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読書の秋、しまっていた本は傷んでない?「風通し」と保管の方法、専門家に聞く

  • 2021.10.29
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本も「風通し」した方がよい?
本も「風通し」した方がよい?

「読書の秋」ということで、しまい込んでいた本を取り出し、再読しようと思っている人も多いのではないでしょうか。ところが、本は保存状態が悪いと、変色するなど傷んでしまっていることもあります。そのような事態を防ぐために「風通し」をするとよいそうですが、どのようにすればよいのでしょうか。風通しと保存の関係について、整理収納コンサルタントの岩佐弥生さんに聞きました。

虫の発生や変色防ぐ

Q.本の風通しには、どのような効果があるのでしょうか。太陽光に当てることで劣化しませんか。

岩佐さん「ずっと開いていなかった本を久しぶりに開いたとき、虫が湧いていたり、変色していたり、変な臭いがしたりすることがあります。また、湿気によって本の中身(紙)が変形してしまっていることもありますが、風通しにより、これらを防ぐことができます。年1回は風通しをするとよいでしょう。一方で、直射日光に当て過ぎると本を傷める原因になりますので、場所や時間には注意が必要です」

Q.風通しはいつごろ、どのようにすればよいのでしょうか。

岩佐さん「秋のからっとした天気の日がおすすめです。時間は夕方以降は湿度も高くなってきますので、朝10時ごろから、日が傾き始める時間までがベストです。布団を干すのに適している天気・時間と思えば分かりやすいですね。風通しの際はベランダなど屋根があるような、直射日光が当たらない場所でページをぱらぱらとめくり、自然の風を通してあげるとよいでしょう。秋以外では、梅雨がしっかりと明けた時季の晴れた日もよいです。

なお、本棚にも虫が好むホコリなどがたまりやすいので、本の風通しのついでに本棚の掃除もすることをおすすめします」

Q.本はどのように保管するのがよいのでしょうか。よく読む本と読まない本で違いはありますか。

岩佐さん「日光の紫外線が本の劣化の原因になりますので、日の当たる場所に本や本棚を置いておくのはおすすめできません。また、結露の多い場所や湿気の多い場所はカビにもつながります。よく読む本もあまり読まない本も、日光が当たらない場所がおすすめです。遮光カーテンを活用したり、日光が当たらない向きに本棚を置いたりといった工夫をするとよいでしょう。

また、普段読まずとも保管しておきたい本は、収納ケースなどに防虫剤や乾燥剤を入れ、光の当たらない場所に保管し、年1回は風通しをしてあげるとよいでしょう」

Q.本に「紙魚(しみ)」と呼ばれる虫など、虫がつくことがあります。紙魚はどういう虫で、出てきたらどうすればよいのでしょうか。

岩佐さん「紙魚は夜行性で体長10ミリ前後、英語では『silverfish(シルバーフィッシュ)』と呼ばれます。湿度の高い場所や暗くてホコリがたまりやすい場所を好み、主に紙を食べる害虫ですが、衣類の繊維や穀物も食べるといわれています。発見したら、新聞紙やティッシュペーパーを使って、逃げ出さないようにしっかりと駆除します。駆除した後は、見つけた場所に念のため、スプレータイプの殺虫剤をかけておいてもよいでしょう。

紙魚の一番手っ取り早い予防策は『防虫剤』です。ハーブの匂いが嫌いなので、ハーブの置き型タイプの防虫剤を本棚などに置くとよいです。先述の通り、穀物も食べますので、食品の保管についても密封性の高い状態で保管することをおすすめします。ペットを飼っている家庭は、ペットにも安心な防虫剤を選んでください。

また、部屋の隙間は暗いため、紙魚が好む場所の一つです。隙間に段ボールや紙袋などを挟んでおかないことも予防のポイントです。湿気を避けることも大事なので、風通しはまさに『紙魚』防止にもつながります。そして、一度発見したら、ホコリがたまりやすい場所を念入りに掃除しましょう」

オトナンサー編集部

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