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東京で“循環型”生活を実践する。蔵前élabで見つける、新しい選択肢

  • 2021.11.11
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蔵前にオープンした「élab」は、持続可能な未来を日常の暮らしから生み出すことを目的とした、サーキュラーエコノミーの実践拠点。循環型経済、というとスケールが大きく難しく感じるかもしれないが、そのカギとなるのは私たちのちょっとした選択だ。élabを訪れて、毎日に新しい選択肢を増やそう。

暮らしのなかで“サーキュラーエコノミー”を考える

環境先進国が集まるEUで2015年ごろから提唱された“サーキュラーエコノミー”。自然界から採掘したエネルギーや資源を消費してモノを生み出し、役目を終えれば再び自然界に廃棄するという、従来の一方通行な消費活動ではなく、持続可能な社会を実現するための“循環型経済”を意味する。

サーキュラーエコノミーの根底にあるのは「日々をどう暮らしていくか」ということ。生活に欠かせない衣食住をどのように選ぶのか、私たち一人ひとりの行動が重要になる。そのヒントをくれる場所が、蔵前駅から徒歩5分の場所にある「élab(えらぼ)」だ。店名には「えらぶ、ラボ」という意味が込められていて、生活者である私たちと専門家や企業が、これから先の持続可能な暮らしについて共に模索・研究し、実践する“協働ラボ”になっている。

élabのプロデュースを担当するチーム「野趣」。循環型社会の実現に向けた研究と実装を行う専門家集団だHarumari Inc.

都市で完結する循環型の暮らしを実践

élabでは、「キッチン」と「リビングラボ」のふたつの手法でサーキュラーエコノミーの実践を私たちに教えてくれる。

élabの「キッチン」Harumari Inc.

まず「キッチン」では、食を通じたサーキュラーエコノミーの実践が可能だ。
昼は契約農家である東京都青梅市のオーガニック農家「Ome Farm」や板橋区の「THE HASUNE FARM」から仕入れた旬の野菜を使ったランチを楽しめる。東京に暮らしながら、地産地消を意識した食事ができるというわけだ。

また平日夜はカジュアルなタコスバー、週末夜には、自然との繋がりや持続可能な循環を目指す生産者から仕入れた食材との「出会い」をテーマにしたコースディナー(ノンアルコールペアリング付き)を用意している。
さらに、店内から出た生ごみはミミズコンポストで堆肥化され、店舗ビル屋上のルーフトップガーデンにて活用される。仕入れから堆肥化まで、都市で完結する循環型の暮らしを実現しているのだ。

キッチンで使用されている食材は量り売りで購入することもできる。購入の際は、自宅から持ち込んだ容器で持ち帰る仕組みだ。
その他、薬草使が全国から収集した薬草を飲める茶房も不定期に開催。スケジュールは公式Instagramで確認を。

élabの「リビングラボ」Harumari Inc.

一方「リビングラボ」は、これからの暮らしについて、地域住民や大学、企業とともに考え、社会実装を行うための協働の場となっている。平日はélabの運営会社である株式会社fogのオフィスとして機能させながら、週末には全国から集めた自然素材を使った民芸品や植物の販売をおこなうほか、循環を切り口にした市民向けのものづくりワークショップや勉強会を開催予定だ。販売する商品は、まずは植栽からスタートさせるのだそう。

近頃何かと耳にする“持続可能な社会”というキーワードだが、私たちの毎日に新しい選択肢をもたらすものだと思うと、ちょっとわくわくする。「サーキュラーエコノミーの変革は、人から生まれる」がélabの理念。難しく考えるよりも、まずはélabを訪れてその第一歩を踏み出してみよう。おいしいご飯目当てでも、足りない食材を少しだけ買って帰るのも、大事なのはどんな場所か、だ。ちょっとだけ意識しよう。気付けば日常が、持続可能な未来へと繋がっているはず。

élab(えらぼ)
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