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山口まゆ×橋本淳、言葉の大切さ感じた声の演技 『ビールいかがですか』は胸キュンが魅力?

  • 2021.10.12
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(左から)山口まゆ、橋本淳

残暑の暑さと、カラッとした気候が気持ちの良い秋口は野球場で飲むビールが一番美味しい季節かもしれない。真夏の炎天下では、熱中症になりそうでつい水分補給を優先してしまう。しかし、球場の売り子に景気良くビールを頼むのも試合の楽しみ方の一つ。酒類提供が禁止されてしまった今年の夏、味わえなかったあの球場での人との関わりを思い起こさせてくれるのが、NUMAのイヤードラマ『ビールいかがですか』。まぶたを閉じて耳を傾けると、自分も客席にいる感覚が味わえる本作で主演を務める山口まゆと、橋本淳に話を聞いた。

■新人の売り子とお客さんのやりとりに胸キュン

山口まゆ演じる茉莉は、新人のビール売り子。ビールの入れ方もまだコツが掴めていない彼女だが、球場に訪れていたお客さんの橘さんとのやりとりを通して成長していく。一方、橘も健気に頑張る彼女の目を自然と追うように。本当にありそうな、胸キュン設定が本作の見どころの一つでもあると、山口と橋本は話す。

山口まゆ(以下、山口):売り子さんに馴染みがなかったので、台本を読んだ時、どう演じたらいいのかを考えました。茉莉はとてもキュートで、愛されキャラなので、ちょっと声を高くして、自分の中から茉莉に似た要素を探して演じました。脚本がとてもリアルに描かれていたので、実際の雰囲気もうまく再現できていたら嬉しいです。

――新人の茉莉は橘さんにどうしても振り向いてもらいたくて、「他の売り子に声かけないで」と切実さが伝わるキャラクターでしたね。ご自身と重なる部分はありましたか?

山口:私もモヤモヤしている気持ちが苦手で。口に出さなくても顔に出てしまうタイプなので(笑)。そういうところは茉莉ちゃんと似ていると思います。

――橋本さんはご自身の役柄への印象はいかがでしたか?

橋本淳(以下、橋本):サラリーマンなんですけど、居酒屋に飲みに行かないで野球場で楽しむという、多分どこか現代社会に疲れていてそこに癒しを求めてやってくる1人だと感じました。そこは僕自身すごく分かるというか、「みんなでワイワイやるよりはちょっと誰かに優しくされたい」みたいな。売り子さんは仕事でやってらっしゃるのでしょうけど、その笑顔に癒されたり、その空間の空気感だったり、会社とは違った息抜きの場として橘さんは救いを求めて通っているのかなという印象があったので、そこを大事にして演じました。

――確かに、居酒屋で1人飲みをするのとも違いますね。売り子さんとのコミュニケーションが結構この作品のキーであり、胸キュンポイントだったかなと思います。

橋本:そうですね。やっぱり胸キュンですよね。売り子さんのライバル心だったり上下関係だったりという文化を知らなかったので、水商売との違いも含めて、ストーリーの争いの中に濃い色としてその要素も入ってきていましたが、とても可愛らしいストーリーだなという印象でした。

――最初に脚本を読んだ時と演じた後で、印象の違いや発見はありましたか?

山口:実際の現場を知らなかったのでYouTubeなどの映像を見てイメージをしていました。実際はイメージよりも慌ただしく、息遣いなどでリアルさを出していくのが難しかったです。イヤードラマはほぼ初めてだったので、気づきが多かったです。

――イヤードラマだから全て音で表現しなければいけないですもんね。一番難しかったことは何ですか?

山口:球場での距離感を声で表現しなければいけなかったのが結構難しかったです。視聴者の方に臨場感を味わってもらうために、自分がマイクに近づいたり離れたりして距離感を表現しました。そういう技術は初めての経験でした。

橋本:ヘッドフォンをつけて同じ場にいながら収録し、相手の声がヘッドフォンから聞こえてくるのですが、山口さんの破裂音の発音がめちゃくちゃ心地よくて。ハ行やカ行の耳残りがとってもいいので、そこにまずキュンキュンしました(笑)。僕とのシーンではありませんが「樽交換お願いします」のセリフが僕はすごい好きで。そういった他人の音を感じながらやるというのは、特に音だけに集中するドラマというだけあって、1人で台本を読んでいるときとは全然比べ物にならないくらい心を動かされました。

