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実は秋冬こそヤセやすい…! 今から「溜めない体になる」意外な方法 #131

  • 2021.10.21
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秋が深まり、コートやセーターの出番が近づいています。それに伴い、体型や体重を気にしなくなっていませんか。寒くなると活動量が減り、太りやすいイメージがありますが、漢方薬剤師の大久保愛先生によると、実は基礎代謝が高くなる傾向もあるのだそう。そこで、愛先生が今からしておきたいダイエットにいい簡単習慣を教えてくれます!

夏が終わり、再び体重や体脂肪が増えていませんか?

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 131

コートやマフラーなどが必要な季節になってきましたね。こたつを出し始めたという声もちらほら耳にします。暖房や厚着でヌクヌクと幸せな季節になってきましたが、皆さん今の体重はベストですか? それとも少し太り気味でしょうか?

実は、寒い季節はダイエットを計画すると成功しやすいのですが、普通に過ごしていると普段より太りやすいという二面性をもった季節でもあるのです。なので、今太り気味で、これからも食事や運動に気をつけた行動をする予定のないかたは、正月明けにはさらに脂肪が増え筋肉が減り、痩せにくくなっている可能性があります。

そこで、寒くなり厚着でウエストやお尻のラインを自然に隠せる季節となり、体型維持に対して少し疎くなりがちなこの時期のための食薬習慣を紹介します。

今週は、ダイエットのための食薬習慣

毎年、体脂肪と体重が年齢に比例して増えているような気がしている…ということはないでしょうか。とくにコロナ禍が続き、その影響で例年よりも体重の増加の幅が大きくなっていることもあるかもしれませんね。寒くなると私たちの体は、体を温めるために基礎代謝が高くなる傾向があります。そのため、冬はダイエットに向いていると言われることがあります。

しかし、一方で脂肪を蓄えやすくなる特徴もあります。太陽の光に当たることで減少するBMAL1という脂肪を蓄えるように働く遺伝子があるからです。太陽の恩恵が減る夜や冬など暗い時期にはBMAL1は増えてしまいがちです。さらに、寒くて体を動かす習慣がなくなると、筋肉量が減り基礎代謝も低下していきます。

秋冬に、脂肪が増え筋肉が減ってしまうという体の構成を大きく変えてしまうようなことのないようにしたいですよね。そこで、今週はため込まない体を作る食薬習慣を紹介します。漢方では、『痰湿』というものが老廃物や脂肪にあたります。今の時期から『痰湿』の排泄を効率的に促してくれる1品を不摂生が続いたときにとりいれるよう常備しておくと良いと思います。食べるとよい食材は、【下処理なしのレンチン酢ゴボウ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食材:下処理なしのレンチン酢ゴボウ】

ゴボウといえば、皮をむいて、アクを抜いて、下茹でしてと面倒な印象が強い野菜のひとつ。ですが、これらの面倒な作業はゴボウの有効成分を損失してしまいます。なので、作り方はシンプルが一番です。

作り方は、ゴボウに泥がついていたらたわしで洗って、食べやすい大きさにカットしてレンジでチンします。酢、醤油、みりん、胡麻、塩などをお好みで和えたら完成です。酢の物は、血糖値の上昇を抑えたり、内臓脂肪の減少にも役立つのでこれからの時期おすすめですよ。

【ゴボウ】

ゴボウといえば、イヌリンやリグニンなど食物繊維が豊富なことが有名ですが、クロロゲン酸という抗酸化作用のあるポリフェノールが豊富であることも特徴の一つ。ダイエットだけではなく、糖尿病や脂肪肝など生活習慣病の予防にも役立ちます。この成分は、皮やアクに含まれています。そのため、下処理は頑張ってやらないほうが健康的には効果的です。

【胡麻】

胡麻の半分は脂質でできていますが、この油は腸を潤し、腸の働きを促すことが期待できます。また、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、セレンなどのミネラル、ビタミンB群、ゴマリグナン、ビタミンEなど栄養も豊富です。栄養を補いながら、老廃物の排泄にも役立ちます。ただ、殻が硬いのですり胡麻にして食べるのが効果的です。

和食は、手間がかかり面倒なイメージを持つ方が多いかもしれません。ですが、家庭の料理は見た目より健康を重視した簡単調理が、健康的で実用的な場合も多いように感じられます。今回はゴボウを紹介しましたが、それ以外にも面倒なひと手間がいらない料理も意外と多いものです。野菜の栄養素がどこに多いのか考えてみると余計なひと手間に気がつくかもしれませんね。

ほかにもダイエットのできるレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
漢方医学で人は自然の一部であり、自然の変化は体調に影響を与えると考えられています。気温や湿度、気圧の変化だけではなく、太陽や月の動きまでもが体に影響を与えています。学生の頃、太陽暦や太陰暦を学んだことを覚えていませんか? 一月の日数や季節などは太陽や月の動きから決められていたことはご存知のかたは多いと思います。

月や太陽は、地球との位置により引力が変わり、地球では潮の満ち引きが起こります。地球の約七割が水分と言われていますが、同様に人の体も約七割が水分と言われています。そう考えると、人間も月や太陽の影響を受けることは想像しやすいことだと思います。中国最古の医学書である皇帝内経(こうていだいけい)にも、月が体調に影響を与えることは記されています。

つまり、気温、湿度、気圧、太陽、月の変化とさまざまなものを指標にすることにより、より正確に体調管理をすることができます。この体調管理に食事内容を役立てることを『食薬』と呼びます。

Information

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師、国際中医美容師、漢方カウンセラー。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田県出身。昭和大学薬学部生薬学・植物薬品化学研究室卒業。秋田の豊かな自然の中で、薬草や山菜を採りながら暮らす幼少期を過ごし、漢方や食に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・東洋の美容などを学び、日本人で初めて国際中医美容師資格を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、漢方・薬膳をはじめとした医療と美容の専門家として活躍。おうちで食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち」を開発。漢方カウンセラーとして、年間2000人以上の悩みに応えてきた実績を持つ。著書『1週間に1つずつ心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典(KADOKAWA)』、近著に「不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖(世界文化社)」がある。
公式LINEアカウント@aika

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。

©Jorge Garcia Argazkiak/Gettyimages
©Lucy Lambriex/Gettyimages
©The Good Brigade/Gettyimages

文・大久保愛

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