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【会期終了】個性派逸品がそろう。手しごとと出逢う「TRACING THE ROOTS」

  • 2021.10.9
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2015年からスタートした人気のマーケットイベント「TRACING THE ROOTS 旅と手しごと」がこの週末、下北沢で開催されている。元々はバイヤー向けの展示会としてスタートしたイベントだが、現在では誰でも楽しめるようになり“クラフト好き”から幅広く愛されている。

出展するのは、厳選された全国各地の「手しごとをする表現者」たち。

会場は、家具から古来種の野菜まで、個性あふれる出展者たちで賑わっている。

なかでも注目は、文化人類学者である山口吉彦さんがアマゾンコレクションを紹介し、中南米の手仕事の販売をする「アマゾン民族館〜山口吉彦コレクション」だ。
あまり身近なカルチャーではないものの、自然へのリスペクトが宿ったプロダクトは目を惹きつけて止まない。

作家自らがプロダクトを紹介する「展示会」でありながら、ここでしか見られないセンスのいい作家のセレクトが並ぶマーケット。ハイセンスで個性的なプロダクトが好きな大人こそ見逃せないイベントだ。

また、感染症対策をバッチリ行っている点も見逃せない。下北沢reload内の複数の部屋に展開されるブースを参加者が回遊する仕組みだが、各部屋の入場制限や受付では検温・手指消毒を徹底。入場はWEBより事前登録制となっているため混み合うこともない。

会場となる下北沢reloadは、屋内屋外がゆるやかにつながった複合施設だ。人気の「OGAWA COFFEE LABORATORY」が覗けるのも嬉しい。

今年オープンしたばかりなこともあり綺麗でクリーンな空間だ。ギャラリーのようなシンプルで無機質な施設内に、まるで枝葉が広がるように「TRACING THE ROOTS」の風景が広がる。そのコントラストはとても“東京的”で愉しく、とにかく素敵な世界観に惹き込まれることだろう。

また、会場内のそこかしこで目に付き印象的なのは、茅葺き職人・相良育弥と建築家・大橋史人による葦のモニュメントの作品の数々だ。自然と人の調和を表現するこの作品は、見かけるたびについつい近づいてしまう。各ブースとなる部屋前やスタジオ内には植物の装飾がほどこされ、会場内のコンセプトをゆるやかに繋いでいる。会場奥に歩を進めると、寝そべって空を見上げることのできる大きな葦の植物を使ったモニュメントが現れる。茅葺きの香りと、風に揺れて茅がこすれる音が心地いい。ぜひ中に入って“調和の象徴”にすっぽり包まれてほしい。

昨今は「便利」を優先してネットでの買い物や商品閲覧になりがち。こんな時代だからこそ、丁寧につくられた商品を手に取り、作り手の想いに触れる機会はとても貴重だ。
さまざまな個性あふれるプロダクトの気迫に触れたあとは、秋風がひんやり感じられるモニュメントでチルアウトしよう。

TRACING THE ROOTS 旅と手しごと
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