1. トップ
  2. ダイエット
  3. ダイエット中に気を付けたい「PFCバランス」とは? タンパク質・脂質・炭水化物の必要量を計算する方法

ダイエット中に気を付けたい「PFCバランス」とは? タンパク質・脂質・炭水化物の必要量を計算する方法

  • 2021.10.18
  • 2252 views

PFCは、Protein(タンパク質)、Fat(脂質)、Carbohydrates(炭水化物)、それぞれの頭文字を取った言葉。このPFCのバランスを意識することが、健康的な食生活や無理のないダイエットを行うためには欠かせない。自分に合ったPFCバランスを知っておくとダイエットや健康維持に役立つので、把握しておこう。そこで今回は、パーソナルトレーナーの林健太さんに、PFCバランスが大切な理由や計算方法について教えてもらった。

PFCバランスとは?

Women's Health

PFCバランスとは、P(タンパク質)、F(脂質)、C(炭水化物)のバランスのこと。

「ダイエットやボディーメイクをするためには、食事の内容に気をつける必要があります。過度な糖質制限や同じものをばかりを食べるダイエットは一時的に体重が減ったとしても、筋肉量と代謝が落ちてしまい、逆に太りやすくなる可能性も。しっかりとPFCバランスを知ったうえで食事のコントロールをすることが、とても大切なのです。

人間のエネルギー源は、タンパク質、脂質、炭水化物の3つのみ。この3つの栄養素の働きを知って、バランスよく摂取することが大切です。PFCはそれぞれカロリーが違い、さらに体内での働きも違います」と林さん。

3大栄養素それぞれの働き
タンパク質

タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されている。そのうち9種類は必須アミノ酸と呼ばれ、体内で合成することができないため、食事から摂取しなければならない。筋肉、内臓、血管、皮膚、髪や腱など、人の体の基礎を作るために必要な栄養素だ。

脂質

脂質は体温を保つ(熱を放出しにくくする)役割があるので、不足すると体温が下がったり、皮膚の乾燥を招いたりする。細胞やホルモンの原料になり、非常用のエネルギーとしても使われる。脂質エネルギーは体に溜めやすいが使われにくいため、溜まりすぎると肥満を引き起こす。3大栄養素のなかで、もっともカロリーが高いのも特徴。

炭水化物

糖質と食物繊維が合わさったもので、筋肉や脳などを働かせるエネルギーになる。糖質エネルギーは体に溜めておける量に限界があり、過度に摂取をすると脂肪に変換されて蓄積する可能性が。糖質が不足すると筋肉を分解してエネルギーを作ろうとするため、筋肉量が減り、基礎代謝が低下してしまう。

ボディーメイクをするうえでPFCバランスを守るべき理由とは?
Women's Health

ダイエットをするとき、摂取カロリーを重視する人が多い。しかし、摂取カロリーよりも、摂取バランスが体を作るうえでとても重要。“体を構成するための摂取のバランス”を重視することが、健康的な食生活には必要なのだ。

「筋肉を増やすためにはタンパク質が重要だし、糖質が足りないと筋肉が減少する。PFCはどれも必要不可欠な栄養素です。しかし、現代人の食事は、脂質と炭水化物を多く摂りすぎている傾向にあります。とくに脂質は普段の生活で無意識に摂りすぎてしまっている。また、脂質の“質”のバランスも悪くなりがちです。脂質の必要量を知りつつ、良質なものを摂ることを心がけてほしいですね」

食べ物のPFCバランスを見てみよう

食材を構成するPFCの、どれがメインになっているのかをまずは知ることが大切。料理をする際にも、一つの栄養素に偏らないよう心がけよう。

鶏むね肉
Women's Health

100g当たりエネルギー:113キロカロリータンパク質:24.4g脂質:1.9g炭水化物:0g

アボカド
Women's Health

100g当たりエネルギー:178キロカロリータンパク質:2.1g脂質:17.5g炭水化物:7.9g

白米
Women's Health

100g当たりエネルギー: 156キロカロリータンパク質:2.5g脂質:0.3g炭水化物:37.1g

【出典:文部科学省 食品成分データベース】

このように、同じ量の食材でもPFCバランスは大きく異る。最近では、スーパーやコンビニで売られている食品の裏面や、レストランのメニューにも栄養成分が表示されている。カロリー値にだけ注目するのではなく、それぞれ含まれている栄養素を見て考えることを習慣づけて、健康的な食生活を目指そう。

