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【EXITりんたろー。】脳の形も変わる?ハリウッドセレブも実践する瞑想法「マインドフルネス」を学ぶ【連載54回】

  • 2021.11.17
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りんたろー。さん(以下、敬称略)「眠れないときは448呼吸でリラックス、本番直前には555呼吸で全集中できて爆笑をとれるんですよね。(連載52回目参照)今まで深呼吸しか知らなかったから、呼吸のポテンシャルに驚きました!」

根来先生(以下、敬称略)「そうなんです。アメリカでは日本よりももっと多くの人が呼吸法を意識しています。特に成功している経営者やハリウッドセレブは呼吸法に注目している人が多いですね」

りんたろー。「経営者が!? どうしてですか?」

りんたろー。

根来「アメリカは病気になると医療費が高いので、病気にならないための健康意識が高いんですね。また経営者の場合、太っていると自己管理ができない人物というマイナスの印象を与えてしまいます。そのため、ストレスによって生じる食欲を抑えたり、健康な体を維持したり、自己管理のために呼吸法や瞑想法を取り入れている人が多いんです」

りんたろー。「成功している人は努力をしているんですね」

根来「りんたろー。さんは、マインドフルネスって聞いたことがありますか?」

りんたろー。「マインドフルネス? はじめて聞きました」

根来「これは瞑想法のひとつで、呼吸をしながら心を落ち着かせて雑念を取り払う方法です」

りんたろー。「副交感神経を高める448呼吸みたいなものですか?」

根来「それとは少し違います。呼吸に合わせて雑念を払うテクニックを加えた瞑想法のひとつ。『google』など大手の企業が取り入れて、世界中で話題になりました。ハリウッドセレブや成功している経営者にも人気が高いんですよ」

りんたろー。「ハリウッドセレブや成功者がみんなやっているとか聞くと、ちょっと胡散臭いにおいもしちゃうかも!?」

根来「(笑)。確かに少し胡散臭い感じがしますね。でも、マインドフルネスを数ヵ月行ったところMRIの検査で脳の形が良い方向に変わったという研究や、記憶力や想像力も上がったというエビデンスがあるんです」

りんたろー。「ええええ! 脳の形まで変わるんですか? それはすごい!」

りんたろー。

雑念との闘い。マインドフルネス、いざ実践!

根来「では解説しながら、ちょっとやってみましょう。軽く目を閉じて、ゆったりと呼吸をします。鼻からが苦しければ、口からでもいいですよ」

りんたろー。「僕は鼻が苦しいので、口からお願いします」

根来「では、口から息を吐くことと、息を吸うことだけに集中してください」

りんたろー。「何秒で吐いて、何秒で吸えばいいですか?」

りんたろー。

根来「時間は気にしなくて大丈夫。今、冷たい空気がりんたろー。さんの口から入ってきたのを感じてください。そして、次に温かい空気が口から出ていくのを感じます。息を吸う、吐く、息の通り道だけに集中して呼吸を続けます」

りんたろー。「スーハー、スーハー」

根来「すると雑念がわいてきませんか? 今日はこの後、何しようとか、明日の仕事は何だろうとか、次から次へと雑念がわいてくると思います」

りんたろー。(激しくうなづく)

りんたろー。

根来「そんな雑念が出てきたら、それを袋に入れて捨てるようにイメージしてください。そしてまた息の通り道だけに意識を戻します。呼吸に意識が向けづらければ、イスに座っているお尻の感触だけに意識を向けましょう。頭に浮かんでくる雑念を捨てて、今の自分に意識をもっていくのがマインドフルネス。これを3~5分間続けると、考えごとでフル稼働している脳のアイドリングが止まります」

りんたろー。「1~2分しか経っていないのに、いくつも雑念がわいてきて捨てるの大変!」

りんたろー。

根来「そうなんです。普段、何もしていなくても、私たちの頭の中には、今日の後悔や明日への不安がぐるぐると回っています。実はそれが自律神経に悪影響を及ぼしているんです。ネガティブな後悔や不安はいくら考えても結論が出るわけではないですし、むしろそれが心配で眠れなくなる場合もあります。そんな考えすぎる頭を休ませる時間をつくるのがマインドフルネス。寝る前にマインドフルネスを取り入れると、短期記憶が増強するという検証結果もあります」

りんたろー。「記憶力もよくなるんですね!」

根来「慣れるまでは少し難しいので、まずは448呼吸が上手にできるようになったら寝る前にマインドフルネスを取り入れてみてください」

りんたろー。

りんたろー。の存在で、自律神経が整う!?

