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「祈るしかないなんて」妊娠6カ月、おなかの赤ちゃんの内臓に異常があると指摘され…

  • 2021.11.12
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息子は出生前、超音波検査で内臓逆位の可能性を指摘されており、肺が正常に機能してちゃんと呼吸ができるかどうかは、生まれてみなければわからないと宣告されていました。不安な気持ちを抱えながら出産に臨んだ2人目妊娠期の体験をご紹介します。

超音波検査の結果で目の前が真っ暗に

初めて息子の体の機能に異常があるかもしれないと指摘を受けたのは、妊娠6カ月の1回目の超音波検査のときでした。この検査で性別が判明するため、わくわくしながら検査を受けた私。

ところが結果を聞くために診察室に入った私を待っていたのは、医師の深刻そうな表情と衝撃の検査結果でした。「通常は左寄りにあるはずの心臓が、右にあるように見えるため、詳しい検査が必要」とのこと。思いもよらない報告に目の前が真っ暗になりました。

祈るしかない! 神棚に手を合わせる毎日

医師の話によると、稀に内臓が通常の位置と反転している人がいて(内臓逆位と言う)、すべての臓器が反転している場合には何も問題なく正常に機能する可能性が高いが、心臓だけ位置が違っていると、心臓の内部構造にも異常が出るケースが多いとのことでした。


そして始まった、2週に1度、超音波検査のために通院する日々。妊娠にはさまざまなトラブルの可能性が誰にでもあることはわかっていましたが、まさか自分の赤ちゃんがこんなことになるとは……。私は毎日神棚に向かい、赤ちゃんが無事であるよう手を合わせて祈りました。

難航する検査の末に見えた光

検査では私を取り囲むようにして、産婦人科医、小児科医、助産師、超音波技師と、毎回4、5人の専門家が同席し、30分~1時間ほどかけておなかの赤ちゃんの様子を観察しました。しかし、胎内にいる赤ちゃんの心臓を診る作業なので、なかなか容易にはいきません。まだ赤ちゃんが小さい妊娠7カ月くらいまでは、検査を受けても「よくわからないのでまた次回に」という結果ばかり。

妊娠8カ月ころになって赤ちゃんが大きくなってきた時点で、ようやく「心臓が右にあるわけではなく、通常より心臓の向きが右に傾いているよう。内部構造には異常がないように見受けられる」と少し安心できる言葉をいただきました。

万全の体制を整え、出産に臨む

理論的には問題ないはずとはいえ、心臓の向きに傾きがあるのは事実で、この傾きにより、心臓から肺につながる血管が一部急カーブするような状態になっているとのこと。心臓と肺がうまく機能するかどうかは生まれてみなければわからないので、出産時に問題があれば速やかに万全の体制のある他病院に赤ちゃんを移送する準備を整えてもらいました。

私が通院していた病院は、NICUも備わっていて周辺の病院からの受け入れもしている、それなりの大きさと歴史のある産院でした。しかし、私の赤ちゃんのように心臓に傾きがみられるケースは非常に稀で、医師や看護師さんたちもあまり経験のない事例だったようです。

出産後息子はすぐに検査を受け、結果は異常なし。その後は何も問題なく元気に成長しています。育児が大変な毎日のなかで、さまざまなことを子どもに求めてしまいがちですが、息子のことが心配で枕を濡らした日々を思い出すと、本当にありがたく幸せなことだと原点に立ち返ります。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

監修/助産師REIKO


著者:澤崎 凪

1男1女の母。パーソナルカラーコーディネーターの資格を持ち、色彩関係、ファッション関係のほか、自身の体験をもとにした子育て関係のジャンルを中心にライターとして活動中。

ベビーカレンダー編集部

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