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シミ、白髪、薄毛の原因にも…美の大敵・ゴースト血管ケア“呼吸法”

  • 2021.11.9
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いま医療や美容業界がこぞって警鐘を鳴らすのは、生活習慣の変化や外的ストレスによる“毛細血管” へのダメージ。まずは血管の仕組みを知り、正しいケアを行うことによって、手先・足先まで健康的な体を目指しましょう!

血流の要、毛細血管のゴースト化を防ごう。

「ゴースト血管とは、劣化し、消えていく毛細血管のこと。ゴースト血管は体にさまざまな不調や病気を招きます」

と言うのは、医師で医学博士の根来秀行先生。ゴースト血管の弊害を知るためにはまず、毛細血管の重要性について知っておきたい。

「血液は心臓から大動脈動脈毛細血管の順に行き渡り、全身の細胞に酸素や栄養素などを届けます。全血管の中で毛細血管が占める割合は約90%で、全長はなんと約10万km。ホルモンや免疫機能、体温調節などにも影響する、血液循環の主役です。人が生きていく上ではどの血管より重要な役割を果たしているとも言えます」

ところが生活習慣や加齢などによって血流が悪くなると、毛細血管は下の写真のように変化。まっすぐ伸びて太さも均一だった血管の形は、崩れて不揃いになり、血流も乏しくなる。さらに、一部は消え、退縮してしまう。

「血流が悪くなることにより、血管の内皮細胞が緩くなり、隙間から血液が漏れ始めます。血液と一緒に栄養素や水分、老廃物なども漏れるので、辺りはゴーストタウンのように荒れ果てた状態に。毛細血管は、管はあるのに血液が流れていないゴースト血管になり、やがて退化していきます」

毛細血管がゴースト化して数が減ると、本来その毛細血管が運んでいた酸素や栄養素が細胞に行き渡らず、不要な老廃物や水分も排泄されず体内に溜まるように。

「結果、美容や健康に大きな影響が出てきます。体の中から美しくいるためには血管を健康に保つことが不可欠なのです」

©あっと株式会社血管美人

毛細血管が健康なら見た目も若くなる!

毛細血管がゴースト化すると、見た目にも影響が出るのだろうか。

「てき面に出ます。皮膚は体のいちばん外側にあるため、毛細血管の状態がダイレクトに反映されるところ。ゴースト血管の多い人は、若くてもシミ、シワ、たるみがあったり、薄毛や白髪になっている人も多いです」

さらに、全身の細胞に酸素や栄養素が届きにくくなり、臓器が本来の機能を果たせなくなることも。

「疲れやすい、疲れが取れない、肩こり、頭痛など、不定愁訴の原因がゴースト血管にあることも。また、口や喉など、粘膜が乾きやすくなるのもゴースト血管のサインの一つです」

風邪をひきやすいなど体調を崩しがちな人も要注意。

「免疫を担う血液中の白血球は毛細血管に乗って全身をパトロールし、細菌やウイルスを撃退します。でも、毛細血管の数が減ったり、機能が衰えると、異物が侵入してもそこに免疫細胞が行き渡らなくなってしまう。結果、病気を呼び込むことになってしまうのです」

一度血管が衰えたら、再び増やすことはできないのだろうか。

「毛細血管は、日常生活のちょっとした工夫で何歳からでも自分で増やすことができます。その最大のポイントは、毛細血管に血液が行くよう、血流自体を増やすこと。そのためには副交感神経を優位にして、毛細血管を開く時間を確保することが大切です。ストレス対策、正しい睡眠、食事、運動、入浴なども重要な鍵に。毛細血管を増やす生活を送って若さと健康をキープしましょう」

ちょいトレで血管強化! 予防&改善メソッドをご紹介します。

ゴースト血管ケア

ゴースト血管を作らないためには血流アップが不可欠。自律神経のバランスをとり、血流を促すちょいトレを習慣に!

ゴースト血管ケア:呼吸法

自律神経を唯一制御できる方法が「呼吸」。腹式呼吸で横隔膜を大きく動かすことで副交感神経が優位に。

【4・4・8呼吸法】
より効果的に副交感神経を優位にできるよう、根来先生が開発した「4・4・8呼吸法」。安眠できるようになることによりストレス耐性を養う効果も。

息をしっかり吐ききってから、「4秒かけて鼻から吸う4秒息を止める8秒かけて鼻から吐く」を4回×2クール繰り返す。吸うときは横隔膜が収縮するよう胸を広げてお腹を膨らませながら、吐くときは横隔膜を緩めるよう、胸を閉じてお腹を緩めることを意識して。鼻から吐くのが難しい人は、口からでもOK!

【POINT!】
ベースは1~1.5時間に一回行う。
ストレスや緊張を緩めたいタイミングに追加もOK。
バスタイムや寝る前に集中して行うのも。

【応用】
最大のリンパ節「乳糜槽(にゅうびそう)」を腹式呼吸で刺激してリンパの流れを促して。

血流を良くするには、滞りがちなリンパの流れを促すことも大切。仰向けに寝て、みぞおちにある最大のリンパ節「乳糜槽」を意識しながらしっかり腹圧をかけて「4・4・8呼吸法」を行うことで流れを促進することができる。積極的に起床時や就寝前の習慣に。

仰向けに寝て、「4秒かけて鼻から吸う4秒息を止める8秒かけて吐く」を4回×2クール繰り返す。みぞおちに腹圧がかかっていることを意識しながら、横隔膜をしっかり上下させて深く呼吸をしよう。

根来秀行先生 医師、医学博士。ハーバード大学、ソルボンヌ大学医学部、奈良県立医科大学医学部客員教授、事業構想大学院大学理事・教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など。著書に『「毛細血管」は増やすが勝ち!』(集英社)など。

※『anan』2021年11月10日号より。イラスト・深川 優 取材、文・古屋美枝

(by anan編集部)

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