りんたろー。「呼吸法はどれくらい続ければ、僕の自律神経は人並みになりますか?」

根来「毎日少しずつでもいいので、だいたい2週間から1ヵ月続けると数値が改善してくると思います。でも自律神経を整えるには、実はりんたろー。さんが毎日やっていらっしゃることがすごくいいんです」

りんたろー。「毎日やってること? スキンケア?」

りんたろー。

根来「スキンケアもよさそうですが、私の研究でわかっているのはお笑いです」

りんたろー。「お笑いですか?」

根来「自律神経のバランスやパワーを測るセンサーを用いて実験したところ、笑うことで交感神経が優位な人の場合は副交感神経が上がり、副交感神経が優位な場合は交感神経が上がりました。つまり、お笑いは自律神経のバランスを整えるのにとても役立っているんです」

りんたろー。「お笑い、すごいじゃないですか!」

根来秀行先生

根来「りんたろー。さんは、笑いでみなさんの自律神経を整える大役を果たしていらっしゃるわけです。りんたろー。さんはお笑いをクリエイトされていらっしゃる立場ですが、ご自身が単純に楽しめるお笑いはありますか?」

りんたろー。「今はお笑いを見ても、どうしても仕事モードになってしまいます」

根来「つい仕事のほうに思考が集中してしまうんですね」

編集部「でも番組を見ていると、りんたろー。さんはいつも誰よりも笑っているイメージがあります」

りんたろー。「自分がすべったときに笑ってもらえるとなごむじゃないですか。だから自分もいつでも笑おうと意識して笑っているかもしれないですね」

根来「なるほど。今日も初めてお会いしたのにとてもお話ししやすいので、気を使われる方なんだなと思いました」

りんたろー。「今は全然気を使っていないです(笑)。むしろ呼吸法でめちゃくちゃリラックスしています」

「つくり笑い」でも自律神経に好影響が!

根来「気を使うのは自律神経にはあまりよくないんですが、つくり笑いでもハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンが出て、自律神経にいい影響があります。だから、りんたろー。さんの番組での対応は、自律神経にはとてもいいんです」

りんたろー。「つくり笑いでもハッピーになれるなんて、笑いのパワーは無限大ですね。ところで先生、お笑いでウケたときって脳内に何か特別な物質が出るような気がするんですけど。これは何ですか?」

りんたろー。

根来「それは快楽ホルモンと呼ばれるドーパミンなど報酬系のホルモンが出ているせいですね」

りんたろー。「じゃあ交感神経が上がっちゃうんですか?」

根来「そういうときに上がる交感神経はいい方向に働きます。交感神経は絶対に上げないほうがいいというわけではないんです。自律神経を自動車に例えるなら、交感神経がアクセルで、副交感神経がブレーキ。自動車の運転と同じで、アクセルを踏んでばかりだと事故につながります。アクセルを踏んだら、ブレーキも踏まなきゃいけない。ドーパミンを出して笑いをとって交感神経が上がったら、帰りに448呼吸をして副交感神経を高めればバランスがとれます」

りんたろー。「呼吸法をうまく取り入れればいいんですね」

根来「アスリートや芸能界で長く活躍されている方々の自律神経を測定させていただくと、交感神経と副交感神経のバランスが整っていて、パワーが高い人が多いですね。りんたろー。さんもこれを機に呼吸法を活用してぜひ自律神経のコントロール法を覚えてください」

りんたろー。「がんばります!」

【今日の一句】
改めて 知った笑いの 底力

りんたろー。

さぁて、来週のりんたろー。さんは?

自律神経のコントロール法をマスターし、息の長い国民的芸人を目指し、その第一歩を歩み出したりんたろー。さん。とはいえ、忙しさゆえ生活は不規則になりがち。そんなりんたろー。さんの悪しき習慣を洗い出し、自律神経にいい生活習慣を学びます。お楽しみに!

次週、「りんたろー。やめること、やめ(られ)ないこと」

【プロフィール】
りんたろー。
1986年生まれ。2008年4月、東京NSCに14期生として入学。2017年末に兼近大樹を誘い、お笑いコンビ「EXIT」を結成。ネオ渋谷系チャラ男漫才と称するしゃべくり漫才のツッコミを担当。ネタ作りも担う。
【Twitter】@rinnxofficial
【Instagram】@Rin_the_Sky
【note】https://note.com/rin_official
【YouTube】EXIT Charannel
【TikTok】@exit_official
【りんたろー。個人YouTube】EXITりんたろー。のYouTubeチャンネル

根来秀行
医師、医学博士。ハーバード大学医学部客員教授、ソルボンヌ大学客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床・研究・医学教育の分野で国際的に活躍中。著書は「病まないための細胞呼吸レッスン』(集英社)、『新しい免疫力の教科書』(朝日新聞出版)、『ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の超呼吸法』(KADOKAWA)など多数。

撮影/目黒智子 ヘア&メイク/小松胡桃(ROI) 取材・文/山本美和

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