1日に摂取すべきカロリーを計算する

Women's Health

PFCバランスを計算する前に、まずは1日に必要な摂取カロリーを計算しよう。まずは体脂肪率が計れる体重計などを使って、今の体重と体脂肪率を測定しよう。

1日に必要な摂取カロリー計算

まずは除脂肪体重を計算しよう。仮に体重が60kg、体脂肪率25%であれば、

60kg×0.25=15kg → 60kg-15kg=45kg

45kgが除脂肪体重になる。

「基礎代謝はさまざまな条件や要素を考慮した数式があります。体重はもちろん、身長や年齢も重要ですが、脂肪がたくさんあっても基礎代謝は上がらないことから、体脂肪率を考慮した数式がおすすめです。そのなかでも、もっとも簡単に計算できる式が『370+21.6×除脂肪体重』。今回はこちらで計算してみましょう」

370+21.6×45kg=1342キロカロリー

「これが生きていく上で最低限必要なエネルギーです。すなわち、1日中ゴロゴロしていても消費されるエネルギー量です」と林さん。

基礎代謝が算出できたら、活動量なども加味したおおよその消費エネルギーを計算してみよう。

ほとんど家から出ないテレワーク中心の人は×1.2。

通勤や通学、最低限の日常活動がある人は×1.5。

肉体労働や定期的な運動を行っている人は×1.7。

アスリートや筋肉量が多く、運動量も多い人は×1.9。

ここでは仮に2の活動量と想定して計算(×1.5)。

1342キロカロリー×1.5=2013カロリー(1日に想定される消費カロリー)

2013カロリーになるので、これを摂取の目安にする。ダイエット中の人は、ここから10〜20%摂取カロリーを少なく調整しよう。

PFCバランスの計算方法

Women's Health
①タンパク質の摂取量を計算する

「タンパク質はだいたい摂取カロリーの15〜20%を占めるのがベスト。だいたい除脂肪体重×2で計算しましょう」

45kg(除脂肪体重)×2=90g

タンパク質は1g=4キロカロリーなので、

90g×4キロカロリー=360キロカロリー

2013カロリー(1日に想定される消費カロリー)のうち、360キロカロリー(90g)のタンパク質が必要という計算になる。

②炭水化物の摂取量を計算する

「炭水化物は、摂取カロリーの60パーセントを占めるといいでしょう」

2013キロカロリー×0.6=1207.8キロカロリー

1207.8キロカロリー。炭水化物は1g=4キロカロリーなので、約302グラムの炭水化物が必要という計算に。

③脂質の摂取量を計算する

1日に想定される消費カロリーから、タンパク質と炭水化物の必要カロリーを引く。

2013−(1207.8+360)=445.2キロカロリー

脂質は1g=9キロカロリーなので、49.5gが必要量という計算に。

「脂質を摂る際、質がとても大切です。揚げ物などに含まれる飽和脂肪酸の摂りすぎはNG。魚に多く含まれるオメガ3などの良質な油を積極的に摂るようにしましょう」と林さん。

PFCバランスを守った食事コントロールをするには?

Women's Health

「上記のバランスで食事を見直し、最低でも2週間~1カ月は継続していくことで変化が感じられる人も多いでしょう。万が一、思うような体重低下が得られない場合は、基礎代謝の低下も考えられます。適度な運動も取り入れながら、代謝を上げる要の栄養素であるたんぱく質だけは不足させないようにし、炭水化物や脂質の量で必要なカロリーを調整しましょう。逆に減りすぎてしまう場合は、運動前後の炭水化物を追加してエネルギー不足を起こさないように気を付けてください」

ダイエットやボディーメイクには、PFCバランスの整った食事が大切。さらに有酸素運動や筋トレをすることで、より効率よく自分の理想の体形を目指そう。

元記事で読む
の記事をもっとみる