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宮沢りえ&寺島しのぶが初共演にしてW主演 嫉妬、欲望、愛憎を描く山崎豊子の「女系家族」がよみがえる

  • 2021.11.10
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1963年に山崎豊子によって書かれた、不朽の名作と言われる「女系家族」が、12月にテレビ朝日系にて、2夜連続の大型ドラマスペシャルとして放送される。同作は宮沢りえと寺島しのぶがW主演を務め、初共演となる2人が令和版「女系家族」を描きだす。

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同作の舞台は、大阪・船場。四代続く“女系筋”の老舗木綿問屋「矢島商店」の当主・矢島嘉蔵が亡くなり、その莫大な遺産をめぐって、総領娘・矢島藤代(寺島)を筆頭とした女三姉妹による醜くもし烈な争いが繰り広げられようとしていた。

そこで突然、当主がひた隠しにしてきた愛人・浜田文乃(宮沢)の存在が明らかになり、遺言状に「なにとぞよしなにお取り計らいを」と記されていたことから、複雑な人間模様の糸が絡まりながら物語が進んでいくことになる。

宮沢りえコメント

――山崎豊子さんの「女系家族」という作品にはどのような印象をお持ちでしたか?

山崎豊子さんが1963年にこの「女系家族」を書かれたというのを知ったとき、全く古さを感じないことに驚きました。人間の心理や情景がとても緻密に描かれているだけでなく、遺産相続という大きな渦の中に巻き込まれていく人々の姿がそれぞれに濃く描かれて、読んでいて胸が苦しくなるようでした。

今回のドラマの脚本はその原作の小説をぎゅっと凝縮したものですが、(脚本も手掛けた)鶴橋康夫監督のテイストが台本の中にもふんだんに盛り込まれており、山崎豊子さんの小説を今の時代に私たちが作品として作る、ということへのエッセンスもちりばめられていて、台本も台本でまた面白く読ませていただきました。

――鶴橋康夫監督の作品というのも宮沢さんにとっては特別な思いがありますか?

そうですね。私が10代のときから鶴橋監督は憧れの存在、スーパースターであり、今やスーパーレジェンドでいらっしゃいます。10代、20代の頃に見た監督の作品はすごくセンセーショナルでしたし、好きな作品がいっぱいあって、目に焼き付いているシーンもいっぱいあります。

――今回の現場でもそういった部分を体感されていますか?

はい。監督の「よーい、スタート!」と「カット!」は本当に体の中から絞り出すような掛け声なんです。「カット」の後も「オッケー」だけのときもあれば、「大オッケー」「大はなまる」のときもあって、監督から良い言葉がもらえると、「あ、良いシーンが撮れたんだな」とうれしくなるんです。

役者陣は鶴橋監督の“念”のようなものに突き動かされ、監督からの「大はなまる」がもらいたくて頑張っているような気がしますね。

今作は監督のことが大好きで、監督の作品に出ていることに喜びを感じる役者たちが集まった作品でしたし、そんな私たちと現場を監督は本当に愛情深く包み込んでくださっているんです。

――宮沢さんが今回演じられた浜田文乃はどんな人物だと感じましたか?

一言で表現するにはあまりにも奥が深い役ですね…。文乃は矢島嘉蔵という1人の男性を愛し、それがきっかけで遺産相続争いの大きな渦にのまれていくわけですが、矢島家という大きな力に1人で対抗していこうとする強さを持った女性だと思います。

頭の良さと生命力にもあふれていて、“人間の欲”というものを直視して分析する力がある人だな、と思いながら演じていました。

物語に大きく渦巻いているのは「遺産相続」ではあるのですが、文乃にとっては嘉蔵さんとの心のつながりが全ての原動力。物語の中ではそれほど多くは描かれない“文乃と嘉蔵さんとの関係性”を常に想像し、その関係性に満たされている人間だということを忘れないようにしながら演じようと思いました。

文乃が嘉蔵と過ごした時間、嘉蔵から受けた愛を自分の中で培養していた気がします。

――矢島家の総領娘である藤代を演じる寺島しのぶさんとは初共演ですが、いかがでしたか?

