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あっという間にできて、子どもも大好きな味。京都府・衣笠丼【おうちでカンタン!郷土ごはん・8】

  • 2021.11.12
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子育て中は台所仕事がままならないことって、たくさんありますよね。おいしくて栄養のあるものを食べさせてあげたいけれど、とにかく料理する時間がない! レパートリーもマンネリ化! そんなときのお助けメニューにできる“郷土料理”を、さまざまな地域で育ったママたちに教えていただきました。

あまじょっぱ! ふわふわ卵が決め手 京都府・衣笠丼

阪神淡路大震災のあと、神戸から京都勤務に異動になったという石井かおりさんから届いたレシピ。異動後に初めて出会ったというこの衣笠丼は、京都のうどん屋さんではスタンダードなメニューなのだそう。 「急に異動になった京都でしたが、お昼ごはんどきになると、いろんな方がおいしいお店に連れていってくれました。なかでも衣笠丼はメニュー名を見ても何だかわからず、同僚に“いいから食べてみて”と言われて注文した思い出があります」

今回、郷土ごはんを紹介してくれたのは…… 石井かおりさん いしいかおり/小規模作業所支援員。兵庫県伊丹市出身。カフェやレストランで働いた経験を生かし、小規模作業所にて給食づくりも担っている。漢方養生の料理教室も自宅で開催(コロナ禍により現在お休み中)し、料理が大好き。

九条ネギをたっぷりと入れるのが京都らしさ

衣笠丼は、関西では「薄揚げ」と呼ばれる油揚げと九条ネギを卵で閉じたもので、京都にある衣笠山に由来しているのだとか。大阪ではきつね丼とも呼ばれるそうですが、衣笠丼といえば京都のローカルごはんなのです。 「粉山椒をかけていただくと、またとってもおいしいんですよ。ネギはどんなネギで構いませんが、手に入るなら京都らしく九条ネギで作ることをおすすめしたいです。ごはんじゃなくうどんにかけたり、鶏肉や豚肉を入れてボリューミーにしても」

大阪では知らなかった味が京都に

神戸のカフェで働いていた石井さんが京都に異動になったのは、阪神大震災の後。ひとり暮らしをしていた家のライフラインが全滅し、伊丹の実家に戻って京都に通勤するようになったそうです。 「京都で食べたものには、どれにも思い出があります。もともと大学は京都に行っていたので、当時から京都が好きでした。この衣笠丼がおいしいうどん屋さんでは、刻んだ薄揚げと九条ネギがたっぷり入ったカレーうどんもあって、とても人気があるメニューでしたよ。衣笠丼は家族にも作るのですが、とにかく急いでいるときのお昼ごはんにぴったり! あっという間にできて、子どもが大好きな味なので、パパっと作って食べられます。仕事場で賄いを作るときにも作って、好評でした」

お寿司屋さんやたこ焼き屋さんなど、子どもたちと一緒に料理を楽しむことの多い石井さん宅。
料理教室をひらくほどの腕前の石井さん。食卓が賑やかなのが羨ましい。

ほかほかのごはんにのせて 衣笠丼の作り方

材料(2人分)油揚げ(薄揚げ)……2枚 たまご……2個 九条ネギ……適量 水……100〜120cc 塩……2つまみ 濃口醤油……大さじ2 酒……大さじ2 みりん……大さじ2 砂糖……大さじ1/2〜1 かつおぶし……2つかみ ごはん……2膳

作り方

1. 油揚げをキッチンペーパーで包み、電子レンジ(600w)で30秒加熱し油抜きをする。

2. 鍋に調味料を入れて沸騰させ、千切りにした油揚げとかつおぶし、小口切りにしたネギを入れて煮る。

3. しっかり沸騰したら、溶きたまごを入れてとじる。

ぐつぐつしているところにたまごを流すのがポイント。たまごを入れたらあまり触らず、固まってきたなと思ったらすぐに火を止めて余熱で火入れすると、ふわっふわのたまごになります。
ヒトクチメモ

たまごとネギ、油揚げという常備しやすいものだけでできるのが嬉しいところ。おだしをとらなくても、かつおぶしがしっかり深い味を出してくれますよ。子どもも大人も大好きな味なので、ネギが苦手な子も食べやすそうですよね。お肉を入れてもいいですが、あえて油揚げのおいしさを感じるのもいいかも。盛りつけるときはなるべく形を壊さないようフライ返しなどですくってごはんにのせると、たまごがきれいによそえますよ。

簡単でおいしいだけでなく、たんぱく質がしっかり摂れる衣笠丼は、育ち盛りの子どもたちにぴったりのレシピですよね。紅葉がきれいな京都に思いを馳せながらいただきたいものです。

吉川愛歩 よしかわあゆみ/食のライター・料理家 13歳と5歳の母。暮らしと食のコンテンツ制作に携わり、執筆と料理の仕事をしている。『メスティンBOOK』(山と渓谷社)や『キャンプでしたい100のこと』(西東社)などのレシピ監修も行っている。 Instagram : @yoshikawaayumi

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