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人と同じでは上手くいかない!確定拠出年金で資産を育てる秘訣

  • 2021.10.12
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Topic 1:あなたの年金を守る手段、確定拠出年金

確定拠出年金制度(以下、DC)は、2001年10月1日から掛け金の運用が開始された、確定拠出年金法を根拠とする私的年金制度です。あらかじめ設定された金額を、事業主(企業)や加入者(社員や個人)が毎月拠出し、加入者自身がその資産を運用し、その運用の成果によって、加入者自身の将来の受け取り年金額が決まる仕組みです。

DCは、大きく分けて企業型DCと個人型DC(以下、iDeCo)の2種類があります。企業型DCは事業主が自社の退職金制度として採用し、事業主が加入者に対する窓口としてサービスを提供する金融機関や専業会社等(以下、運営管理機関)と委託契約を結びます。社員の皆さんは加入者として、運営管理機関が提供する運用商品の中から自ら運用商品を選択し運用を行います。

iDeCoは加入条件を満たしていれば個人で加入できるDCで、自分で運営管理機関を自由に選ぶことができ、加入者自身が直接契約のうえ運用を行います。近年では、自分の年金に高い関心をもつ方を中心に、個人資産運用の一手段としてiDeCoに加入される方が急増しています。

ご存じの方は多いかと思いますが、国内企業の退職金制度において2021年3月末時点のDC加入者は延べ約941万人となり、企業が運用する確定給付年金を初めて上回りました。

また、来年には確定拠出年金法の一部改正が行われます。今回の改正では加入年齢引き上げや受給開始年齢の引き上げ、そして加入制限の緩和が大きなポイントとなっており、老後を見据えた年金づくりを個人自らの責任で運用する時代にいよいよ本格的に移行してきたといえます。

Topic 2:改めて確認!確定拠出年金のメリット

DC制度を利用するうえでいくつかのメリットがありますが、ここでは加入者個人にとってのメリットに言及します。

加入者にとって最も大きなメリットは、税制面での優遇です。具体的には『運用益の非課税』、『税負担の軽減』、そして『年金受け取り時の控除対象』の3点が挙げられます。

まず、『運用益の非課税』とは、加入者が運用で得た運用益に対しては全額非課税となることです。DC以外の一般的な金融商品を運用する場合は運用で得た運用益に対して約20%の税金が発生するため実質的な利益は減ってしまいますが、DC運用で得た運用益は全額非課税となることは大きなメリットです。

次に『税負担の軽減』ですが、企業型DCについて言うと企業が拠出した掛金は給与にはなりません。通常、給与には所得税や住民税などが発生しますが、企業型DCを運用する加入者にとって企業が拠出する掛金の全額は給与所得とはみなされないため、会社がお金を出してくれているにもかかわらず、掛金に対して所得税と住民税が軽減されます。

最後に『年金受け取り時の控除対象』ですが、DCで運用して形成された年金を受領する場合、それらは 所得控除の対象になります。なお、この受領については一時金として受領する場合と、年金として受領する場合ではそれぞれ控除対象は異なります。一時金払い分は退職所得控除の対象に、一方で年金払い分は雑所得となり公的年金等控除の対象になります。

DCの運用は拠出額の上限が決まっており、毎月拠出する掛金額は大きくありませんが、運用する期間が長いため「塵も積もれば...」ではありませんが加入者は結果として非常に大きな税制面でのメリットを得ることができます。

Topic 3:人と同じではない、運用ゴールは自分のため

加入者の皆さんがDC運用する目的は前述の通り、将来受け取る自分の年金を自分で形成することであるとお伝えしました。しかしこのDCは、将来自分が受け取る年金の額がある程度予測ができる確定給付年金とは異なり、運用如何によって将来受け取ることができる金額に大きな差が生じる可能性があります。

その差が生じる要因のひとつとして、加入者各人の金融リテラシーの差が挙げられます。金融リテラシーとは、金融に関する知識や情報を正しく理解して自らが自主的に判断できる能力を言いますが、それを短期間で身につけることは、これまで運用未経験であったり、DCに苦手意識をもっている加入者にとって決して容易なことではありません。

ここでは、これまでの長きにわたり年金運用やDC運用に携わった経験を踏まえ、最低限意識しておいていただきたい金融リテラシー向上に向けたアイデアをお伝えできればと思いますが、DC運用は他の誰かがやってくれるのではなく、あくまで加入者自身がDC運用に関心を持ち、運用のゴールは自分のためであるということを決して忘れないことがとても大切です。

加入者である以上、運用に必要な最終的な判断はすべて加入者自身で行う必要があります。その運用結果や成果は、金融リテラシーの優劣が比較されるものでもありませんし、ルールのあるゲームの勝ち負けのように他人が判断するものではなく、判断するのはあくまでも自分自身です。ゴールをしっかり見据え、自分に合った運用を始めることができれば、それは金融リテラシー向上の大きな一歩となります。自分の年金を運用するためのハンドルを決して離さないことが大切だということを忘れないでください。

Topic 4:すべては正しい情報を知ることから始まる

現在、DCやiDeCoに関する情報はインターネットやSNSをはじめ、多くのメディアで得ることができますが、加入者の皆さんが欲しい情報とは大きく分けて『運用に関する基礎知識』と『運用で失敗しないための具体的な運用方法』の2つだと思われます。しかし、巷に溢れる膨大な情報のすべてが正しい情報であるとは限りませんし、運用についてよくわからない加入者にとって、本当に自分に必要な情報か否かの判断には、決して小さくない困難を伴うと思われます。

企業型DCを運用している加入者であれば、『運用に関する基礎知識』を正確かつ汎用的な情報として入手できるのが、事業主が加入者に提供する「継続投資教育」です。一方iDeCoの加入者の場合は、自分で情報を探さなければなりませんが、ご自身で選択された運営管理機関の中には加入者に向けて提供されるWEBサイトやガイドブック等があるので、それを参照することで基本的な情報は十分に入手できます。

次に『運用で失敗しないための具体的な運用方法』は加入者なら誰でも知りたい情報でしょう。ここで非常に危険なのは、運用を十分に理解していない加入者が「失敗が怖い、損をしたくない」という気持ちから、不確実な情報を鵜呑みにした結果、してはならない誤った行動をしてしまうことです。

DC運用とは、将来受け取る自分の年金を自分で形成するための行動です。各種情報を自分で積極的に学習、活用することは金融リテラシーを向上させるために非常に有効ですが、その情報が自分にとって本当に必要かどうか、正しい情報か否かを精査する能力を身につけることが肝要です。そのためにはまず基本的な考え方を身に着けることが大切になります。

これまでDC運用についてよくわからないという方に、これからこのコラムを読んでいただき、少しでも運用に前向きな思考となっていただけるような情報やアイデアをお伝えしてまいります。

板山 康男/未来貯金株式会社 代表取締役社長

大手運営管理機関の出身であり、国内でDC制度の運用が始まる以前から、企業年金や企業型DCを導入する企業・社員向け投資教育の講師として約1,000社経験。現在はその経験を活かし、自社開発アプリ「みらいナビ®」提供はじめ、確定拠出年の運用について中立的な立場から、500社以上、約15万人の加入者のDC支援をおこなっている。

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