これまでにもたくさんのすてきな映画に出られていて、それらのどの作品でも毎回違った寺島さんを拝見するのが本当に楽しみでした。

矢島家という莫大な財産を持った家の長女に生まれた女性、という役を見事にご自分のものへと引き寄せていらっしゃって、佇まいだけでその背景がにじみ出るほどの存在感は、やはりすごいなと思いました。

実際ご一緒するシーンは緊迫した場面が多いので、楽しくというわけにはいかなかったですが、やはりその藤代と文乃の張り詰めたシーンというのは寺島さんと2人で引き上げていくものだなと、ご一緒していて感じました。その時間は本当に楽しかったので、次回はぜひ仲の良い役で共演したいです(笑)。

――最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

1963年に書かれた物語が、息を吹き返すかのように鶴橋監督の手でよみがえります。寺島しのぶさんとの共演も初めてで、そこも大きな見どころの1つですし、目が離せない展開が続く素晴らしい作品になると思いますので、皆さんも最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。

寺島しのぶコメント

――山崎豊子さんの「女系家族」という作品にはどのような印象をお持ちでしたか?

山崎豊子さんの書かれる小説は、どの作品も重厚感があり、これまでいろいろな作品がいろいろな方の手によって映像化されてきましたが、とにかくどれも原作が素晴らしいので、どれもすてきなものとなって世に出ていましたよね。もちろん「女系家族」もその1つであると思います。

そんな中で今回、私たち役者陣と鶴橋康夫監督で作る「女系家族」がどんなものになっていくのかをすごく楽しみにしていました。内容に関してはもう「言わずもがな」ですし、すごい内容量なのでプレッシャーではありましたが、物語の内容を深く読み込み、矢島藤代という役をどのように演じれば一番リアルなのか、それを考えることが楽しかったです。

――寺島さんが演じた矢島藤代はどのような人物だと感じましたか?

“女系筋の家”というのを私は体験したことがないので分からないですが、女系の家なりの“意地の張り合い”みたいなものや、同性同士ならではのエゴみたいなものがあるのではないかと感じたんです。きっとそれまでは姉妹仲が良くて楽しく暮らしていたのに、遺産相続問題に直面してから生まれたギスギス感や、どんどんえげつなくなっていく様などは、想像を膨らませながら演じました。

藤代という女性は、もしかしたら父親の愛情をそれほどもらえていなかったのではないかなと感じたんです。だけどもその中で“長女”“総領娘”という立場でいなくてはならず、うまいやり方も分からないまま立ち回らなくてはいけない。

もともと“総領娘”に適していない女性だから、なおさら一番、二番、三番といった序列にこだわってしまうんじゃないかと思うんです。もっと度量があったら、妹たちに遺産が配分されようが、愛人が現れようが「いいじゃない」って言えたのではないかな、と…。

うそがつけなくて真っすぐ過ぎて、あんまりうまく生きていないな、というところは藤代と私は似通っているところかもしれません。そういうところを面白く、人間臭く演じられたらいいな、と思っています。

――鶴橋康夫監督の作品というのは寺島さんにとっても特別なものですか?

鶴橋組の作品って不思議なもので、もちろん作品作りは皆さんに見ていただくためのものではあるのですが、どこかで「鶴橋監督のために」という思いでやっている部分もあるような気がするんです。監督はそれくらい人を引き付ける方。何作かご一緒させていただいていますが、毎回思いがこもった台本を読んでは「このト書きをぜひともキチンとやりたい」という気持ちになっています。

今回も鶴橋監督のカットがかかった後の「大オッケー!」「オーライ!」という声を聞くと、「もっと聞きたい」「もっと言われたい」と、さらに頑張れるんです。特別な思い入れがありますね。

――宮沢りえさんとの共演はいかがでしたか?

