1. トップ
  2. 中村倫也さん「主演舞台では、力の抜けた安倍晴明を演じたい」CLASSY.特別インタビュー

中村倫也さん「主演舞台では、力の抜けた安倍晴明を演じたい」CLASSY.特別インタビュー

  • 2021.9.28
  • 2206 views

独特のふわっとした雰囲気と大人の色気で大人気の中村倫也さん。秋には劇団☆新感線の舞台に主演!ミステリアスな印象もある中村さんにピッタリな陰陽師・安倍晴明を演じます。約2年ぶりという舞台にむけてのオンモードの気持ちと気になるオフタイムの過ごし方をお聞きしました。

ーー劇団☆新感線の舞台には約5年ぶりの出演となる中村倫也さん。伝奇時代劇の“いのうえ歌舞伎”には初出演です。

「初めて観たのは『髑髏城の七人(1997年上演)』のDVDで、衝撃的でした。登場人物が“カッコつけてないのにカッコいい”というのがカッコいいですよね。みんなダメな奴らなんだけど、腹に一本通っているものがあって、その信念や誇りみたいなものを守るために命の火を燃やしている――。舞台に出てる男の俳優なら一度はその舞台(いのうえ歌舞伎)に立ちたいと思うだろうから、参加できるのは嬉しくもあり不安でもあり。でも稽古が始まったら、楽しいことばかりになってます。妖怪、いっぱい出てくるし(笑)」

ーー今作で演じるのは、“狐の子”を名乗る陰陽師・安倍晴明。ミステリアスなイメージの中村さんにはピッタリな役柄です。

「やってみたいのは力の抜けた晴明。足し算より引き算をベースにした主人公にしたいと思ってます。人前で表現する舞台で、しかも時代物となると、役者の熱量で引っ張っていったり足していく作業があるんですが、今回は力みがないというか引いたところから前に出ていきたい。そのほうが晴明のキャラクターの魅力もふくらむ気がしますし、作品全体のメリハリやうねりをもっと感じてもらえるんじゃないかな。そんな力の抜けた晴明がゼイゼイ息を切らしたり、大声出したりしてみたいって、脚本を読んだ時から楽しみにしてました」

ーー作家の中島かずきさんによると今作の晴明は中村さんの“あて書き”だとか。自分でもそう感じるところはありますか?

「『妖あってこその都よ』って台詞があるんですが、都は朝廷や権力者たちだけのものじゃなく、半端者とか妖とかよくわかんない者たちもひっくるめて都でしょっていう感じとか、妖怪大好きなところとか(笑)。そういうのは『なるほど…あて書きだな』って思いました。妖怪だけでなく生き物が好きですからね。動物や植物、昆虫に対する思いが人とはちょっと違うというか。たぶん僕は生き物の中で人間が優位だとは思ってないんですよね」

ーー中村さんが思う、今作の見どころは?

「今作には今の時代へのエールも入っているんじゃないかと思いました。全編にいろんなメタファーが含まれているので、そのへんは軽やかに表現できればと。主人公の晴明としては、なんか目が離せない、なんかほっとけないみたいな不思議な愛嬌を持った人間になる予感がしてます。あまり見たことのない晴明じゃないかな。ともかく楽しい作品になるのは間違いないですね」

ーー映画やドラマでも大活躍している中村さんにとっての舞台はどんな存在ですか?

「一番、水が合うというか。舞台が好きで舞台で育ったので、ホームグラウンドみたいな感覚があります。今回2年ぶりなので、戻ってきた感じ。稽古場の印をつけた床を見ただけで、テンションが上がりますね(笑)」

ーーコロナ禍で公演の中止や延期もありましたが、今思う生の舞台の魅力とは?

「今だから思う、っていうのは別にないですね。演劇って、その日その場所でしか体験できない唯一無二なもので、それは変わらないと思います。だって何百年も前からあるコンテンツですから。こういう状況でやりづらかったり中止になったりいろいろありますけど、やることは変わらない。僕にできることを毎日頑張るしかないと思ってます」

Tomoya Nakamura

’86年12月24日生まれ 東京都出身 血液型A型●’05年、俳優デビュー。’14年『ヒストリーボーイズ』で舞台初主演、第22回読売演劇大賞優秀男優賞受賞。’18年朝ドラ『半分、青い。』に出演し人気を博す。最近の主な出演作はドラマ『凪のお暇』『美食探偵 明智五郎』『この恋あたためますか』『珈琲いかがでしょう」、映画『水曜日が消えた』『人数の町』『ファーストラブ』『騙し絵の牙』、舞台SHINKANSEN ☆ RX『Vamp Bamboo Burn ~ヴァン! バン! バーン!~』『怒りをこめてふり返れ』『クラッシャー女中』など。エッセイ集『THE やんごとなき雑談』が発売中。

【2021年劇団☆新感線41周年興行 秋公演 いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩り』】

満を持しての“フルスペック„新感線として、劇団41周年の秋に公演される“いのうえ歌舞伎„最新作。晴明伝説にスパイスを加え、新感線らしいアクション、歌、ダンス、笑いを盛り込んだ伝奇ファンタジー。主役の安倍晴明を中村倫也が演じる。作:中島かずき 演出:いのうえひでのり 出演:中村倫也 吉岡里帆/浅利陽介 竜星 涼 早乙女友貴 千葉哲也 高田聖子 粟根まこと/向井 理ほか。[東京]9月17日(金)~10月17日(日)TBS 赤坂ACTシアター[大阪]10月27 日(水)~11月11日(木)オリックス劇場
http://www.vi-shinkansen.co.jp/kyubi/

【衣装】カーディガン¥53,900(ウェルノード/alphaPR)シャツ¥33,000(ミィ/sekond Co.,ltd)パンツ¥29,700(セラードア/エディフィス 新宿)シューズ¥25,300(クラークス オリジナルズ/クラークスジャパン)

撮影/渡辺謙太郎 ヘアメーク/Emiy スタイリング/小林 新(UM) 取材・文/駿河良美 撮影協力/EASE 再構成/Bravoworks.Inc

元記事で読む
の記事をもっとみる