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栄養価をグッと高める食品の組み合わせ

  • 2021.10.19
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『The Magic Of Food』を執筆した自然療法エキスパートのマイケル・マーレイ医師によると、健康的な食生活のカギは“食べものの相乗効果”にある。つまり、別々ではなく一緒に食べることで栄養価が増すアイテムに重点を置くということ。

いくつかの栄養素は、他の栄養素よりバイオアベイラビリティが高く(体に吸収されやすく)、それらを組み合わせると、体に絶大な効果をもたらす。マーレイ博士いわく食品を組み合わせるのは、食べものの力を最大限に引き出す秘訣。「私がフォーカスしているのはシナジェティクスです。食べものが組み合わされることにより、単体のときよりも大きな効果を発揮する仕組みです」とマーレイ博士。「炎症、ホルモン変動、血流、細胞の老化などは、食べものの相互作用でコントロールすることが可能です」。オーストラリア版ウィメンズヘルスより詳しく見ていこう。

トマトとオイルでターボチャージ

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エキストラバージンオリーブオイルを垂らしたトマトなんて、想像しただけで顔がにやける。

「トマトには、心疾患や主要ながん(乳がん、大腸がん、肺がん、皮膚がん、前立腺がんなど)を防ぐリコピンが含まれています」とマーレイ博士。「他の脂溶性の栄養素と同じく、リコピンもオイルと一緒に摂取することで吸収されやすくなります」

これには科学的な裏付けもある。豪ディーキン大学の研究では、トマトにオリーブオイルをかけて食べると、血漿(けっしょう)内のリコピン濃度が82%高くなることが分かった。でも、オイルなら何でもいいわけじゃない。「ヒマワリ油も血漿内のリコピン濃度を高めるものの、リコピンの抗酸化活性を一番高めるのはエキストラバージンオリーブオイルであることも分かっています」

緑の野菜で発がん物質を帳消しに

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ご存じの通り、野菜は絶対食べるべき。でも、マーレイ博士によると、パセリ、ホウレン草、ケールといった緑色の野菜にはがんと戦う特性があり、その特性は、揚げものやローストまたはグリルしたものと一緒に食べると強くなる。

九州大学の研究では、70gのパセリと150gのサーモンフライを一緒に摂取することで、尿中の発がん物質が半減した。米アーカンソー大学の研究では、焼肉と一緒に摂取したローズマリーも、似たような力を発揮することが分かった。「焼いた肉と揚げた肉は、HCAsと呼ばれる発がん物質を形成すると言われています」とマーレイ博士。

「パセリを始めとする緑の野菜に含まれる植物性化学物質は、このような有害物質を中和するのに役立ちます。発がん性物質が細胞に直接ダメージを与えるのを防ぎ、無毒性の物質に分解されるのを促進してくれますからね」

アボカドでニンジンをパワーアップ

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ニンジンの栄養価を高めたいなら、アボカドと一緒に食べて。

米オハイオ州立大学の論文によると、ニンジンとアボカドを一緒に食べれば、ニンジンに含まれるベータカロチンが体に吸収されやすくなると同時に、活性型のビタミンA(皮膚、骨格、目の健康に欠かせない栄養素)に変換されやすくなる。

「この研究では、生のニンジンを単体で食べた場合と、生のニンジンをアボカドと一緒に食べた場合が比較されました。その結果、ニンジンをアボカドと食べると、不活性のビタミンA前駆体が活性型のビタミンAに変換される確率が圧倒的に高くなり、ベータカロチン(フリーラジカルのダメージから細胞を守る抗酸化物質)の吸収率が6.5倍も高くなることが判明しました」とマーレイ博士。

延命に関係する抗酸化物質、αカロチンの吸収率も4倍以上高くなった。まさに一石二鳥。

ナッツとベリー

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コレステロール値が気になってきた? 内科学紀要『The Annals Of Internal Medicine』掲載の研究結果は、20~30代で高コレステロールになると、冠動脈石灰化(心臓発作と脳卒中の前兆)のリスクが44%高くなる。でも、マーレイ博士いわくコレステロール値は、食生活を改善するだけでも十分下がる。おすすめは、ナッツとベリーの組み合わせ。

「ナッツとベリーには相補的な成分が含まれています。具体的に言うと、ナッツにはコレステロール値を下げる1価不飽和脂肪、ベリーにはコレステロール値を下げるフラボノイドが含まれています」。この2つを組み合わせると、もっとスゴイ。

栄養学専門誌『The American Journal Of Nutrition』掲載の論文によると、ナッツとベリーの栄養素を組み合わせれば、脳機能にとってプラスの相乗効果が期待できる。手軽なスナックの割に超優秀。

ケールと柑橘系のフルーツ

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ご存じの通り、ケールとレモンは最高の組み合わせ。「ビタミンCが豊富な食材(柑橘系のフルーツなど)と、鉄が豊富な食材(濃い緑色の葉物野菜など)を組み合わせると、鉄が体に吸収されやすくなります」とマーレイ博士。

ビタミンCと混ざった鉄は、体に吸収されやすく、酸化されていない“ヘム鉄”に姿を変える。女性の約25%は鉄不足で、ワークアウトを頻繁にする人は鉄不足のリスクが特に高いことを考えると、うれしい話。

鉄は、体中に酸素を運ぶ赤血球の産生に不可欠な栄養素。不足したら、自己新記録は絶対に達成できない。「鉄不足は、疲労感、めまい、息切れなどの症状をもたらします」とマーレイ博士。「ベジタリアンにとっては特に、鉄を体に吸収されやすくすることが重要です」。今日から野菜にはドレッシングではなくレモンをかけて。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto

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