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幸せになる「冷えとり」大作戦

  • 2021.11.7
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手足が冷たく、ふとんに入ってもなかなか寝つけない! そんな自覚症状があっても「冷え症だろうな」と軽く考えていませんか? そして「自分は冷え性じゃない」と思っているあなたも、もしかしたら隠れ冷え性かもしれません! 冷えは身体も心もむしばむ「万病のもと」。冷え性が治れば、病気が治り、身も心も軽やかに前向きになる可能性を秘めているのです! 長生きも「冷え」と関係があるとの情報も。すぐに「冷えとり」を実行しましょう♡

a~oの中で当てはまる項目があれば冷え性の疑いがあります。いくつかの冷えタイプに該当する人は、それぞれの対処法を参考にしてください。

a 手足が冷たい

b お腹を触ると冷たい

c 肩こりや腰痛がある

d 冷たいものを好み、生野菜などを頻繁に食べる

e 甘いものが大好きで、よく食べる

f ご飯を食べた後に眠くなる

g 食べすぎてしまう

h 毎日が忙しくてストレスが多い

i 胃腸が弱い

j 物事をいつも悪く考えて、不安感が絶えずある

k 自分のやりたいことはせず、我慢ばかりして生きている

l 生理通がひどい、月経困難症、 子宮筋腫、子宮内膜症のどれか

m 寒くてもミニスカートを履いて足を出し、薄着で頑張っている

n 太っていて暑がり

o 体温がまわりの人より低め (日本人の平熱は平均36.89℃ 注1)

★診断方法★

a~cにチェックが入った人→自覚していますタイプへ

d~gにチェックが入った人→食べもので冷え冷えタイプへ

h~kにチェックが入った人→悩みごとばかりタイプへ

l~mにチェックが入った人→ミニスカートや薄着好きタイプへ

n~oにチェックが入った人→隠れ冷え症タイプへ

注1 テルモ体温研究所ホームページ参照

冷えが原因で起こる症状はいろいろあります。上の症状からタイプ別に詳しく解説!

★自覚していますタイプ

お腹や腰まわりが冷たい人、手足が冷たい人(末端冷え性)は、もちろん冷え性。血行不良と神経の緊張で起こる肩こりや腰痛も、身体が冷えている証拠といえます。このタイプは自分が冷え症だと自覚しているので、身体を温める工夫をする人も少なくありません。さらなる冷えとり対策を行えば、冷え性は改善されるはず。

★食べもので冷え冷えタイプ

冷たい食べものや飲みものを日常的にとる人は「冷え症」の可能性が高いです。冷たいものは胃腸の血管をギュッと収縮させて消化吸収を弱め、老廃物を身体に残してしまいます。本来、効率よく栄養を吸収して身体のエネルギーをつくり出す胃腸が弱ると、身体は冷えていきます。

食べすぎて胃腸が弱って身体が冷えることもあります。また、甘いもの好きな人は、砂糖が身体を冷やす作用があるため冷え症になりやすいのです。

食後に眠気に襲われる人も要注意。これは胃腸の働きが低下しているサインです。消化が活発であれば、食後は一層元気に活動的になるのが普通です。

★悩みごとばかりタイプ

悩みごとや不安があると胃が痛むように、胃腸は自律神経とつながっています。胃腸の調子が悪いと消化が悪くなって冷え、さらに自律神経にも影響を及ぼして、だるい、覇気がないなどの体調不良が起こります。忙しくてストレスが多い、胃腸がもともと弱い、クヨクヨと物事を悪く考えがち、我慢ばかりの毎日を送っているなどの人も、これに該当します。好きな趣味を持ってストレスを発散するなど「心地よい生活」を送るようにしましょう。

★ミニスカートや薄着が好きタイプ

寒い時期でも薄着にミニスカートが定番という十代、二十代が多く見受けられます。若いうちは新陳代謝が活発でエネルギーに溢れているせいか、寒さをそれほど感じないかもしれません。しかし、冷えを溜めると将来が不安です。生理不順や月経困難症、子宮筋腫などは、冷えの影響である可能性があります。その証拠に、冷えとりをして生理痛がグッと軽くなった人もいます。冷えを溜めないような服装が望ましいのです。

★隠れ冷え症タイプ

太ると脂肪の層が厚くなり、身体の内側に熱がこもります。そして、汗をかきやすくなるため冷えとは無縁に思えますが、お腹を触って冷たく、体温が低め(35度台)で肩こりに悩んでいたら要注意。それは冷えの症状かもしれません。こういうタイプは普段「暑い」と感じるので薄着で過ごし、冷えを溜め込んでいる「隠れ冷え症」の場合があります。

また、体温が低めで、だるさや疲れが取れない人もこのタイプかも。日本人の平熱は36.89℃(現在は調査した当時と比べ、体温が低下しているともいわれていますので、この数字はあくまでも目安の平均値です)。免疫力は体温の下降とともに下がっていきます。36℃以下の方は冷え性の疑いがあります。

身体の中で一番熱をつくり出す部分は筋肉です。つまり筋肉が少ない人よりも、適度にある人の方が身体を温める力があります。筋肉ムキムキになる必要はありませんが、軽い運動(特によく歩いて下半身の筋肉をつける)が冷えとりの第一歩になります。

