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シカコスメの「CICA」の正体は、「ツボクサエキス」!世界中で愛される理由がありました!

  • 2021.11.19
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話題のシカコスメってどんな化粧品? 本当に効果はあるの??

シカクリームをはじめとする、シカエッセンスやシカマスクなど、「シカ〇〇」という名前で最近注目を集めている、いわゆる『シカコスメ』。
耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
シカといっても、もちろん「歯科」でも「鹿」でもありません。
『CICA』という言葉を表しています。
『CICA』っていったい何を指し、『シカコスメ』とはどのようなコスメなのでしょうか。
今回は、今大流行のシカコスメについてお話しします。
『CICA』ってなんのこと??
『CICA』は、ツボクサの学名であるCentella asiaticaが由来となっているそうです。
日本の化粧品表示名称では『ツボクサエキス』となります。
ツボクサは漢字では坪草と書き、坪=庭に生える身近な植物を意味していると考えられています。
ツボクサはセリ科の植物で、日本でも関東以西では、道端や野原などで普通にみられる植物。
『CICA』として人気を集めているのは、雑草と呼ばれるような意外と身近な植物なのです。
タイでは、フレッシュジュースにしたり、サラダにしたりして、食材としても利用されているそう。
また、インドのアーユルヴェーダでは、「若返りのハーブ」とされ、病気の治療や脳の強壮剤として使用されていますし、欧米のハーブでもハーブティーやスキンケアなどに用いられています。
漢方でも積雪草として解毒・止血・利尿薬などに利用されています。
ツボクサは、世界中で古来より利用されている薬草のひとつであるといえます。
ツボクサにはアジアチコシド、マデカソシド、アジア酸、マデカシン酸などの成分が含まれており、抗酸化作用・抗炎症作用や創傷治癒作用などが報告されています。

実際の美容効果は?

では、ツボクサエキスにはどのような美容効果が報告されているのでしょうか?
1.保湿効果および抗炎症効果
ツボクサエキスを配合した化粧水や美容液を18歳から55歳までの健康な被験者が4週間使用した結果、肌の水分量が増え、炎症が抑えられているとの報告があります(出典:Indian J Pharm Sci. 2016 Jan-Feb; 78(1): 27–33.)
2.Ⅰ型コラーゲン産生促進効果
ツボクサエキスにも含まれる、アジア酸、マデカシン酸、アジアチコシドには、細胞を用いた試験においてⅠ型コラーゲンの産生促進効果が確認されています(出典:Planta Med 1994; 60(2):133-135)
Ⅰ型コラーゲンは真皮を構成するコラーゲン繊維の主成分です。
加齢によって減少することが報告されており、減少により皮膚のしなやかさや柔軟性が失われることが分かっています。
保湿効果に抗炎症効果が報告されているので、コロナ禍でマスクによる肌あれを気にする方が多い今、流行するのもうなづけますね。
また、エイジングケアが期待できるのもポイントです。

肌あれケアアイテムはCICAだけじゃない! 日本には薬用化粧品もありますよ~

肌あれの予防に効果があるコスメといえば、日本には一般化粧品とは異なる薬用化粧品(医薬部外品)があります。
医薬部外品は、医薬品と化粧品の中間に分類されるもので、厚生労働省が許可した効果・効能に有効な成分が配合されていますが、化粧品同様『人体への作用は緩和』という特徴があります。
医薬部外品として承認された化粧品は「薬用化粧品」のほかにも「薬用コスメ」「Medicated Cosmetics」などと呼ばれており、一般的には化粧品とほぼ同一視されていることが多いかもしれませんが、両者は薬機法により区別されています。
医薬部外品は、化粧品としての機能のほかに、有効成分による効能効果が期待できなければならないのです。
有効成分には、効果が期待できる配合量も定められていますので、安心ですね。
皆さんご存知の、美白コスメやしわを改善するコスメなども医薬部外品に該当します。
マスク使用による肌あれに悩まれる方も多いかと思います。
グリチルリチン酸の誘導体であるグリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸カジリウム)やグリチルリチン酸ステアリル、アラントイン、美白化粧品にも使用されるトラネキサム酸などは、肌あれを防ぐ効果を持つ成分です。
医薬部外品は、箱の裏面などに表示されている全成分を確認したときに、例えばグリチルリチン酸ジカリウムが有効成分の化粧水をイメージすると、
有効成分:グリチルリチン酸2K
その他の成分:精製水、グリセリン、△△、〇〇〇・・・」
といった表記になるため、確認も簡単。
肌あれが気になる方は、医薬部外品も検討してみてはいかがでしょうか?

塗るだけじゃない! 食べたり飲んだりしても◎

ツボクサはタイでは食材として利用されている先ほどもお話ししましたが、ツボクサはハーブ(gotu kolaと呼ばれています)として食したり、お茶にしたりして食用としても長く利用されている植物です。
ツボクサは、神経や脳に対するさまざまな効果が研究されています。
33人の成人男女を対象とした試験では、1,000mgのツボクサ抽出物を2か月摂取したグループは、摂取していないグループに比較して、不安感や精神的倦怠感が軽減されたことが報告されました(出典:Nepal Med Coll J. 2010 Mar;12(1):8-11.)。
また、高齢者28人を対象に250~750mgのツボクサ抽出物を摂取した試験では、750mgを摂取した群は摂取していない群と比較して、認知機能や気分が改善することが確認されています(出典:J Ethnopharmacol. 2008 Mar 5;116(2):325-32.)。
ツボクサはストレスや精神的な疲労を感じたときにおすすめのハーブのひとつです。
サプリメントやハーブティーとして販売されていますので、ストレスが気になる方は試してみてもよいかもしれませんね。

最近人気の『CICA』。
古くから世界中で使われてきたツボクサという植物が由来で、コスメとしてだけでなく、食用としてもさまざまな効果が期待される植物。
肌あれが気になるときはコスメで、ストレスを感じた時はハーブティーで。
自分に合った方法で使用してみてくださいね。

[文:キレイ研究室研究員 船木(化粧品メーカー研究員・サプリメントアドバイザー・健康管理士一般指導員・健康管理能力検定1級)]

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