宮沢さんとは初共演だったのですが、よく今まで交わらずに来たな、と思いました。むしろ同年代だからこそ交わらなかったのでしょうか? そんな私たちがこの作品のこの役柄でご一緒することになったということに感慨を覚えました。

宮沢さんは間違いなく日本でトップの女優さんですので、ご一緒できて光栄でしたし、お互いにいいお芝居を引き出し合えたら、と思って臨みました。山崎豊子さんの原作に、鶴橋さんの脚本・監督、そこに私たちを加えた“総合芸術”が、どのように出来上がるのか、それが今から楽しみです。

――最後に視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

このような重厚感のあるドラマというのは、減ってきてしまっている気はするのですが、「いい作品を作ろう」という思いの下、一致団結して努力しております。決して見て損はないと思いますので、ぜひご覧いただけたらと思います。

テレビ朝日・船津浩一プロデューサーコメント

国民的作家・山崎豊子の傑作「女系家族」をこの冬に2夜連続ドラマスペシャルとしてお送りします。1963年に刊行された原作は、老舗問屋の遺産相続争いを通し、人間のエゴとエゴのぶつかり合い、渦巻く欲望と嫉妬を赤裸々に描いた大作です。

今回、舞台を現代の大阪に置きかえ、人間味あふれる登場人物たちが滑稽なまでに繰り広げる相続劇は、痛快なエンターテインメントとして楽しんでいただけると確信しています。

主役の2人を演じるのは数多くの映画賞の受賞など、まさしく名実ともに日本を代表する女優である宮沢りえさんと寺島しのぶさん。初共演となる2人による遺産をめぐる熱い女の闘いは必見と言えるでしょう。

巨匠・鶴橋康夫監督が自ら手掛けた脚本は人間の内面をえぐり出しつつ、“女系”という枠組みを乗り越えていく女性たちを描く、女性賛歌の物語ともなっています。

2夜にわたってお届けするドラマスペシャル「女系家族」。どうぞご期待ください。

「女系家族」主な登場人物

浜田文乃(はまだ・ふみの)役/宮沢りえ

「矢島商店」四代目当主・矢島嘉蔵の7年来の愛人。年齢差を超えて深く愛し合っており、嘉蔵の今際の際には枕元に駆けつけ、「あとのことは心配ない」と告げられる。遺言状に「なにとぞよしなにお取り計らいを」と記されていたことで、矢島家を騒然とさせる。

“慎ましく情の深い女”という印象を抱かれていたが、初めて本宅(矢島家)を訪れたときに、嘉蔵の子を身ごもっていることを告白。その事実が、女たちを壮絶な相続争いへと導いていく。

矢島藤代(やじま・ふじよ)役/寺島しのぶ

代々“女系の家筋”として栄えてきた、大阪・船場の老舗木綿問屋「矢島商店」の総領娘(=長女)。一度は結婚し嫁ぐも、3年で離婚。現在は矢島家に“出戻って”おり、妹の千寿からは「出戻りのごくつぶし」と陰口を叩かれている。

父・嘉蔵の死後、当主の座と遺産を巡り、2人の妹と静かな戦いが繰り広げられるものと思っていたが、愛人の文乃という思いもよらぬ伏兵が現れ、怒りと焦りを抑え切れずにいる。

「女系家族」あらすじ

大阪・船場で老舗の木綿問屋を営む矢島家。代々娘たちがのれんを守り続ける“女系筋”である「矢島商店」の四代目・嘉蔵が総額数十億円の遺産を遺して亡くなり、その遺言状が大番頭の大野宇市によって読み上げられる。

“出戻り”でもある長女で総領娘の矢島藤代(寺島)、養子となる婿を迎え、矢島家を継ぐ気でいた次女の千寿、やや世間知らずなため、叔母である芳子の後ろ盾を得ている三女の雛子らが見守る中、明かされた遺言状の中身。それは矢島家の女たちの誰も想像すらしていない内容だった。

そこには嘉蔵の愛人である浜田文乃(宮沢)の名が。そして愛人である文乃にも遺産を分配するようにと記されていたのだ。

もちろんそんな遺言に納得するはずもない藤代ら矢島家の女たち。さらには文乃が嘉蔵の子を身ごもっていることまで明らかに。藤代が懇意にする日本舞踊の師匠・梅村芳三郎、千寿の婿・良吉、そして大番頭の宇市といった、姉妹を取り巻く男たちも巻き込み、遺産相続だけではない、人間の欲望と嫉妬にまみれた激しい戦いが繰り広げられていく。

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