冷えとりに効く食べものは、なんといってもショウガです!! いつでもどこでもショウガを入れて食べるようにしましょう! ただし1回に食べる量は少なくて大丈夫。大量に食べ過ぎると胃を悪くするので、少量ずつ、たとえば乾燥ショウガパウダーを持ち歩き、会社や学校で紅茶などを飲むときに軽く一振り程度でOK。そして3度の食事の際には、すりショウガやみじん切りにしたショウガをおかずに入れて食べるようにしましょう。

冬はもちろん、夏でも温かい飲みものや食べものを意識してとるように心がけましょう。暑い夏でも冷房で冷え症になる人が続出しています。温かい食べものは冷えも改善し、暑さに疲れた身体や胃に優しいのです。

胃腸を丈夫にすれば冷えの防止になりますから、腹八分目を目指しましょう。そして、食事やおやつの間隔にも注意が必要です。医師であり、アーユルヴェーダの専門家でもある蓮村誠氏は『日本人の9割は冷えている』の中で「いったんものを食べたら、三時間はなにも口にしないのが原則」と書いています。また食事の量については、朝食:昼食:夕食をそれぞれ1:3:2にし、朝食はとても軽め、昼食はしっかりと満足度のある内容にして、夕食は少し軽めにとることをすすめています。

加工品やお菓子は砂糖入りが多いので、厳密に砂糖をとらない生活となると大変です。せめて甘くない食べものを選ぶか、甘いお菓子を今までより減らし、食事に砂糖を極力使わず、みりんやメープルシロップで代用してみてはいかがでしょう。

筋肉をつけ、食べものに気をつけたら次は衣類です。スカートは冷え症の人には厳禁のアイテムなので、寒い季節はパンツをおすすめします。どうしてもスカートを履きたい場合は、タイツやレギンスに腹巻&温かい靴下、もしくはレギンスにブーツそして腹巻といった下半身の冷えを徹底的に抑える格好をしてください。

足先が冷たい人は靴下を重ね履きしましょう。通気性も保温効果もあるシルクの靴下(写真参照)を一番下に履き、その上に暖かい靴下を重ね履きするのも効果的です。同様に、厚手のタイツにレッグウォーマーを重ねる、保温効果の高い薄手の下着を中に重ねて着るといった「重ねテク」を駆使すれば、見た目はすっきりしたシルエットでも温かくて快適です。着膨れが嫌なおしゃれさんに、重ね着はぴったりです。

冷えが入り込むのは、身体の「首」がつく、首、手首、足首です。首はマフラーやタートルネックのトップスで寒さを防ぎ、手首は手袋やきちんと手首が隠れるシャツやセーターでガード。足首はブーツやレッグウォーマーのほかに足首用の保温ウォーマーもあるので探してみてください。とても寒い日にはカイロもプラスして腰やお腹に貼り、冷えから身体を守りましょう。

★湯たんぽ

ほかにも手軽にできる冷えとり対策としては、お風呂に入って身体を温めることや足湯が効果的です。最近は、昔から使用されている「湯たんぽ」のよさが見直され、その実用性と可愛いデザインに惹かれて購入する人が増えています。

★お灸

火を使わないお灸は手軽に家でできて安心な上に、しっかり温まります(ネットでも買えます)。鍼灸院を探してツボに鍼を打ってもらい体質改善をする手もあります。お灸も鍼もすぐには効果が出ないかもしれませんが、じっくり効くと評判です。

★マッサージ

マッサージも血行をよくして、冷えとりに効果ありです。マッサージ用のゴマ油を人肌に温めてマッサージする、あるいは好きな香りのアロマオイルをキャリアオイルと混ぜてマッサージすればストレスも解消されて、気分もすっきりです。

体温計で有名な「テルモ株式会社」は、ホームページに体温や冷え性について詳しく載せています。私たちの「快適さを感じる気温」は、夏に高く、冬は低いそうです。そして、その差は約3℃。季節の気温に身体も合わせようとしているのです。

しかし、今は冷暖房が完備されているため、室内と屋外の温度差がかつてないほど激しくなっています。出入りのたびに体温の微調整をする自律神経の負担は大きく、バランスを崩して冷え性の原因をつくり出しています。

また、女性に寒さや冷え性を訴える人が多いのは、男性より筋肉が少ないから。筋肉量が多い男性は、熱を生み出す力があるため冷え性が少なく、寒さを感じにくいのです。冷暖房の温度に振り回されない「冷え性対策」は運動・食事・衣服がポイント。しっかり冷えを防止しましょう。

最近の研究によれば、寿命が長い人は胃腸が丈夫なのだとか。冷え性の改善は胃腸を強くし、免疫力をアップするので、冷え性を治せば長寿に近づけるとも言い換えられます。

そして、冷え性は思考を後ろ向きにします。うつ病に悩む人や「不安感があり、心身ともに疲れきっている」と話す人を脈診する(アーユルヴェーダや中医学では脈を診る)と、冷えがみられることが少なくないそうです。その患者さんの冷え症が治った途端に、うつ病が治る、不安感がなくなり「幸せを感じるようになった」と話すケースもあり、心と身体の繋がりを感じずにはいられません。

「冷え」は私たちの心のあり方も左右する、身体の奥からのサインです。その声を敏感にキャッチして身体を温めるだけで、幸せと健康がやってくるのです。

<参考文献>

『日本人の9割は冷えている~免疫力、消化力、寿命を左右する<冷え>~』蓮村誠著(新潮社)

せんねん灸ホームページ

テルモ株式会社ホームページ

お話/たまみ(説話社)

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