれが確立した世界を持っているこうした関係の中では余計なことは考えず踊ること、作品に集中できます」(加賀谷)

原田薫

加賀谷香

■ 私たちの"疾走感"を、肌で感じてほしい

まだまだ経験の浅い若い人を相手に作品作りを進めるときは、相手をへこませることなど無いよう、顔色を窺い、気を使うこともあるという。相手の顔色を窺うことなく創作に集中できるのは、振付をする側・踊る側、双方にとってストレスフリーで心地よい。

「同じ振付を3人で表現するわけですが、当然、それぞれの個性がにじみ出てきます。その面白さをぜひ目撃してほしい。立ち止まることのない、この姉さんたちを見てほしい」(平山)。
「私たちは、少しずつ姿は変わっていくかもしれないけれど、走り続けて行く。それだけです」(加賀谷)

パワフルに疾走する3人を表現したリーフレットの写真には、そうした"終わることのない疾走感"をメッセージとして込めている。
この3人の"ファム・ファタール"には、大事件の匂いが隠されている予感だ。

コンドルズ『Tomorrow Never Knows』
会場:東京グローブ座
日程:8月20日(木)19:30、21日(金)19:30、22日(土)14:00/18:00、23日(日)17:00
料金:〈一般〉前売り¥4,500 当日¥5,000、〈大学生〉前売り¥3,500 当日¥4,000、〈高校生以下〉前売り¥2,500 当日¥3,000
●問い合わせ
ROCKSTAR 有限会社コンドルズ
Tel.03-5272-0991
http://www.condors.jp

日本縦断新世界ツアー2015スケジュール
福岡 8月29〜30日(イズムホール)
大阪 9月5〜6日(ナレッジシアター)
広島 9月24日(アステールプラザ)
愛媛 9月26日(松山市民会館中ホール)
北海道 10月3日(斜里町公民館ゆめホール知床)


平山素子演出・振付、出演/加賀谷香、原田薫、平山素子『ファム・ファタール』
会場:アサヒ・アートスクエア
日程:8月28日(金)19:30 、8月29日(土)①15:00 ②19:30、8月30日(日)15:00
料金:〈一般〉前売¥4,500 当日¥5,000、〈学生〉¥2,500(前売りのみ)
出演:平山素子、加賀谷香、原田薫
●問い合わせ
アルファルファ
info@alfalfalfa.net/Tel. 070-6443-8151(受付時間 13:00〜18:00)
http://alfalfalfa.net/