■おつまみ好きの二人が贈る、ビールを愛する人に向けた作品

本作はタイトルにもあるように、ビールが中心となって物語が進んでいく。ビール好きにはたまらない作品ではあるが、実際に売り子とお客さんを演じた二人はお酒好きか聞いてみた。

山口:去年20歳になりましたが、コロナ禍だったこともあり、飲みには行けていないです。あまりビールを飲まないこともあり、ビールの味はまだが分かりません(笑)。ビールの音を表現するために、本番中に皆さんノンアルコールビールを飲んで表現していたことが新鮮でした。

橋本:おいしかったですね、ノンアルコールビールでも。

――橋本さんは、橘さんみたいにビールはお好きですか?

橋本:好きですね! やはり体重管理があるのでビールをやめている時期もあり、今はコロナの影響で外でも飲めないので家で飲むっていう感じになっているんですけど、だんだん飲まなくなってきちゃって。そのせいか、収録中ノンアルコールビールを飲みながら芝居するときに、ノンアルなのにちょっと酔っちゃうんですよね(笑)。人と飲む、人が見ているところで飲む、というのが本当に久しぶりだったので、こういう世界が早く戻ってきてほしいなと感じています。そういう望みを込めて、色々な方に聞いてもらえるといいなと思います。行けない分、こういうもので想像して楽しんでもらえたらいいですね。

――脚本を読むだけでも、ビールを飲みたくなるような作品でした。

橋本:(食い気味で)飲みたくなりますよ! だって休憩中みんなお酒の話と焼き肉の話していましたもんね(笑)。自分は小鉢みたいな軽いつまみを3品くらい作ってビールやウイスキーを飲むのが好きですね。結構好きなんですよね、つまみが。

山口:私もおつまみは昔から結構好きです! 冷やしトマト、冷奴、枝豆、もろきゅうがお気に入りですね。

■イヤードラマと映像の演技の違い

表情などを使った映像の演技とは違い、全て声で表現するのがイヤードラマ。そんな本作を経て二人が発見したこととは。

山口:映像でのお芝居は、常にカメラに映っているので、顔の表情や手の動き、目線などで感情が伝わります。しかし、イヤードラマは声だけで伝えなければなりません。息遣いや話すテンポだけで表現することが難しかったです。

――逆にイヤードラマを経験したからこそ、今後の映像での演技で活かせそうだと思ったことはありましたか?

山口:イヤードラマを通して、声の響かせ方や高低差などを改めて意識できました。声に対して丁寧に自分の中で向き合えた気がするので、これから先、録音部さんに褒めてもらえるように頑張ります(笑)。

橋本:かわいいコメント(笑)。映像がない分だけ、雰囲気に頼ることができない制限が出てしまうので、セリフの中でどう相手に伝えてお客さんにどう想像させるかが大事で。そこがやはり難しくも、面白い部分ではあると思いますね。セリフの息の量やテンポ感で緩急を伝える部分は挑戦的です。ただ、声優さんではなく役者がやるイヤードラマは、多分そこが醍醐味かなと思う部分もあります。言葉の大切さはより強く感じますね。

――今後、どういったイヤードラマを個人的に聴いてみたいと思いますか?

山口:イヤードラマは効果音がすごくリアルで、臨場感があるのが魅力的です。舞台でやっている作品をイヤードラマで聞いたらどういう印象を受けるのか……とても気になりますね。

橋本:僕はNHKでよくオーディオドラマやっていて、そこでディレクターの方と話すのは、やはり映像作品だと予算がどうしてもかかっちゃうような作品はこういうイヤードラマの方がイメージで補えるので、予算がかからずできるということなんですよね。SF作品とか、映像にしたら100億、1兆かかっちゃうような予算規模のものもできるんじゃないのかな。舞城王太郎さんの作品とかを思い切ってやると楽しめそうだと思いました。『ビールいかがですか』も、現実的に今難しいことに対してお客さんのイメージと理想を突き詰められるような作品です。もし状況が良くなったら、また球場でみんなでビール飲みたいなっていう救いにもなるから。「今できないことをやる」コンテンツとしては、とても良いかもしれないですね。(取材・文=アナイス(ANAIS))

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